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第八章 帰順と反逆 2
悠が消えてから一月が過ぎようとしていた。瞬が退院してから、もう二週間になる。
瞬は、独りでこのマンションにいた。
毎日独りで寝て独りで起きた。そして仕事に行った。
笙子は休めと言ったが、そんな甘えたことを自分が許したくなかった。
職場に行けば、ミスをしない程度には気持ちが張る。
その間だけは悠の事を忘れていられた。
けれど店が休みの日には、瞬は一日中寝室に籠もった。
そして悠の残していった数少ない物を抱いて過ごした。
自分でも病んでいると思う。
悠の面影だけを求め、悠の声を、言葉を思い出しながら過ごす一日は異様だろう。
しかし、今の瞬にはそれが一番の安らぎだった。
笙子には、悠の消えたわけを考えたい、などと綺麗事を言った。
だが、悠が自分の元から逃げたという事実に意識を向けると、いつも瞬の思考はそこでストップしてしまう。
過去の甘やかな記憶にばかり目を向けていて、次の一歩が踏み出せないことは、よく分かっている。
瞬はそこから抜け出す術を完全に見失っていた。
そんなある日。
突然柴浦から電話が掛かってきた。
『瞬さん、急な話で申し訳ないのですが、明日事務所へお越し願えませんか』
「明日は仕事が……」
『笙子さんの許可は頂いています』
「……どうしても、ですか」
『はい。大事な用件です』
「……わかり、ました」
『それでは明日の午後一時に。お待ちしております』
それだけを言うと、柴浦は電話を切った。
そう言えば、柴さんとは退院以来一度も会ってないな、と瞬はぼんやりと思った。
彼らに会えば、慰めの目を向けられる。それが、辛い。
店で笙子と顔を合わせる機会も何度かあったが、向こうに声を掛けられる前に、瞬は上手く用事を作って席を外した。
かといって、今叱咤されても、瞬にはそれを受け入れるような余裕はなかった。
優しくされるのも厳しくされるのも嫌だなんて、何という恩知らずだろうと瞬は自嘲する。
いっそのこと、僕のことなど放り出してしまってくれればいいのに。
あぁ、自分がこんなに身勝手な人間だとは思わなかった。
勝手に身動き出来なくなっているくせに、それに八つ当たりして。
自分の都合の良いように人を振り回して。
なんて卑怯で、卑小な人間なんだろう。
僕は。
僕は……。
*
きっかり時間通りに、瞬は事務所を訪れた。
すぐにいつもの応接室に通される。そこには、柴浦と東城が待っていた。
「お久しぶりです……」
瞬が言うと、二人は少しほっとしたような顔で頷いた。
「ご無沙汰しております」
「しばらくぶりだが、顔色も悪くないし大丈夫そうだな」
「色々ご心配を……」
「あぁ、いいって、いいって!」
東城が大きな手を大きく振って言う。朗らかなその声を聞いて、瞬は笑顔を浮かべることが出来た。
「今日は、どんなご用ですか?」
「……いや、な、ちょっとお前さんに会わせたい人が」
「会わせたい、人?」
一瞬、悠が帰ってきたのかと思った。が、すぐにそれを打ち消した。それなら東城がこんなにもったいぶるはずがない。
