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「いぁあっ!! も…むりだってぇ! やぇてええぇっ……!!」 「う、るさいなっ! 散々好き勝手したんだから……!」 当たり前だろ! と一際強く腰を打ち付ける。途端、過ぎる快感で大きく開かれた口からまた1つ、声が上がる。 まさに形勢逆転。先ほどまで情けなく縛られていた王子の姿は既にそこにはなく、およそ年相応とは思えない形良く発達した逞しい身体でマリを組み敷く王子がいた。 必要最低限しかない部屋に、荒い吐息と甘ったるい嬌声だけが響く。 「あっあっあ、…っそ、こぉ……!!」 「うん? ここが…? なに、もっと?」 マリが強く反応を見せた箇所をわざと外して更に突き上げる。 ありえない、信じられない、というのが今のマリの心境だった。何故なら、今までのマリの相手は年のいった、国のお偉い方ばかりだったから。それ故か、今のマテウスのように若さと力任せに抱き伏せることはなく、どちらかというとスローな動きでゆっくりとしたセックスだった。稀に年齢に似合わず頑張る者もいたが本当にごくごく稀だった。 だが今のマテウスはどうだ。 マリの身体のことなどまるで考えていないような早い動き、尻が赤くなるほど強く打ちつけられていた。先ほどまで悔しそうな、もっと言ってしまえば情けない表情を晒していた王子が、今ではすっかり雄の顔に豹変だ。 「やぁっ……っ! そこ、らない!! こっ、ち!!」 「…っ!」 しつこくマリの悦ぶ所をずらして突くマテウスに痺れを切らしたマリ、自ら腰をぐいっと動かしてマテウスのものが待ち望んでいた場所に当たるようにする。きゅん、と強い締め付けがくる。それが更にマテウスのものを大きくし、ゴリ、と音を立ててマリの中を強く抉る。 それ以上に驚いたのは、初めてのはずなのに想像をはるかに超えるマテウスのセックスの上手さ。さっき、マリが乗っかって搾り取るまでは確実に童貞だったはずだ。 のにも関わらず手慣れたマリを動けなくさせるほどにうまかった。……やはりこれも王族特有の生まれもってのものなのだろうか。 マテウスも初めて、またマリもこれほどに激しいセックスは初めてだった。 否、好き勝手に犯され、痛みしかないような暴力にも似たセックスは経験があっても、こんなに快楽だけしかないようなセックスは初めてだった。 それこそ理性が吹っ飛んでしまうような、自分が自分じゃなくなるような感覚。 「で、る……っ!!!」 「えっ……も、もう入んないってぇ……!!」 やめて、という喘ぎにも似たマリの声はマテウスの耳に届くことは無かった。というよりも、言う前にマテウスがマリの中で果てた。何回目かわからない絶頂だというのに、以前としてマリの中に注ぎ込まれる量と濃さは変わらなかった。 ゴプ、という音とともに入りきらなかった精子がマリの後孔からあふれ出す。それを見たマテウスがまたしても硬くする。その拍子にマリが中を締め付ける。やばい、そう考えた時には時すでに遅し。 「ははっ……なんだ、結局まだヤる気満々?」 「ち…がう!! お前がまた硬くするから!! もう、いや……っ!」 お願いだから離して、とそうマテウスに告げるなり、マリの意識は深く底に沈んだ。

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