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隠語指導

あれから、我慢するのを綺麗さっぱりやめたマイトは、毎晩とまではいかなくとも、体がディアスの質量を恋しがると、自らディアスの部屋へと足を運ぶようになっていた。 あの焦らしに比べれば、自分から素直に抱かれに行く方が何倍もマシで、何よりディアスにめちゃくちゃに愛される快感を、マイトの身体は完全に覚えてしまっていたのだ。 シュィン、と自動ドアが開き、マイトが部屋へと足を踏み入れる。 「来たぞ、ディアス。……今日も抱いてもらおうと思ってさ」 はだけた胸元から褐色の上半身を覗かせ、マイトは照れくさそうに頭を掻きながら笑ってみせた。だが、デスクに座っていたディアスは、ペンを置くと静かにマイトを見つめ、どこか呆れたような薄い微笑みを浮かべた。 「不合格だな、マイト」 「へ? 何がだよ」 「君は自らオレを求めに来るようになったけれど、まだ自分の『立場』というものが理解できていないようだ。昼は副官として扱ってあげているけれど、夜の君は一体オレの何だい?」 ディアスは優雅に立ち上がると、戸惑うマイトの前まで歩み寄り、その顎を冷たい指先で掬い上げた。 「恋人のつもりだけど、もしくは、犬か?」 「まあ、恋人で犬みたいなものではあるけど。自分からオレの部屋に這い込んできて、その下品な穴を差し出す時の自認が、まるで足りないね。……これからは、部屋に入ってきたら正しく挨拶をしなさい」 「あ、挨拶って……普通に『来たぞ』じゃダメなのかよ?」 「ダメだよ。君はオレに抱かれに来た、オレ専用のめすおまんこなんだから」 サラリと酷い淫語を吐き捨てたディアスに、マイトの顔は一瞬で耳の裏まで真っ赤に跳ね上がった。 「なっ……! ぶっ、お前、何言って……ッ!?」 「ほら、照れていないで言ってみてごらん。……『あなたのめすおまんこが、おちんぽをおねだりしに来ました』とね」 「言えるかそんな恥ずかしいことッ!! 冗談だろ!?」 美しいその顔に似合わない下品な言葉に慄き、マイトは叫んで退こうとしたが、ディアスの冷たい黒い瞳がスッと細められた瞬間、背筋に甘い悪寒が走って足が止まった。 逃げられない。 ディアスの持つ圧倒的な美貌と、絶対的な支配のオーラに、マイトの本能が屈服を始めていた。 「言えないなら、今夜は指一本触れてあげないよ。またあの生殺しを味わいたいかい?」 「うっ……! そ、それは……っ!」 「さあ、言いなさい。君が自分をどう自覚しているのか、オレの耳にしっかりと聞かせておくれ」 ディアスはマイトの金髪に指を絡め、優しく、けれど絶対に逆らえない力で自分の方へと引き寄せた。目の前にある完璧な美貌と、そこから漂う甘い体香に、マイトの頭は一瞬でクラクラと痺れていく。 腹の奥が、すでにディアスの質量を思い出してキュウキュウと疼き始めていた。プライドと恥ずかしさ、そして何よりもディアスに受け入れられたいという強い欲望が、マイトの中で激しく衝突する。 「……っくそ……っ、本当に意地悪なご主人様だぜ……」 マイトは涙目になりながら、羞恥心で真っ赤に熟した顔を伏せ、消え入りそうな声で口を開いた。 「ディアス……っ」 「声が小さいな。もっとハッキリと」 「……ディアス、あ、あの……お前の……っ、あなたの……『めすおまんこ』が……っ、おちんぽ……欲しくて、来ました……っ!」 言わされてしまった。 己の口から出たあまりにも下品な淫言葉に、マイトは両手で顔を覆い、ガタガタと膝を震わせた。男としてのプライドなど微塵もなく、ただ主人の玩具として完全に屈服した瞬間だった。 しかし、その言葉を聞いたディアスは、今まで見たこともないほど暗く、美しい歓喜の笑みを浮かべた。 「よく言えました。……本当に、なんてお利口で可愛いめすおまんこなんだろうね」 ディアスはマイトの腰を引き寄せ、耳元で甘く囁いた。 「ご褒美だ。君のその素晴らしい自認に免じて、今夜は朝まで、その下品なおまんこが壊れるまでたっぷり可愛がってあげるよ」 「あ、は……っ、ディアス……ッ!」 正しい自認を口にしたことで、マイトの身体は今まで以上の熱を帯び、自らディアスの胸の中へと嬉しそうに縋り付いていくのだった。

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