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(一)

 文化祭準備二日目になった。  何せひとクラスに四つもの屋台を並べる予定なものだから、昨日だけでは仕入れが終わらなかったようだ。笹内さん情報によると今日も陽キャ組は仕入れに出るのだとか。だったら僕は昨日の続きと、垂れ幕案を煮詰めるべく七五三掛さんの許に向かった。 「今日は案を完成させるところまでだよね」 「早めに終わったら、ペンキを買いに行きたいんだけど、小山内くんは大丈夫?」 「それなら大丈夫。昨日、大分案も纏まったしね。頑張って早く終わらせちゃおう」 「じゃあ、この三つの案のどれにするかなんだけど……」  七五三掛さんが机の中から、昨日二人で考えた垂れ幕案を出してくる。  ひとつ目の案は中央にキャッチコピーを置いて、その周りに四つの屋台を象徴する図柄をちりばめたもの。ふたつ目の案はキャッチコピーを上に寄せて、下に屋台の図柄を大きく配置したもの。三つ目の案は布や綿を使って垂れ幕を立体的に仕上げるものだ。  ちなみに、キャッチコピーは学生らしさを出す為に俳句をもじった。『秋深し2‐Bにあるぞ屋台かな』とは、本家の芭蕉が聞いたら眉を潜める句だけれども、文化祭の出し物という点を考慮すれば妥当かなと思う。 「僕は三つ目が気に入ってるんだけど、これだと二人だけじゃ手が足りないよね」 「そこは笹内さんたちに相談してみればいいかなあ。でも、それよりも予算だよね。この案だと結構お金がかかっちゃう。先に尾口くんにやれそうか相談してみる?」 「そうだね」  と、僕が頷いたところで、頭上から何かが降ってきた。 「小山内。お前、何してんだよ」  滝である。  どうやら手にしている辞典で僕の頭を小突いたようだ。通りで痛い筈だと思いながらも、元々俺サマキャラな滝は下僕と決めた相手に厳しい。それについて今更何かを云う気にもならず、僕は頭を押さえながら滝の問いかけに言葉を返した。 「え、何って垂れ幕だけど」 「今日、何曜日だと思ってるんだよ」  そう、今日は金曜日。いつもであれば滝とセックスをする日だ。  理解(わか)ってはいたけれども、文化祭まで二週間ちょっとだ。垂れ幕は勿論、屋台のガワの作製もある。だからこそ、買い出しが終わっていない滝は、今日も準備に忙しくするだろうと、僕は思っていたのだけれど。 「小山内くん、用事あるの? だったら大丈夫だよ、週明けでも」  気を遣ってくれたようだ。七五三掛さんが机の上の荷物を片付け始める。 「え、でも、七五三掛さん大丈夫?」 「うん。同好会の方もやらないといけないし、だったら今日はそっちやっちゃおうかなって」 「ごめんね。来週は僕、頑張るから」 「うん。荷物いっぱい持ってもらうから!」  冗談めかして口にした七五三掛さんが鞄を手に席を立つ。  同人誌の原稿がそこまで進んでいないのだろう。そのまま慌ただしく教室を出て行った彼女に、僕もまた席を立った。そして、背後でぶすくれた表情を晒している滝を振り返った。 「てか、滝。買い出しはいいの?」 「あれだけの人数で出てるんだぞ。俺一人ぐらいいなくとも大丈夫に決まってるだろ。てか、何だよ。にしちゃ、随分と文化祭の準備に熱心じゃねーか」 「滝だってなんだかんだで学校行事には熱心じゃないか」  滝の機嫌は悪そうだ。  もしかして僕がバックレようとしていると思ったのだろうか。  なんとなくの流れでそうなっているだけで、約束をしている訳ではないのに? なんだかなあ。僕は釈然としない思いを抱えながら自分の席に鞄を取りに戻った。荷物を急いで纏めて、さっさと教室を出ようとしている滝に肩を並べる。 「まさか、テストの点についてお説教しようと思ったりしてないよね?」 「あれには驚かされた。何だったんだ、俺の苦労は」  教室を出た僕は、滝と会話をしながら、直ぐ近くにある階段を下りた。  中間テスト前だったこともあって、先週の僕は滝とセックスをしていない。というか、僕の成績を知った滝が、自分が教えてやるから勉強をしろと云い出したのだ。