「だれ、ですか?」
緊張で少し声が震えた。悠が消えて以降、動揺が表に出やすくなってしまっている。今はそれを取り繕う余裕すらない。
「柴」
東城が言うと、柴浦がさっと扉に歩み寄って開けた。
自然とそちらを目で追った瞬は、我知らず声を漏らした。
「……あ、ぁ……」
開け放たれた戸口に、こんな場所に似つかわしくない、小柄な少年が立っていた。
人なつこい垂れ目に、引き結ばれたへの字口。今にも泣き出しそうな、懐かしい顔。
「マ、コ……?」
「シュン……ッ!!」
瞬が駆け寄るより先に、真が凄い勢いで飛びついてきた。勢い余って、二人で床に倒れ込む。
それにも構わず、真は瞬を掻き抱いた。
「瞬っ、瞬っ!!」
「マコ……、マコ、本当に、マコ? マコなの?」
真も瞬も、互いにしがみつき合ってなかなか顔が見えない。
「瞬っ、僕だよ! 会いたかった! 会いたかったよぉ……!」
「僕だって! あぁ、マコ、元気だった?」
「元気も元気。毎日あっちこっち飛び回ってたぜ」
急に降ってきた声に、瞬は慌てて顔を上げた。
「ケ、イ……敬! それに涼も!」
「よぉ、久しぶり」
少しだけ背が伸びた、変わらない面差し。敬は優しく、涼は少し照れたように笑っている。
懐かしい三人が、瞬の前にいる。
「みんな、無事で……」
「会いたかったよ、瞬……」
「僕も会いたかった……ねぇ、マコ。顔良く見せて」
瞬が、真の頬に手を添えた。
「あぁ、背も大きくなったね。……まだ、泣き虫のまま?」
瞬はくすりと笑うと、真の眦に浮かんだ涙を、そっと拭った。
「それなら、瞬だって」
真の手が、瞬の頬に伸びる。その指が、頬の涙を辿って初めて、瞬は自分が泣いていたことに気付いた。
「……参ったな」
ようやく人前で泣くことが無くなったところだったのに。
瞬は真をきつく抱き寄せると、その肩口に顔を埋めた。
「瞬……」
どこかいたわるような真の態度に、この三人も、既に悠の失踪を知らされているのだと知る。
「マコ……」
「うん」
「僕、約束守れなかった」
「……」
「悠の手、離しちゃったよ」
「……バカだ」
「……うん」
「君じゃない。悠が、バカだ。大バカだよ」
瞬が、しゃくり上げる。その背を真の小さな手が撫でた。
東城と柴浦は、抱き合う二人と、それを少し離れて見守る二人を黙って見ていた。
瞬は真という名の少年と同い年ほどなのだろう、と柴浦は思った。
本当ならこんなに華奢な少年のはずなのだ。
改めてその姿を見て、柴浦は悠の苦悩と罪悪感を思い知った。
――確かにこれは、きついな。
自分のために、あるべき姿まで歪めてしまった瞬の存在は、悠にどれほどの喜びと苦痛を与えたのだろう。
研究所という狂った場所で、互いの傷を慰撫しながら結ばれた絆を彼らの内に見て取る。
そして柴浦は、悠の抱えていた物に思いを馳せた。
悠の胸にあったのは、瞬だけではなかったのだ。共に過ごし共に生きた仲間を守るため、悠は戻った。
その事実に彼らが傷つくということを、悠は考えたのだろうか?
考えた上で、残酷な決断を下したのだろうか?
