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「…っあ! 気が付いたぁ?」
目が覚めて、最初に飛び込んできたのはマリの顔と愉快そうな声。
状況を把握しようと身体を動かすが手足が痺れている上に両腕をベッドヘッドに縛られていて動かすことができない。
「…っな!」
「ん~? ふふ、ちょっとびっくりしたでしょ。初体験がこういう刺激的なのもいいと思わない?」
ニコリ。もう完全に何かおっぱじめるつもりでいる笑みを浮かべるマリに、マテウスは声を荒げた。
「おい……っ、誰にこんなことしてると思ってる! バレたらただじゃすまないぞ!!」
「……君って本当バカ。次期国王の器の初体験が素性の知れぬ、しかも男に両腕縛られて好き勝手やられました…なんて、こんな情けない話ってないじゃん。君、もし本気でお母様にでも言うんならその情けないレッテル、一生貼られて生きてくんだよ? 国民にも示しがつないと思うな~~」
ぐ…っと詰まるマテウス。正論だがやはり悔しい。分かっていたはずなのに。あんなうかつに飲むんじゃなかった…と先ほどの自分の行動を悔いた。
その表情を見てマリはそ・れ・に…と続ける。
「君、城から護衛もつけずに出てくるなんて…どれだけ剣術に自信があるのかは知らないけど不用心極まりないよ。こんなことされても文句は言えないね」
この、平民の癖にちょくちょく正論をついてくるのが心底マテウスをいらつかせた。こんなつもりじゃなかった…こうなる予定では…。
「それよりもさ、どう? ご気分の方は。これから脱・童貞…! なんちて」
「う、うるさい!! そんな急に誰かも分からない男に勝手に乗っかられてたまるか! 早く拘束をとけ!!!!」
あくまで口調は荒いでいても、絶望やその類の感情は抱いていない…という風を装っていたマテウスだが、正直、これ以上ないくらいに焦っていた。
狩りで、肉食獣と対峙してもこんなには汗をかかないだろう。……それに目が覚めた時から心なしか身体が熱い…ような気がする。
頭でごちゃごちゃと考えているとスルリ、とマリの手がマテウスの内太ももを撫で上げる。ゾクリ、とマテウスの背中を鈍い快感が駆け抜けた。それは1回では収まらず、何度も何回もマテウスの太ももを触るマリ。それがどんどん股関節のきわどい所までに上っていき、とうとうマテウスのそれに手をかけた。
「ふふ……年齢の割になんて大きいの…! 僕の中でどくどくって…たっくさんだしてね?」
恍惚とした……マテウスが昨日窓から見た表情を浮かべるマリ。ズクン、それがさらにマテウスの中心に熱を持たせた。
もうマテウスはどうすることもできなかった。混乱と、手足のしびれと、焦りと、若干の恐怖。いろいろな感情がマテウスの脳を占拠していた。
だが1番大きかったのは次に来る快感への淡い期待だった。そのしなやかで細い指が次にいったい自分の身体のどこを触るのか……。それを考え出したらもう止まれなかった。
「わぁ…どんどん大きくなるよ…ね、舐めてもイイ…?」
「勝手に……し、ろっ!」
ハァ、ハァと肩で息をしながら自分の下半身の中心に顔をうずめるマリを軽く睨みつける。
手際よくマテウスの身に着けていたものを下ろし、既にそそり立っているマテウスのそれに、
「じゃ、勝手にしまぁす」
と軽く息を吹きかけてねっとりの糸を引く口内に含んだ。
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