とはいえ、僕の志望は専門学校だ。国立志望の滝と比べると、そこまで勉強に熱心でなくともなんとかなる。  そういった気持ちがテストにも表れてしまったのだろう。中間テストが終わり、クラスの下から数えた方が早い点数が並ぶ僕の答案用紙を確認した滝は、五分後には世界が滅亡するんじゃないかってぐらいに絶望的な表情でいた。 「僕なりに頑張ったんだけどね。でも、ラノベの決め台詞みたいにはすっと頭に入ってこないんだよね」 「比較対象がそれかよ。終わってんな。まあいい。だったら、次は語呂合わせにすっか……」 「え? 期末テストも僕に勉強させるつもりなの?」 「当たり前だろ。てか、やらないのが当たり前みたいな顔をしてるんじゃねーよ」  文化祭の準備が始まったからか。いつもよりも賑やかな放課後の校内。一年生の教室前の廊下を往くついでに、各クラスの準備の進捗を確認する。  早いクラスはもう垂れ幕の制作に入っているようだ。  去年の失敗があるからこそ、うちのクラスの進捗が気にかかる。二週間と訊けば長く感じるけれども、体感ではあっという間だ。当日になっても準備が終わっていないなんてことにならなきゃいいけれども。そんなことを考えながら、一階西にある二年生用の下駄箱に到着する。 「あっれー? 2‐Bのオタクくんじゃない!」  僕が自分の靴箱から靴を取り出そうとしていると、昇降口の方から元気いっぱいな声が響いてきた。 「垂れ幕やってたんじゃなかったの? 比奈子(ひなこ)は?」  片手に大きな買い物袋を提げているのは、2‐Aの生徒で、七五三掛さんと仲がいい相沢優菜(あいざわゆうな)さんだ。何でも、七五三掛さんとは中学校からの付き合いらしく、休み時間などはお互いのクラスを行き来するぐらいに仲がいい。部活動の所属は七五三掛さんと同じく漫画同好会。なんと僕と同じ美化委員でもある。それもあって、僕みたいなオタクにもフレンドリーな人なんだけど、気分屋なのか、時々当たりが強くなる時があったりする。 「今日は僕がちょっと用事があってね。相沢さんは買い出し?」 「そそ。文化祭の飾りを買ってきたところ」顔にかかった茶色いセミロングの髪を掻き揚げながら相沢さんが続ける。「じゃあ、比奈子は部活の方?」 「そう。原稿が終わってないから、そっちをやるって云ってたよ」 「そっか。ありがと、オタクくん!」  上履きに履き替えた相沢さんが、僕に手を振りながら廊下を折れて姿を消す。  はあ。と、僕は溜息を吐いた。悪い人じゃないのはわかってるんだけど、いつ強く当たられるかわからないだけについ構えてしまう。  気が抜けないとは、まさにこのことだ。  オタクって、他人との距離感がバグってるだろう? 中学時代の僕も例に洩れず、距離感バグを起こしているオタクだった。ちょっと優しくしてくれた女の子が、僕を好きなんだと勘違いしてしまうような。それで一時期、クラスでハブられていたんだよね。  あの時のクラスの主導権を握っていた女の子の雰囲気が相沢さんにそっくりなんだ。だから、なんだろう。脚に怖気が起こるぐらいには、僕は彼女を怖いと感じている。 「お前、案外女とも仲がいいんだな」  クラスではカーストの低い陰キャである僕だ。それが女性の知り合いがいたものだから驚いたらしい。滝が目を瞠っている。僕は靴を履き替えて、昇降口の前で待っている滝の許に歩んで行った。 「滝に云われると嫌味に聞こえるよ」 「俺は顔がいいからな」 「確かに」 「だろ?」滝がにやりと笑う。  それだけの大口を叩いても許される美男だもんなあ。僕はしみじみと滝の目鼻立ちのはっきりとした顔を眺めた。くりっとした瞳に、ぷるんとした口唇。それに、すっと筋の通った鼻。相変わらず日本人離れした顔立ちをしている。けれども、僕はそれを妬ましいとは思わない。ただ、羨ましいなあとは思う。  滝ぐらい顔が良く生まれついていたら、僕ももうちょっと人付き合いが上手く出来るようになっていただろうか?  いや、ないな。  僕は即座に自分の考えを打ち消した。