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※まな板のコイビト(注 猟奇)

培養液の中でぶくぶくと揺蕩うこと、七日が経った。  永遠にも似た孤独と、絶え間なく続く神経を響かせる痛み再生の熱に焼かれながら、マイトの意識はただひたすらに「その瞬間」を待ちわびていた。  プシューッ……!!  不意に排気音が鳴り響き、ポッド内を満たしていた青い液体が急速に足元へと吸い込まれていく。  完全に再生していない状態、約束通りちょうど折り返しの「七日目」で、強制的に培養のプロセスが中断されたのだ。 「あ……ぅ、あ……っ」  ガラスのハッチが開いた瞬間、支えを失ったマイトの身体がどさりと前へ倒れ込む。しかし、冷たい床に打ち付けられるより早く、待ち構えていたディアスの力強い腕が、その不完全な肉体をすっぽりと抱き止めた。 「待ちわびたかい、マイト。約束通り、一番敏感な『半生』の状態で引き揚げてあげたよ」 「でぃあ……っ、す、あ、あっ」  手足はふにゃりとまだ出来上がらずだらりとさがり、粘液まみれの身体で甘く掠れた嗚咽が漏れる。  ディアスの腕の中に収まったマイトの四肢は、まさに異様な状態だった。骨と筋肉は辛うじて形作られているものの、皮膚は極端に薄く、まるで生まれたての赤子のような透き通った薄紅色をしている。血管の脈動すら外から透けて見え、無数の神経網がまだ皮膚の下で安定せず、剥き出しに近い状態だった。  ディアスはその剥き出しの神経に覆われた「未完成の右腕」を、指の腹でそっと、しかし意地悪く撫で上げた。 「ひギッ……!?イ、イタああ ぁ、ア゛ア゛ア゛ッ!!?」  ただ撫でられただけだというのに、マイトは雷に打たれたように大きく身体を跳ねさせ、喉が裂けんばかりの絶叫を上げた。  皮膚という防壁を持たない未熟な肉体に与えられたのは、本来なら失神するほどの凄まじい激痛だ。しかし、マイトの胸で駆動し続けるバイタル管理システムとナノマシンが、その痛覚信号を強制的に「極彩色の快感」へとバグ変換し、脳髄へ直接叩き込む。 「あ゛っ、だめ、そこ、触られっ……!? 神経に、直接ビリビリきて……っ、頭、おかしくなるぅッ!!」 びゅくんびゅくんと上体だけの身体が震え、精が吹き出される。 「素晴らしい反応だ。皮膚もまだ薄く、痛みと快感の区別すらついていない未完成の肉体……。今の君は、風が触れただけでも絶頂に達するほど脆く、そしてオレの愛を吸収しやすい」  ディアスは恍惚とした瞳でマイトの震える身体を見下ろし、今度はその薄紅色の両脚をそっと撫で、太ももの内側へと指を滑らせた。 「ヒャアッ!? あ、あぁぁあッ! ディアス、やばい、それヤバいッ! 触られただけで、中が……っ、お腹の奥が、ぎゅぅって……ッ!!」  不完全な手足では、主人の身体を押し返すことも、すがりつくこともできない。  完全に無力で、ただ与えられる刺激を全身の細胞で受け止めることしかできない「究極の玩具」。マイトは胸のバイパスを激しく脈打たせながら、白目を剥いてよだれを垂らし、ディアスの腕の中でビチビチと魚のように跳ね回った。 「ああ、なんて美しい。未完成のまま外に出された可哀想な肉体が、オレの熱を求めてこんなにも泣き叫んでいる。……やはり、お前の身体を一度壊して正解だったよ、マイト」  ディアスはマイトの耳元で低い声で囁きながら、その未完成の太ももをゆっくりと開き、無防備に晒された熱の核心部へと容赦なく指を這わせた。 「あ、ア゛ッ!! あぁあぁア゛ッ!! くる、来るぅッ!!」  再生途中の過敏な神経が密集する最奥に、ディアスの冷たい指が触れた瞬間。  マイトはまだ何もされていないというのに、ただ『ディアスに触れられている』という事実と、バグりきった神経の過剰反応だけで、全身を硬直させて特大の絶頂を迎えた。  ビクビクと激しく痙攣する半生の肉体。自力では立てないマイトを抱き抱えながら、ディアスはその汗ばんだ額に狂おしいほどのキスを落とす。 「これだけで逝ってしまうのかい? だが、飼育プレイはまだ始まったばかりだ。君のこの中途半端で敏感な身体が、オレの形を細胞レベルで記憶するまで……徹底的に、たっぷりと愛してあげよう」 「あは……っ、あはははっ! もっと……っ! ああ、いて、え、っ、ディアス、もっとぉっ! おれの未完成な身体、ぐちゃぐちゃにして、くれぇっ!!」  未完成の四肢を無様に痙攣させながら、マイトは狂ったように笑い、ぐちゃぐちゃに涙を流してディアスの愛を乞うた。  

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