瞬は真と抱き合ったまま静かに深呼吸を繰り返すと、ようやく真の身体から離れた。
そして、真の手を取って立ち上がり、東城を見た。
「どうしてこの三人の行方が分かったんですか?」
「その……協力者が、あってな」
「協力者? 一体誰です?」
「うむ……」
東城はちらりと柴浦を見た。柴浦が笑って言った。
「もう隠す必要もないでしょう。本人も直接会って話がしたいそうですし。まぁ、たかが公僕ですから」
「……んだよ、そんなかるーくバラしやがって」
ぶつぶつと不平を口にしながら戸口から現れたのは、当の沢野だった。
「どうも」
と、瞬に軽く会釈する。瞬はその顔をしばらく見つめていたが、何かに思い当たったようで、はっと息を呑んだ。
「あなた、何度か店の裏にいましたよね。見覚えが……」
「な……っ」
沢野が絶句した。
「……お前、転職した方が良いんじゃないか」
柴浦が呆れたように言った。
「素人相手になにやってんだ」
「るせぇ。ちょっとした手違いだ」
そう嘯いてから、沢野は瞬に向き直った。
「公安の沢野と言います。付け回したのは……申し訳ない。君らの友人の暁君を追っていたのでね。彼ら三人も、そのツテで見つけたんだ」
「そうでしたか……」
暁の名が出て、瞬は顔を曇らせた。
その表情を沢野はちらりと見たが、何も言わず話題を変えた。
「俺は、君たちが所長と呼んでいる男を逮捕したい。そのために協力してくれないか」
「……たいほ?」
『しょちょう』と『たいほ』の単語がつながらないのだろう。きょとんとした顔で返されて、沢野が苦笑した。
「捕まえるんだよ。悪いことをしたからな」
「悪いことって、どれ?」
子供っぽい問いかけに内心困惑するが、沢野は顔には出さず説明を続けた。
「まぁ、あくどいことを山ほどやってるようだから、どんな罪でも良いんだ。それこそ、交通違反でも」
「……はぁ」
「過去の余罪でも、現在進行中の物でも、とにかく奴を引っ張れれば何でもいい。だが奴は巧妙だ」
「面倒臭ぇな」
それまで黙っていた涼が、思い切り嫌そうな顔で沢野を睨んで言った。
「そんなの、今から乗り込んで手錠掛けりゃすむことじゃねぇの」
「……そうできればな」
沢野も溜息を吐いた。
「それが出来ないのがお巡りさんでね。法律ってのは厄介で、手順を踏んでやらないと却って向こうの有利に働いちまうこともあるんだ」
沢野は指を唇に持って行った。ゆっくりと撫でて気持ちを落ち着けようとする。
だが、やはり無理だったのだろう。懐に手を入れると、煙草を取り出した。
柴浦が黙って沢野を見た。涼もまた、嫌悪丸出しの顔で沢野を見た。
「子供がいるんだ、控えろよ」
「正論だな」
「……うぅ」
涼に柴浦の援護が加わって、沢野は呻いた。渋々煙草を元に戻す。
「研究所に乗り込めない理由が、もう一つある」
沢野は、ちらりと東城を見た。東城が小さく頷いた。
「あんた達の仲間の……」
沢野の目がその場の全員の前を通り過ぎ、瞬の上で止まった。
「悠って子が、おそらく研究所にいる」
瞬が、息を呑んだ。
瞬は、その可能性を全く考えていなかった。考えようとすらしなかった
悠が姿を消してから今日まで、悠はどこにいるのだろうと思いを巡らせてきた。
きっとどこか遠くの町の片隅で、息を潜めて隠れているに違いない。金を持たずに行ってしまったのだから、今頃困っているはずだ。雨に濡れずにいてくれれば……と、そんなことばかりを考えていた。
だが、研究所に戻るはずがない、と言う先入観は厳然としてあった。
あんな恐ろしい場所に、悠が自分から戻るはずがない。あり得ない。……そう思い込もうとして、懸命に目を逸らしていただけなのかもしれない。
「は……、そんなはず――」
「そう考えた方が自然だろう」
「あり得ない!」
瞬が叫んだ。
「あんたは知らないから……悠がどれだけあそこを怖がっていたか知らないからそんな――」
