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別荘
凄絶な快感の嵐が去り、マイトの脳内は真っ白な余韻だけで満たされていた。
ベッドに深く沈み、焦焦とした熱の残る下腹部を抱えながら、ただぼーっと虚空を見つめている。かつての鋭い眼光は完全に霧散し、いまや男の愛欲に蕩けきった弛んだ瞳が、天蓋の刺繍を頼りなく追うばかりだった。度重なる絶頂のせいで、太腿の内側には乾きかけの白濁が幾筋もこびりつき、自身の意思ではもう指一本動かすこともできない。
そんなマイトの濡れた頬を、ディアスの大きな手が優しく包み込む。
「よく頑張ったね、マイト。本当に愛らしいオレの玩具だ」
ディアスは昨夜までの獰猛な捕食者の顔を覆すような、この上なく甘やかな声で囁き、マイトの涙の痕を舌先で丁寧に割った。びくりと小さく跳ねるマイトの身体。いつもなら「甘やかすんじゃねえ」と悪態を突くはずのマイトも、いまはただ心地よい虚脱感に身を委ね、ディアスの手のひらに無意識にぐりぐりと頬を寄せている。下品にしつけられ、完全に牙を抜かれた肉体は、主人の冷たい愛撫を貪るように求めていた。まだ熱を孕んでひくついている最奥が、ディアスの残り香を求めてせわしなくうねる。
ディアスはふっと、どこまでも綺麗な笑顔を浮かべ、マイトの耳元に唇を寄せた。
「さて、明日は最終日だ。少し身体はしんどいかもしれないけれど……一緒に街を観光しようね」
「……え、……まち、かんこう……?」
朦朧とした頭で、マイトは小さくオウム返しに呟いた。
「そうだよ。美味しいものでも食べて、君の好きな賑やかな景色を見に行こう。……もちろん、その首輪に長い鎖を繋いだまま、オレの犬としてね」
ディアスの指先が、カチリとマイトの首輪を愛おしげに弾く。その振動がダイレクトに首筋へと伝わり、マイトの背筋をゾクゾクと震わせた。
どれだけ外の空気を吸おうとも、大勢の人間の中に紛れ込もうとも、この男の所有物であるという絶対的な事実は変わらない。むしろ、衆目の前で鎖を引かれ、粘膜の奥をディアスの精液でタプタプに満たされたまま歩かされることこそが、最大のしつけの仕上げなのだ。歩くたびに、自身の内側から溢れ出す主人の熱を強制的に意識させられる。
マイトはぼんやりとした頭で、その苛烈で歪な甘やかしの意味を理解し、底知れない快感に襲われて身悶えした。
「……へっ、あは……。外でも俺を鎖で縛り付ける、気かよ……。本当に……最悪の、ご主人様、だぜ……っ」
「ふふ、嫌かい?」
「……まさか。あんたのモノとして歩くの、悪くねえ……。明日までに、ちゃんと歩けるように……もっと、優しく、可愛がって、くれよ……ディアス」
マイトは弛みきった口元で幸せそうに笑うと、潤んだ瞳で自らディアスの首にしがみついた。そして、明日の更なる絶望と、衆目の前で辱められる極上の快楽を夢見ながら、その広い胸の中で蕩けるような眠りへと就いていった。
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