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(三)

 告白を断った側と、断られた側。  そんなことを感じさせないくらいに翌日からの七五三掛さんはいつも通りだった。それが有難いと思う半面、無理をさせているのではないかという申し訳なさもあった。  かといって僕が何をしてやれるでもない。僕は努めて普通に七五三掛さんに接するようにした。そうでないといらぬ誤解を周囲に与えてしまう。僕の平穏な日常の為にも、僕はいつも通りに過ごさねばならないのだ。 「やったね、小山内くん。完成したよ」 「わあ、凄いね。これは目立つだろうなあ」  そんな七五三掛さんとともに担当していた垂れ幕の制作は、四日目、五日目と順調に進み、六日目についに完成を迎えた。 「え? やばたにえんじゃん。何これ。超メロい」  七五三掛さんと笹内さんが回してくれた人員が器用に縫い付けてくれた立体物。僕が描いた文字を飾るモチーフの数々は、必ずや来場者の目を惹いてくれることだろう。そう思わせるに足る出来となった垂れ幕に、僕と七五三掛さんは勿論のこと、笹内さんも満足げだった。 「そうだ。小山内くん、これ」  その垂れ幕を生徒会に納めに行く途中で、七五三掛さんに月曜に貸したハンカチを返された。  ちゃんとしたお店で買ったと思しきボックス入りのキャンディも一緒にだ。咄嗟に貸してしまっただけにしては豪勢なお返しに、そこまでしなくともいいよ。と、僕は云ったのだけど、もう買っちゃったから。と、引こうとしない。  あまり断り過ぎるのも角が立つので、有難くいただいて、家族で食べさせてもらった。 「帰るぞ、小山内」 「もうちょっと待って、滝」  文化祭準備の七日目は金曜日。滝とのセックスの日だ。  日程に余裕があるからだろう。終礼と同時に僕に鞄を放り投げてくる滝に、わかりましたよぅ。などと巫山戯ながら帰途に就く。 「屋台の方はどんな感じなの?」 「来週の頭には完成するんじゃねーかな。木金で綿菓子とりんご飴の作り方の講習をやるってさ」  笹内さんが積極的にクラスを纏めてくれているからだろう。屋台に限らず法被といった小道具の制作も順調に進んでいるようだ。  水曜日にバイトが入っている滝としては、時間に余裕があるのは有難い展開なのではないだろうか。母子家庭の滝には、稼げるだけ稼ぎたいという希望もあると訊く。水・土・日にあるバイトには出来るだけ出勤したいと云っていた。 「じゃあ、僕、来週は同好会の方に行ってもいいかなあ。そろそろ手伝いに来いって部長に云われててさ」 「大丈夫だろ。てか、アニメ同好会って文化祭で何をやるんだ?」 「今年のアニメの論評だよ。掲示だけで済ませる予定だったんだけど、OBが持ち帰れる形でも作れって煩くてさ」 「うわ。縦社会かよ。面倒臭え」  まだまだ歴史の浅いアニメ同好会は、設立メンバーのOBたちの発言力が強い部活だ。どうにかして北高で伝統を繋いでいきたいらしく、同好会の存在をアピール出来るイベントが近くなると、あれをやれこれをやれと煩く云ってくる。今回の文化祭にしても、当初のOBたちはショートアニメ制作をやれなんて無責任にも云ってきた。流石に機材やソフトの関係で却下になったのだけど、何かにつけOBが口を挟んでくる状況は良くないと僕は思う。 「ところで、滝。今日、僕プレゼントがあるんだけど」 「あ、もしかしてこの間云ってた」 「そう。滝に似合うんじゃないかと思って買ったセクシーランジェリー」  県営住宅の滝の家に着いた僕は、早速、鞄の中から紙の手提げ袋を取り出した。  月曜日に滝の家に寄って、滝お手製の晩御飯をいただいたときに云ってあったものだ。いつもいつもセックスの際に滝が自前のセクシーランジェリーを出してくるので、偶にはいい思いをさせてもらっている僕からも出した方がいいんじゃないかと思って購入しておいたものなのだけど、専門店にひとりで入るのは勇気が要った。 