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お散歩

翌日、眩しい太陽の光が降り注ぐ街の雑踏の中に、二人の姿はあった。 賑やかな喧騒、行き交う人々の声、色鮮やかな露店の並び。それらすべてが、昨日まで閉じ込められていた薄暗い城とは正反対の外の世界だった。しかし、マイトの首に巻かれた革の首輪からは、服の襟元を抜けて、ディアスの大きな手へと繋がる長い銀の鎖がしっかりと伸びている。 街を行き交う人々は、首輪を嵌められ、鎖で繋がれたマイトの姿を見ても、眉一つ動かさずに通り過ぎていく。 この星には未だに奴隷制度が色濃く残っており、主従が鎖で繋がれて歩く光景など、日常の一コマに過ぎないからだ。周囲から不審に思われることのない、完全なる合法の支配。その冷酷な現実が、マイトの下腹部の鈍痛と背徳感をさらに甘美なものへと変えていく。 「……う、あ……」 マイトは、ディアスの引く鎖に導かれるまま、どこか朦朧とした足取りでぼーっと歩いていた。視界に映る賑やかな街並みも、今の彼の頭にはまともに入ってこない。それほどまでに、下腹部を占める生々しい違和感がマイトのすべてを支配していた。 ズキズキと、歩くたびに内臓を圧迫するような鈍い腹痛が走る。 それもそのはずだった。衣服で巧みに隠されてはいるが、彼の下腹部は、昨日ディアスに限界を超えて何度も注ぎ込まれた熱い液体のせいで、今もなお歪に膨らんだままだ。ディアスが施した強力な栓のせいで、一滴たりとも外に逃げることを許されず、マイトが足を一歩進めるたびに、中でタプタプと重く波打っている。 くそ、マジで、ハラ痛え……っ。歩くたびに、ディアスのが、中で蠢いてるみたいだ……っ。 普通ならその不快感と痛みに顔を歪めるところだが、下品にしつけられ、完全に牙を抜かれたマイトの肉体は、ゾクゾクとするような狂おしい快感を同時に覚えていた。これだけの大勢の人間が行き交う公衆の面前で、自分は中を主人の成分だけで満たされ、自分は本当にこの男のモノなのだという圧倒的な服従の事実が、マイトの脳髄を心地よく痺れさせていた。 ぼーっとした頭でそんな優越感に浸りながら歩いていると、ふと、立ち並ぶ屋台の一角がマイトの霞む視界に飛び込んできた。雑多な宝飾品が並ぶ露店の中心で、ギラリと妖しく、そして力強く光を放つ、一石の黒ダイヤのリング。 「……あ、……」 マイトの足が、自然と止まった。 荒々しくも美しいその漆黒の輝きを放つリングは、強烈な引力を持っていた。 自由を奪われ、男の愛欲に下品にしつけられ、お腹をパンパンに孕まされてぼんやりとしていたマイトの瞳が、釘付けになる。 鎖を引く手を止め、マイトの視線に気づいたディアスが、その横顔を覗き込んだ。 「おや、それが気に入ったのかい、マイト?」 「……っ、ディアス……。あいつ、すげえ……ギラギラしてて、かっこいいな……っ」 マイトは下腹部の鈍痛を堪えながら、蕩けた笑みの中に、ほんの少しだけかつての粗野な海賊らしい無邪気さを覗かせて呟いた。 ディアスはマイトのその見惚れる瞳と、美しく輝く黒ダイヤのリングを交互に見つめ、その薄い唇に底知れない微笑みを深めた。 「……ディアス。これ、オレが、あんたに買ってやりたいんだ」 マイトは歪に膨らんだ下腹部の痛みを堪えながら、黒ダイヤのリングを見つめたままそう零した。 自分が身につけるためではない。鎖に繋がれ、下品にしつけられた今の自分に、あの誇り高い漆黒の輝きはもう似合わない。けれど、自分を完全に支配し、屈服させたこの美しく冷徹な主人にこそ、あの傲慢なほどに美しい黒のリングは誂え向きだと思ったのだ。 買ってやりたい、と言ってみたものの、マイトはふと我に返って周囲を見回した。 星の人間たちは、マイトをただの従順な奴隷として冷ややかな目で見ている。奴隷制度が残るこの社会において、首輪を嵌められた者が自ら財布を開き、買い物をすることなど許される雰囲気ではなかった。店主も、鎖を持つディアスの顔色を伺うばかりで、マイトのことなど人間扱いすらしていない。 「……へっ、あは。そうか、オレ、今はただの犬だもんな……っ」 マイトは自嘲気味に笑うと、自由な方の手でポケットを探り、自身の個人デバイスを取り出した。個人口座には、貯め込んだ資金がまだいくらかは残っている。 マイトは鎖をカチャリと鳴らし、そのデバイスをディアスへと差し出した。 「ほら……これで払ってくれよ、ディアス」 涙の跡が残る顔を綻ばせ、朦朧とした瞳で主人を見上げる。 たとえ自分の名前で買い物ができなくとも、自分の金で買い、その手で受け取ってもらえるなら、それ以上の悦びはない。衣服の下で、ディアスの精液をたっぷりと孕んだ最奥が、その絶対的な服従の快感にキュウキュウと嬉しそうに蠢いていた。 ディアスは差し出されたデバイスと、どこまでも健気で下品に狂ったマイトの顔を見つめ、クスリと綺麗な笑みを漏らした。 「オレへの贈り物かい? ……本当に、どこまでもオレを愉しませてくれる悪い子だ」 ディアスはマイトの手からデバイスを受け取ると、店主に目配せをし、マイトの資金でその黒ダイヤのリングを躊躇なく決済した。 海賊としての誇りも、財産も、その肉体も。すべてを自分という主人のためだけに消費し、蕩けきっている最高の玩具。 ディアスは受け取ったリングを愛おしげにポケットへと収めると、空いた手で再びマイトの鎖を短く巻き取り、その膨らんだ下腹部を服の上からわざと強く圧し付けた。 「ひ、あぅッ……!?」 「素晴らしいプレゼントの御礼に、帰ったらもっと、その中身が決壊するまでお仕置きをしてあげるからね。……さあ、オレの可愛い犬、お家へ帰ろうか」 「……へっ、あは……っ、おう、……早く、帰って、……また、めちゃくちゃに、してくれよ……ディアス……ッ」 下腹部の鈍痛に腰を震わせながらも、マイトは主人の優しい愛撫とこれからの蹂躙への期待に胸を躍らせ、引かれる鎖のままに、自ら進んで主人に寄り添い歩き出すのだった。

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