「それは君が、そう思いたいだけだろう?」
沢野の冷静な声が、かえって瞬の激情に火を注ぐ。
「違うッ! 僕たちはあそこから逃げて、逃げて、ようやく落ち着ける場所を手に入れたんだ! それを自分から捨てるなんて」
瞬は手を握りしめた。
「今戻ったら……悠は……、悠はあいつに何をされるか……。悠だってそれは……分かって……」
「瞬さん」
柴浦が、割って入った。
「まだ、瞬さんに言っていなかったことがあります」
「……」
「悠さんが笙子さんの家で倒れたことがありました」
瞬の目が、大きく見開かれた。呆然と柴浦を見る。
「倒れた? それいつですか」
「松永の二度目の襲撃の前です。そのとき、悠さんはテレビでニュースを見ていた」
「……」
瞬が、眼を細めた。
「ニュースの内容を問い合わせたところ、それは事故のニュースでした。男が車で港から落ちた。男の名前は、大津。心当たりがありますか?」
「……おお、つ」
瞬の目が、思案に揺れた。だが、その名に思い当たったのだろう。みるみるうちに顔から血の気が失せる。
「まさか、小学校の」
「えぇ、小学校教諭とのことです」
瞬だけではない。真も、二人の年長者も同様に息を呑む。
「皆さん、やはりお知り合いでしたか」
「亡くなった……? 先生が……?」
敬が、言葉を押し出すように言った。
「あなた方の逃亡に関係のある方ですか」
「はい。研究所を逃げる時に手助けをしてくれた、瞬の担任の先生でした」
やはりそうだったか、と、東城は瞬を見た。あの日の悠の態度から、彼らに深い関わりのある人物だろうと予想は付けていたが、蒼白になった瞬を見ると東城の胸もひどく痛む。
「事故、ですか」
敬のその問いには、沢野が答えた。
「……その件は所轄に問い合わせた。現場の状況からして事故もしくは自殺の線で捜査が進められた。大津氏は独身で、勤務状況にも全く問題はなく、交友関係もきわめて良好。借金もなし。よって自殺の線は消え、事故という結論に至る。現場は明かりもなく、障害物もなし。ブレーキ痕もなし。酒に酔っていた形跡もなし。もちろん、手足を縛られていたとかそう言う疑わしい点もなし。なし、なし、なし――さて」
沢野が周囲を見回した。
「君らはどう見る」
沢野の言葉は挑発だった。おそらく、皆の胸に同様の答えが過ぎっただろう。だが、誰もがそれを口に出来なかった。
ふと、真は傍らに立つ瞬の手が震えていることに気付いた。固く握りしめられた手に爪が食い込む。
真はその手を握った。
「……殺された――」
しばらくの沈黙の後、瞬が掠れた声で、言った。
「殺されたっていうのか、あいつに……!」
言葉に出して改めてその重みがのしかかる。
「悠は、それを……」
「悠さんはニュースを見た。笙子さんの話では、そのとき悠さんは尋常ならざる様子だったようです。おそらく、悠さんも同じ結論に達したのでしょう」
「……そんな、話、僕には一言も……!」
瞬は唇を噛み締めた。
「でも、何で今頃?」
疑問を投げかけたのは涼だった。
「俺たちが逃げてから、もうかなり時間が経ってる。所長なら協力者の存在なんてすぐに見つけ出せただろうよ。それが何で今になって」
「可能性なら、まぁいくらでもひねり出せるな」
沢野が、相変わらず唇を触りながら言った。
「見つけるのに時間が掛かった。始末するのに時間が掛かった。始末する時機を窺っていた。君らが接触する可能性を考えて泳がしていたが、その必要がなくなった。先生の方から接触を図った。先生が所長を強請った。……とまぁ、挙げればきりがない」
「あんたはどう思ってるんだ」
「俺に分かるかよ」
「あんたが軽口を叩くときは、答えが腹ん中にあるときだろう」
涼が沢野を見据えて言う。脇で柴浦がふっと笑った。
「……なんだよ」
「いや。お前本当に、転職した方が良いぞ」
「……るせぇ。でもまぁ、察しの良い坊やは好きだぜ」