滝はどこまでいっても陽キャな俺サマだし、僕はどこまでいっても陰キャなオタクだ。それが偶々、ゆうみなちゃんを通じて結びついた。そう、滝とこうして軽口を叩き合えるようなったのは、僕が滝の弱味を握っているからに他ならない。  もう、勘違いはしないのだ。  僕は滝に歩調を合わせながら、校門を抜けて滝の家へと向かって行った。 「今日はどんな下着なの」 「お前が喜びそうなヤツ」  セックスをする日の滝は、帰途の口数が少なくなる。今日も例に洩れずそうだ。気持ちが逸っているのだろうか。それとも気分を高めているのだろうか。ぽつりぽつりと言葉を交わしながら、学校から三十分ほど歩いた先にある県営住宅に辿り着く。 「ちょっと待ってろ」  今日は着替えを必要とする下着なようだ。滝に部屋の外で待つように云われた僕は、律儀に扉の前で待った。  マイクロビキニみたいに、薄くて布面積の小さいセクシーランジェリーなどは学校に着てきたりもしている滝だが、コルセットタイプみたいに、ごてごてとしたデコレーションのセクシーランジェリーは流石に着て来られないらしい。外で撮影をする時などは駅のトイレで着替えたりしている。  今日のセクシーランジェリーもそういったタイプなようだ。  しかし、僕が喜びそうなセクシーランジェリーとはどういうものなのだろう? 僕は考えた。過激なゆうみなちゃんのSNSアカウントをフォローしておいて云うことではないけれども、僕は乳首や陰部がきちんと隠れている下着の方が好きだ。隠された魅力というヤツである。対して、滝はオープンカップやオープンクロッチといった隠す気のないセクシーランジェリーが大好きだ。いつだったか見せてもらった秘蔵のコレクションにしても全部がそうだったのだから、その拘りはかなりのもの。  まさか、僕の為だけにフルカップだのハーフカップだのを用意しもしないだろう。僕は唸った。僕が喜ぶセクシーランジェリーの姿がまるで想像付かない。 「入ってくださぁい、ご主人さまぁ」  そうこうしている間に準備がすんだようだ。すっかり慣れた感じの甘ったるい声で、滝が僕を呼ぶ。  わざわざ口にしたぐらいであるのだから、滝が今日のセクシーランジェリーに自信を持っているのは間違いない。僕は期待を胸に滝の部屋のドアを開いた。そしてベッドに目を遣って息を呑んだ。ちょこんとベッドの上に座っている滝が、メイド服を模したセクシーランジェリーを着ている。  オープンカップのブラジャーに丈の短い白いエプロン。陰部はエプロンで隠れて見えないが、滝のことだ。オープンクロッチなのは間違いない。僕は吸い寄せられるようにベッドに向かった。滝の前に立ち、「僕の為に用意してくれたの?」そう尋ねれば、こくりと頷いてくる。  可愛いなあ、滝は。  日頃は口の悪さが先に立つけれども、セックスの時の滝は別人だ。ゆうみなちゃんがパソコンの向こう側から出てきたんじゃないかと錯覚するぐらいに愛くるしい。既に潤んでいる瞳が上目遣いで僕を見ている。その、えぐいくらいの猫かぶりも全く不自然に感じないぐらいだ。 「じゃあ、ご褒美をあげないとね。何が欲しいの? ゆうみなちゃん」  そう尋ねれば、ズボンの上から僕の股間に滝の手が触れてくる。ご主人様の、生チンポが欲しいですぅ。頬を上気させて口にした滝が、でもぉ。と、僕の股間を撫で回しながら続けてくる。 「でも、その前に……先週の分も、ご主人さまに身体をいっぱい可愛がってもらいたいです」  舌ったらずな口調で甘えてくる滝に、途端に僕の愚息が漲る。ああ、突っ込みたい。そう思うも、滝の希望もある。折角、可愛らしくおねだりしてくれたのだ。してみたいこともあることだし、ここはじっくり責めることにしよう。  僕はベッドに上がった。  背後から滝の身体を抱え込む。「ゆうみなちゃんは可愛いね」耳朶を食みながら、露わになっている薄い乳房に手を伸ばしてゆけば、腕の中の身体がぴくりと震える。この敏感な乳首もたっぷりと可愛がってあげないと。僕は片手で滝の乳首を抓みながら、その股間を覆っているエプロンを捲り上げた。