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第32話

あれから、替わってドリームを見る回数は、減ってった 夢を見た後すぐに、紫月がしがみ付いてくるから 紫月の手を離して、誰かに替わろうなんて思えないから ただ1人 どさくさに紛れた様に出て来た、小さな頃の俺だけは しぶとく、何度も登場して来た さすが俺だ ピンポ~ン 「南風!来た!」 「うん」 今日は、ついに ダブルベッドが届いたのだ 紫月は、あの日 朝起きたら、せっせと部屋のサイズやら、ドアのサイズやら、測量を始めて デザインも寝心地も値段も関係なく 最短で買える、ダブルベッドを探し歩いた 紫月のベッドは 少しの間だけど一緒に寝てたから、なんだか思い出深くて、残してもらった 俺が使わせてもらってたベッドを持ってってもらって、そこに置く事にした ちなみに、俺が使ってたベッドは 半年位だけ、従兄弟との共同生活期間があったらしく その時の物が、そのままにされてたらしい 俺なら、ソッコーで売るけどな 「南風、南風。横になってみよ~」 「よ~し!」 「あ、待って!」 広々ベッドにダイブしようとしたら 紫月に、後ろからハグされた 「南風、怪我してるの忘れないで」 「あ、そうだった」 大人しく日常生活を送る分には、殆ど痛みを感じなくなってきた俺は ついつい、以前の様な行動を取ろうとしてしまう 「せっかく痛くなくなってきたのに」 「それだけ、順調に治ってるって事だな」 「ん……良かった」 紫月の抱き締める力も、前より強くなった 後ろから抱き締めたまま、右の頬にスリスリ うなじの辺りにキスをして、左の頬にスリスリ… 「紫月…甘えてんの?」 「ん…南風が居るから…満喫してる」 「俺、毎日居るじゃん」 「ん…嬉し…」 あの時、紫月が話してくれた感覚が、俺には実際分からない様に 俺の見る夢を、紫月が実際、どこまで分かったのかは知らない だけど、あの日から 紫月は、それまで以上に甘えてくる様になった 「紫月…ダイブしないから、ベッドに寝てみよう?」 「うん」 単に、紫月の中を全部出して、甘えたくなったのか 俺が甘えられる事で、紫月と未来を生きてく自信がつくのに、気付いてるのか どっちもなのか 「うわぁ~…2人でも、全然よゆ~だ~」 「…………」 「紫月?」 「ちょっと…広過ぎたかな…セミダブルにしとけば良かったかな…」 「そう?お互い自由に寝返り打てて、快適そうじゃない?」 「……そうだね」 え… あんなに楽しみにしてたのに、どうした? 「紫月、どうした?部屋が狭くなっちゃったから?」 「……南風が…」 「え?俺が?」 「なんか…遠くなったみたい」 え… 遠く?とは? 「隣に居るよ?」 「うん…でも、もっと近かったし…寝返りしても、南風のどこかが、くっ付いてた…今は、意識してないと、離れちゃう…」 うわ… なんて可愛い事言うの?この子… 「紫月!」 「っ…何?」 「可愛いヤツめ!」 「あ…南風に可愛いがられるのも、抱き締められるのも好きだけど…その言い方…あんまり好きじゃない…」 「言い方?可愛いヤツめ!ってやつ?」 「うん…俺の同期が同じ事言って、よくからかってくるから…」 同期って、あの病院付いて来た人かな それとも、別の同期? 男?女? どっちにしても、この紫月を そんな事言って、からかってくるって… 「その人って、俺が運ばれた時、病院に一緒に来てた人?」 「え?……あ、そうだった。あいつ、居たな」 うわ… 紫月が、あいつ呼び そんで、なんか忘れられてた? 「なんかさ…スーツでビシッと決まってたけど、豪快に笑う人だったね?」 「……ビシッと…決まって…南風…格好いいと思った?」 「え?」 「俺より、ずっと面白いし…一緒に居たら、楽しいと思…」 「なに…紫月、妬いてんの?んで、なんでそんなに弱気なんだよ?俺が1番だろ?って自信持てよ」 「…そんなの…持った事ないもん」 どっから、どう見ても完璧なこの男は 謙遜でも何でもなく ほんとに、全く、そうは思ってないんだよな 「スーツがビシッと決まってて…なんか、紫月と同じ世界の人間だなって思った。そんで、紫月が全然遠慮してなさそうに喋ってて…ちょっと羨ましかった」 「羨ましいなんて思う必要ないよ。あいつは、ただの同期で、悪い奴ではないけど、別に居なくたって良くて…」 「そう?その人なんだろ?俺の話して、聞いてくれてたの…紫月が俺に抱き付いてたの…すげぇ顔して見てたけど…その後、豪快に笑ってたじゃん?