「ヤベぇ。テンアゲだ」  はにかみつつも嬉しそうに笑う滝は、すっかりゆうみなちゃんの顔をしていた。  本当に好きなんだな。と、思いつつ、いつも通りに着替えの為に自室に入る滝を見送って廊下に残る。  この間、晩御飯をいただくついでに初めて直ぐそこにあるリビングに入った僕だけど、だからといって勝手知ったる他人の家と振舞ったりはしない。親しき仲にも礼儀あり、だ。そこはきちんと弁えないと、滝だって気分が悪いだろう。 「ご主人さまぁ、ゆうみな準備出来ましたぁ」  程なくしてかけられた声に、僕は胸を高鳴らせながらドアを開いた。  悩みに悩んで買ったベビードール。滝は気に入ってくれただろうか?   緊張感を漲らせながらベッドを見遣れば、裾にファーが縫い付けられたふわふわの白いベビードールを着た滝が座っている。 「どう、ゆうみなちゃん? そのベビードール」 「可愛いですぅ。気に入りましたぁ。有難うございますぅ、ご主人さまぁ」  当初はバニーガール風といったコスプレランジェリーを買うつもりでいた僕だったけど、シスター風とか、巫女風とか、学生服風とか、滝に着せたいものがあり過ぎて、見ている内にどれがいいのかわからなくなってしまった。だから、初心に返って、滝が喜びそうなセクシーランジェリーはどういったものかを考えた。  オープンカップではないけれど、カップ部分に縦に切れ込みの入っているベビードール。これなら乳首がチラ見えするし、滝も許容範囲なのではないだろうか? セットになっているショーツはオープンクロッチ。ベビードールから透けて見える半()ちのペニスがエロティックだ。  うん、可愛い。  カチューシャなどもあったらもっと可愛いだろう。次はカチューシャ込みで、五点セットぐらいのセクシーランジェリーを購入しよう。 「オープンカップじゃないけど、よかった?」 「全然ですぅ。これ乳首がチラ見えするヤツですよねぇ? 最高ですぅ」 「それなら良かった」 「ご主人さまのことなので、もっとコスプレ臭が強いセクシーランジェリーを買ったんじゃないかと思ってましたぁ」  やっぱり、僕の考えの想像が付いていたらしい。嬉しそうに笑っている滝の言葉に苦笑いになりながら、僕はベッドに近付いた。 「そういう悪いことを云う子にはお仕置きだよ」 「はぁう。どんなお仕置きですかぁ?」 「それは後でのお楽しみ」僕は滝をベッドに押し倒した。  ズボンを下ろすと、直ぐに挿入されると思ったようだ。滝が積極的にも脚を開いてくる。でも、まだなんだよなあ。僕はベビードールの裾を捲って、滝の下腹部の上に乗っているペニスに自分のペニスを合わせた。そして左手で二本のペニスを緩く握り込む。 「一緒に気持ち良くなろうね、ゆうみなちゃん」  滝に口付けながら、手を上下に動かす。手の内で熱を増してゆく滝のペニス。ん、んぅ。と、声を上げながら僕の舌を貪ってくる滝の表情が夢見がちになった。  滝の口内を舌で弄る。  口蓋から歯、舌裏と舌先を這わせていると、うっすらと瞳を開いた滝がうっとりとした眼差しを僕に向けてくる。可愛らしい上に、煽情的なのが堪らない。僕は深く口唇を合わせて、滝の舌に舌を絡めていった。滝がキスに溺れている間に、ペニスを掴んでいる手をそろそろと離す。そして、滝のペニスに自分のペニスを擦り憑けるように腰を動かした。そこそこ気持ちいいようだ。んぅ。と、合わさった口唇の隙間から、滝の声が洩れ出てくる。 「気持ちいいの、ゆうみなちゃん」 「あぅ。気持ち、いいです……」  僕は続けて腰を振りながら、ベビードールの切れ込みに手を伸ばしていった。少し横に伸ばして切れ込みを開かせると、ぷっくりとした乳首が顔を覗かせる。  かなり卑猥な格好だ。  高ぶるペニスを滝のペニスに擦り付けながら、僕は切れ込みの隙間に浮かんでいる滝の乳首を弄んだ。指先でなぞってみたり、指の腹でさすってみたり。気持ちいいのだろう。