オープンクロッチの下着の中央に、半()ちとなったペニスが顔を覗かせている。 「もうこんなにしちゃって。ゆうみなちゃんはいやらしいなあ」 「ご主人さまの所為ですぅ……」 「うんうん。ご主人さまの生チンポが大好物だからだよね」  腹とペニスの谷間にエプロンを引っ掛けて、僕は両手で滝の乳首に愛撫を始めた。親指と中指で挟み込んで、人差し指で擦ってやる。  僕が定期的に吸っているからか。心なしか、ぷっくりと膨らんできた気がする。 「ご主人さまぁ……どうですか、ゆうみなの乳首……」 「可愛いよ、とっても。膨れてて可愛い。飾りたくなっちゃうぐらい」  あぅ。と、声を上げた滝の吐息が次第に荒らいでゆくのを感じつつ、僕は耳朶から下へと口唇を滑らせていった。耳の付け根を吸い、首筋を辿る。エプロンが腹を隠している形になっている前面と異なり、背面には殆ど布がない。肩に幾度か口付けた僕は、大きく開いた背中に舌を這わせていった。  勿論、乳首に置いた指の動きを止めるような真似はしない。ご主人様ぁと切なげな喘ぎ声を上げている滝の乳首を弄り続けながら、舌を上下に背筋に伝わせてゆく。特に首の付け根辺りが感じるようだ。口唇で吸い上げてやると、びくびくと滝の身体が震える。  僕は頭を戻した。  火照った身体を抱き締めて、肩越しに股間を窺えば、すっかり硬くなったペニスが先端を濡らしている。 「エッチな気分になっちゃったね、ゆうみなちゃん」 「ゆうみなは先週ご主人さまとセックスしてないので、ずうっとエッチな気分です」 「へえ。じゃあ中間テストの間もずうっとエッチな気分でいたんだ」 「終わったらご褒美だと思って頑張りました。だからいっぱいセックスしたいです、ご主人さまぁ」  云うなり身を捩らせてきた滝が僕に口付けてくる。エッチな気分だと云っただけはあって、即座に口唇を開いて舌を差し出してくる滝に、僕もまた舌を差し出した。  滝の乳首を撫でてやりながら、滝と舌を絡め合う。  乳頭のクリティカルな部分に触れる度に、ぴくぴくと小刻みに震える身体がいやらしい。訊いたところによれば、滝は僕がアナルを開発するよう指示した際に、アナニーだけでなく、チクニーにも手を出していたそうだ。云っていないことに手を出してしまう辺り、滝のセックスへの好奇心の強さが窺えるのだけれども、自分で滝を躾けることが出来なかったことに僕は少しだけ寂しさを感じていたりもする。 「今日は積極的なんだね、ゆうみなちゃん」  キスの終わり際に滝をベッドに押し倒す。口唇を離してその秀麗な顔を見下ろすと、唾液に濡れてぷるんと艶めいた口唇がうっすらと開いた。 「そうなんです。だからご主人さま、ゆうみなの、乳首、もっと可愛がってください」  僕を見上げて切なげに言葉を吐いた滝に、まだ挿入(いれ)ちゃ駄目なの? 僕は笑いながら応じた。駄目ですぅ。と、乳首を抓まれた滝が、肩を竦めながら声を上げる。 「中間テストの点数が悪かったご主人さまにお仕置きですぅ。今日はゆうみなのおねだりいっぱい聞いてもらうんですぅ」  ああ、なんて可愛いんだろう! ゆうみなちゃんモードの滝は!  鎖骨に両手を置いて上目遣いで僕を見上げてくる滝は、これでどうして女装を拒むのか理解(わか)らないってぐらいに愛くるしい。仕草もさることながら、綺麗に整ったこの中性的な甘いマスク。これでおねだりされたら誰だって云うことを聞いてしまうだろう。そのぐらいの破壊力がある。  僕は滝の乳首を吸った。  これで達してもらうんだぐらいの勢いで、口内で乳首を転がしてゆく。あぅあぅ云っている滝がとにかく可愛い。あー、こんな可愛い子とセックス出来るなんて幸せだなあ。つくづく感じながら、僕は交互に滝の乳首に刺激を加えていった。 「あぅぅ……ご主人さまぁ、ゆうみな、気持ちいい……乳首でいっちゃいそうなぐらいに、気持ちいいですぅ……」  僕は滝の脚を割って、天を仰いでいるペニスに手を触れた。  陰茎までぐっしょりと濡れそぼっている辺り、乳首を弄られるのが相当に気持ちいいようだ。それなら――と、僕は滝のアナルに手を伸ばした。滝も気分がかなり盛り上がっているのだろう。