絶対いい人だよな」 紫月が、どこまで話してたのかは知らないけど 男が男に、あんな場所で抱き付くって 親戚でもないのに、あんなんなるって、結構な事だ それを笑い飛ばせるって、器がデカイんだと思う 「あいつは…秋月は、よく分からない奴なんだ。日本語話してるのに、時々何言ってるのか、分からない事があるし、よく分からない事で、笑い出したりする」 「へぇ…でも、同期って事はさ…会社入ってから、ずっと仲いいんだろ?」 「仲…いいのかは、分からない。俺がそうだから、周りも俺とは一定の距離を取ってるけど…あいつは、それを無視して来るから…多分、周りには仲がいいと思われてる」 距離を取ってるのは 周りと同じに感じないって話が、関係あるのかな 「紫月の事、心配して一緒に来てくれたんだろ?」 「知らない…ねぇ、もう秋月の話はいいよ」 「ははっ。秋月の扱い雑過ぎない?」 「南風……キスしたら…困る?」 「紫月は?困る事になんない?」 「大丈夫…キスしたい…」 「……ふっ…いいよ。俺も困んない。して欲しい」 そんな目で見つめられて、断れるヤツ存在しないだろ 多分、もう… セックス出来るんじゃないかな…って思う だけど、もし… ようやく出来たのに、途中で痛くて止まったりしたら 2人してショックだし もう、当分してくれない気がする 「んはっ……んっんっ…」 深いな… 紫月も…おんなじ様な事思ってんのかな したいけど…まだだって 我慢してんのかな 「南風…」 「ん……紫月?」 俺の上に、覆い被さった紫月が なんか、めちゃくちゃオスな感じで見下ろしてる これは… 「南風……南風の…気持ちいいとこ見たい…まだ…あんまり気持ちいいと、痛くなる?」 「え…っと……それは、セックスしようっていう…」 「ううん…南風をね…イカせたい……南風がイクとこ…見たいっ……嫌?」 「……えっと…それなら…大丈夫だと思うけど……それって、紫月辛くなんないの?一応…準備してみる?」 「ううん…イキたくなったら、自分でイク……なんか…なんかね……凄く南風の気持ちいいとこ…見たくなっちゃってね…」 真っ赤な顔した、格好いい人が 俺の上で、困った顔して 必死に喋ってる 「気持ち良くなって、イクくらいなら大丈夫だと思う。ただ、しばらくそんな気にもなってなかったから…もしかしたら、ちゃんとイケないかも…」 「大丈夫…南風…イクって頑張らなくていいよ…ただ、気持ち良くなって…」 ゆっくりと紫月が、包み込んでくる 優しく頭を、頬を撫でて キスをくれる 最初から変わらない 指の1本1本から、大切にされてるって感じる触れ方 気持ちいい… 「んっ!」 「ごめん…刺激…強い?」 「ちょっとなら、大丈夫」 「南風…」 「~~っ…」 紫月に開発された、耳の性感帯 いや、開発したつもりなんて、ないんだろうけど 紫月に耳を触れられると、キスされると 舐められると… 「~~~~っ…んあっ!」 「ん…終わり」 堪らなくなる 胸で感じるのに近い そこでイケる訳じゃないのに 堪らなくて、少しの間プルプルする 「~~っ…変なのっ…」 「ん…変な南風も、好きだよ」 プルプルしてる間 紫月は、優しく包んだまま、待っててくれる 「もう大丈夫」 「ふっ…南風、可愛い」 そう言って笑う紫月も めちゃくちゃ可愛いよ 「南風……南風…………」 ? 首筋に沿ってキスしてた紫月が、動きを止めた 俺の胸のバンドを見てる… 「紫月…外していいよ」 「外したら…南風痛くなるでしょ?」 「大きな動きしなきゃ大丈夫。風呂入る時だって外してるだろ?」 「そうだけど…」 「その代わり、俺の左腕掴んでて」 「左腕?」 「思いっきり腕上げたり、広げたりすると、流石に痛くなるから。紫月、俺の左腕下げたまま、押さえてて」 そう言ったら 紫月が、ブンブン首振った 「そんなの…南風を押さえつけてなんて、出来ないよ。やっぱり、胸はもう少ししてからにする」 「そう?俺は、して欲しいけどな」 「だって…」 「興奮するよ?拘束プレー」 「こっ…そんなのしないよ!南風を拘束なんてっ…」 「本気じゃないだろ?プレーだよ。お遊び。俺、他の男にはされた事あるよ?」 「っ……南風…痛かったら、ちゃんと言って」 「了解」 優しい紫月は、こんくらい言わないと、してくんないからな せっかく気持ち良くしてくれるなら 紫月も望んでるなら 久しぶりの快感、たっぷり味わうとしよう

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