はぁう。と、滝の薄く開いた口元から、甘ったるい喘ぎ声が吐き出される。  時々、口付けてやりながら、腰と指を動かす。  やがて、先走った汁が絡み付いたふたつのペニスが濡れ始めた。ご主人さまぁ。滝が僕を呼ぶ。我慢が利かなくなってくると、滝は舌足らずになる。今の滝もそうだ。もう、らめですぅ。などと云いながら、ゆっくりと腰を振っている。 「何が駄目なの?」 「いっちゃいますぅ、ご主人さまぁ」 「乳首が気持ちいいのかな? それともおちんちん?」 「はぁう。どっちもですぅ。どっちもとっても気持ちいのですぅ」  激しい愛撫よりも、じっくりと責められる方が好きなのだろう。滝の潤んだ瞳が僕を見上げている。その顔が僕の胸を騒がせた。  ちょっと勝気な女の子と云っても差し支えない滝の顔。開きっ放しになっている口唇が濫りがわしい。化粧なしでこの顔付きは反則だと思うくらいに、ゆうみなちゃんモードの滝は煽情的で可愛らしい。どうしようかな。僕は考えた。このままイカせるか。それとも。 「ゆうみなちゃんは、どうやってイキたいの?」 「ご主人さまと一緒がいいですぅ……」 「じゃあ、しゃぶりっこする?」 「しますぅ。ご主人さまの生チンポ、ゆうみなのお口にくださぁい」  可愛い。  可愛さが天元突破して、危うく暴発しそうになる。  僕は素数を数えながら体勢を整えた。身体を逆向きに直して、滝の顔を跨ぐ。「咥えて」お願いすると、躊躇うことなく、滝の口の中が僕のペニスを飲み込んでゆく。  口の中に含まれたペニスに滝の舌が絡んでいる。天に舞い上るくらいに気持ちがいい。僕は滝のペニスに手を添えた。鹹味(かんみ)を味わいながら舌先で亀頭を舐め回す。そうして、おもむろに口の中へとペニスを滑り込ませた。ぴくりと滝の腰が震える。  滝の舌の動きに呼応して高まってゆく快感。じわじわと下半身に広がってゆく気持ち良さに合わせるように、僕は口内に納めた滝のペニスに舌を絡めて動かした。んぅ。と、滝がくぐもった声を上げる。その、オクターブ上がった甘ったるい声のもっと聴きたさに、ひたすら舌を蠢かせる。  先に達したのは滝だった。  どろりと口内を満たす精液を飲み干し、滝の口からペニスを抜き取る。 「あぁぅ。ごめんなさい、ご主人さまぁ。ゆうみな、先にいっちゃいましたぁ……」 「うん。いけない子だね、ゆうみなちゃんは」 「ごめんなさいですぅ」 「だから、お仕置き。今日はゆうみなちゃんに腰を振ってもらいます」  僕は滝の身体を起こさせて、入れ替わりにベッドに寝そべった。そして、掴んだ手を引っ張って、僕の腰の上に滝の身体を導く。 「ちゃんと自分で挿入(いれ)るんだよ」 「はぁい」  ゆっくりと腰を下ろしてゆく滝のアナルに、僕のペニスが飲み込まれてゆく。  ややあって、その全てを腹の中に納めた滝が腰をおずおずと腰を動かし始める。不慣れだからだろう。不規則な動きが僕の情欲を余計に煽った。僕は滝の乳首に手を伸ばした。ベビードールの切れ込みに指先を潜り込ませて抓むと、あぅ。と、滝が喘いだ。 「ご主人さまぁ。ゆうみなの乳首、可愛がってくださぁい……」  感じる部分が多いのは得だ。  前後に腰を揺すりながら、あぅあぅ云っている滝の乳首を僕は嬲り続けた。すっかり開発されきった滝の身体は、乳首に限らずアナルだけでも感じられるようになっているようだ。萎れたペニスを揺らしながら、腰を振り続けている。  この、肉に飲み込まれる感覚が最高に堪らない。  前戯の時間を長く取り過ぎたからだろう。徐々に高まる快感が、不意に危険域に飛び込んでくる。僕は滝の手に手を絡めて、自ら腰を振り始めた。ああぅ。あ、あぅ。ひっきりなしに滝の口を衝いて出る喘ぎ声。最高の景色を下から眺めながら、僕は滝のアナルの奥へと自らの精を吐き出していった。

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