沢野はそう言うと、懐からもう一度煙草を出して口にくわえた。辛うじて火は点けずにおく。
「大津が死んで、その悠って子が消えた。それが答えだろう」
「どういう意味だ」
「おびき出されたのさ。一人殺した。お前が帰ってこなければまた次を殺すぞってな」
がたり、と大きな音がした。瞬が大きく足を踏み出し、椅子に腰をぶつけたのだ。
だがそれに構わず、瞬がふらふらと歩き出す。
「瞬、どこいく――」
「敬! 瞬を止めろ!」
真の声に涼の声が重なった。瞬が駆け出した所を、戸口に《跳んだ》敬が捕まえる。
「離せっ!」
瞬がふりほどこうとするのを、必死に押さえつける。
「瞬っ、落ち着け」
「邪魔するな!」
「落ち着けって!」
なだめようとする敬の態度が、逆に瞬の神経を逆撫でした。恐ろしい形相で敬を睨み付ける。
敬は瞬の力が膨れあがるのを感じた。肌が総毛立つ。
――ヤバイ。
咄嗟に腕を引こうとしたが、それより先に強い痛みが敬の腕を走った。バチン、と大きな音が二人の間で爆ぜる。
「……くそッ!」
敬が腕を押さえて後ろに飛びずさった。瞬の回りを閃光が飛び交い始めている。
脇でその様子を見ていた東城が、見かねて足を踏み出した。だが、それを柴浦が無言で遮った。視線が交錯する。柴浦は、黙ったまま静かに首を振った。
――この場は彼らに任せるべきです。
「瞬、お前が今あそこに行って、何が出来る」
敬が言う。
「悠を……悠を連れ戻す」
「何の策もなしに行ったって、所長の思うつぼだ!」
「そんなの、やってみなきゃ分からない!」
怒鳴る瞬の体が、青く光る。身体が電気を帯び始めているのだ。こうなってはもう、瞬に触れることも出来ない。
敬が唇を噛んだとき、二人の間に鋭い冷気が駆け抜けた。
冷気は瞬を取り囲む。みるみるうちに、部屋の温度が下がってゆく。
「瞬、頭を冷やせ」
「……ッ!」
冷気は部屋の水分を凍らせ、瞬の身体に霜を付ける。
瞬の身体から、あっという間に熱と自由が奪われた。
「所長は、今度は悠を餌に、俺たちを釣ろうとしているのかもしれないんだぞ」
「……そんなこと、分かっ、てるっ!」
震える言葉は、激しくもたどたどしい。それは寒さのせいなのに、真には瞬が泣いているように聞こえた。
「あのバカがどんな気持ちで姿を消したのか、お前が一番よく知ってるだろう?」
涼が、動けない瞬の側に近づいた。
瞬の吐く息が白い。怒りと寒さとで震えながら、瞬はまだ戸口の方を睨み付けている。
「焦るなよ、瞬。チャンスを待つんだ」
「……こうしてる間に、悠は、あいつに……」
「なぁ瞬、悠の意志も、尊重してやれ」
「悠の意志!? 僕から逃げて、僕らを守ってるつもりなのが、意志だってのか!?」
「……本当にそれだけだと思うか?」
冷静にそう返されて、瞬は口を噤んだ。
「悠がそんな軽い気持ちでお前から離れたと思っているのか? お前達の関係はそんなものだったのか?」
瞬は、黙って涼の顔を見つめた。
「悠は身を裂かれるような思いで、ここを離れたんじゃないのか? ……あいつがそれほどの覚悟でもって、何かをしようとしているとは思わないか?」
「……何、を?」
「それは、お前が考えるんだ。もう一度言うぞ、瞬。悠が何を考えているのか、お前が一番分かるはずだ。それをよく考えろ。短気を起こして突っ込んで、あいつの為そうとしていることを無にしても良いのか?」
そう言うと、涼は瞬の周囲から冷気を解いた。部屋の温度が上がるにつれ、凍り付いていた部屋の空気も徐々に溶けてゆく。
瞬が、その場にへたり込むように座った。
いつの間にか、また瞬の目から涙が溢れ始めていた。
涙は止まることなく、床へと落ち続ける。
背後からゆっくりと真が歩み寄った。そして、黙ったまま瞬の頭を抱きしめた。
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