ひくひくと収縮を繰り返しているひだが僕の指を飲み込みそうになっている。 「そっちはまだ駄目ですぅ」ぱっと脚を閉じた滝が思惑を口にする。「今日はぁ、ゆうみながぁ、乳首でイクところをご主人さまに見てもらうんですぅ」 「へえ、乳首イキ出来るんだ。ゆうみなちゃんは」 「もう少し、なんですぅ。だから、ご主人さま、ゆうみなの乳首をもうちょっと可愛がってくださぁい」  そう云われたら、頑張るしかない。  強い刺激よりも弱い刺激の方が、敏感な部位には利くともいう。僕は滝の顔を見下ろしながら、その乳首を柔らかく揉んだ。続けて、触れるか触れないかの位置を摩るように指を滑らせる。あぅ、いっちゃう。と、吐息混じりに滝が喘いだ。腰をもぞつかせている辺り、かなり限界が近いようだ。 「あぅ、それ、いいですぅ。あぅぅ、あ、あぅ。ご主人さまぁ、ゆうみな、いっちゃう。いっちゃうのぉ……!」  乳輪をなぞって、乳頭を摩る。そろそろと指を動かしていると、不意に絶頂(オーガズム)が訪れたようだ。眉を歪めてびくんと腰を跳ねさせた滝のペニスから、白濁とした液体が射出される。  エプロンを濡らした精液が、いかにも事後っぽくて卑猥だ。  僕ははぁはぁと息を荒らげてシーツに沈んでいる滝の身体を抱き締めた。そして、額に、こめかみに、頬に、と、ところかまわず口唇を押し当てた。世界広しといえども、滝が乳首イキしているところを目に出来るのは僕だけだ。その事実が僕の感情を高ぶらせる。 「良くイケました、ゆうみなちゃん」 「すっごく気持ち良かったですぅ……ご主人さまぁ、有難うございますぅ……」  僕の口唇に軽く口を合わせてきた滝が、直後、くるりと身体を返した。何をする気なのだろうと思っていると、今度はご主人さまにご褒美をあげる番ですぅ。などと口にしながら、避けたショーツの谷間から覗いているアナルを双丘ごと僕に向けて突き出してくる。 「ご主人さまぁ、ゆうみなの、おまんこに、ご主人さまの生チンポをくださぁい」  こんな風におねだりされては理性も片無しだ。  僕は急いでズボンを下ろした。滝の細い腰を両手で掴む。達したばかりの滝にとって、続けて本番行為に挑むのはかなりのしんどさを伴う行為でもあるだろうけれども、我慢を強いられ続けていた僕としては、これ以上の我慢はもう出来そうにない。漲り過ぎてきつささえ感じる僕のペニス。濡れた亀頭を早速と滝のアナルに挿し入れる。  包み込まれるような柔らかさが堪らない。 「あぅ。ご主人さまの、生チンポが、ゆうみなの、おまんこに、いっぱい挿入(はい)ってきてますぅ……」  滝本人はその気がまるでないけれども、ゆうみなちゃんは世界で一番可愛い男の娘だと僕は思う。  だって、セックスの間、ずうっとご主人さまって呼んでくれるんだよ? もう可愛くて可愛くて仕方がない。しかもこの身体は僕との取り引きを成立させる為に滝自身が開発したものだ。この身体を使えるのは、今のところ僕だけ。  こんな幸福は他にないだろう。 「ああ、いいよ。ゆうみなちゃんのおまんこ、最高に気持ちがいい」  僕は僕が思うがまま、滝のアナルを蹂躙していった。  達したばかりにも関わらず、感じているようだ。ドライで達せそうな勢いで僕とのセックスに溺れている滝が、あぅあぅと途切れることなく喘いでいる。それだけ二週間に渡る禁欲生活が堪えていたのかも知れない。自ら腰を振り出しては、僕のペニスから精液を搾り取ろうとしてくる滝に、僕は理性と煩悩の一切を捨てて腰を振った。 「あぅ、あぅ、ご主人さまぁ。ゆうみな、おまんこ褒められて嬉しいですぅ……」  僕が突く度にしなやかに揺れる滝の身体。メイド服なのがまた情欲をそそる。  可愛いよ、ゆうみなちゃん。  耳元で囁きかけると、それだけで感じるらしく、腰が大きく跳ねる。今日はセックス三昧だなあ。僕は僕のペニスに絡み付いてくる滝のアナルに意識を奪われそうになりながら、その奥底で果てた。

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