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所有印
絨毯の上で互いの熱を確かめ合い、甘い抱擁の余韻に浸っていたマイトは、ふとディアスの広い胸板に指を這わせながら口を開いた。
「なぁ、ディアス様……。切るのや解体は禁止にしたけどさ……俺に、『アレ』を刻んでくれないか?」
「アレとはなんだい?」
「この間の品評会でさ、商品にされてた奴隷たちが、身体に主人の『所有印(ブランド)』を焼き付けられてたろ。……俺、アレが欲しい。俺がディアス様のモノだって、一生消えない印が」
ディアスはわずかに目を細め、胸にすり寄るマイトの頭を撫でた。
「解体は禁止と言った直後に、焼印をねだるのか? お前の痛覚への執着は本当に底が知れないな」
「あ?ちげえ、バカ。痛いのが好きなわけじゃねぇよッ! ただ……あんたの印が俺の身体の『一番大事なトコ』にあったら……服を着てても、ずっとあんたに印をつけられてるみたいで、いつでもあんたを感じて疼いちまうだろ……ッ」
頬を真っ赤に染めながら、自らさらに深い従属を望む狂犬。
ディアスはその底なしの愛情に、低く艶やかな笑い声を漏らした。
「……いいだろう。そこまでオレの刻印を欲しがるのなら。誰の目にも触れない、お前の最も淫らな場所に、オレの所有物である絶対の証を焼き付けてあげよう」
再び無機質な光が落ちる医療区画の診察台。
ディアスは医療用のシェーバーを手に、マイトの下腹部から最も無防備な場所を覆う柔らかな毛を、丁寧に、そして冷徹に剃り落としていく。
ジョリ、ジョリと響く微かな音。
「あ、ぅ……っ、でぃあす……なんか、全部剃られるの、すげえ恥ずかしい……っ」
完全に露わになった下腹部と、男としての象徴。赤裸々な姿を冷たい空気に晒され、マイトは羞恥と期待で太ももをガクガクと震わせた。
切るの禁止したけど、イチモツきられたら、マジ死ぬよな。
「恥ずかしがることはない。お前のすべてはオレのキャンバスだ。……さあ、マイト。まずは一つ目だ」
ディアスの手には、特殊な加熱処理が施された、ブラック・シールドの紋章とディアスのイニシャルを象った小型の焼印が握られていた。
赤熱する金属が、チリチリと空気を焦がす。
マイトは大きく息を吸い込み、自ら脚を開いて、剃り上げられたばかりの無防備な下腹部――己の象徴のすぐ上の柔らかい皮膚を、ディアスへと差し出した。
「いくよ、オレの可愛い狂犬」
ジュウゥゥッ……!!
「ア゛ッ――――!! あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!」
肉が焦げる生々しい音と、鼻腔を突く甘ったるい匂い。
薄い皮膚を焼き切る激烈な痛みがマイトの脳髄を貫く。だが、それは単なる苦痛ではなく、ディアスの印が己の肉に永遠に溶け込んでいくという、強烈な快楽と所有の歓喜だった。
「あ゛っ、ひ、ぃっ……! 熱いっ、熱いよぉっ……! ディアスの印が、俺のなかに……ッ!」
「美しいよ、マイト。よく耐えた。……だが、本番はこれからだ」
ディアスはまだ赤熱を保つ焼印を手に、マイトの両脚をさらに大きく、限界まで押し開かせた。
「次は……オレを迎え入れる、この最も卑猥で貪欲な入り口の周りだ。ここにもオレの印をぐるりと刻み込み、二度とオレ以外の熱に反応できないよう、細胞に教え込んでやる」
「ひっ……!? あ、穴の周りって……っ! そこ、一番敏感な……っ、あ゛ア゛ア゛ッ!!」
ディアスは容赦なく、マイトの最奥へと続く柔らかな粘膜の入り口を縁取るように、熱された金属を押し当てた。
ジュウゥゥゥッ……!!
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッ!!! ディアスゥッ!! ディアス様ぁぁッ!!」
下腹部とは比べ物にならない、極限の過敏地帯への焼印。
痛みと快感の境界線が完全に吹き飛び、マイトは拘束されていないにも関わらず、手術台の上でビチビチと狂ったように跳ね回った。
絶叫とともに口からはよだれが滴り、焦点の合わない蒼い瞳からは歓喜の涙がとめどなく溢れ出す。焼け焦げた肉の痛みが、ディアスに直に犯されているという強烈な錯覚を引き起こし、マイトは焼印の熱と激痛だけで狂ったように絶頂を迎えた。
「……ふふ、見事な啼き声だ」
ディアスが焼印を離すと、そこには赤く爛れ、永遠に消えることのない「ディアスの所有印」が、最も淫らな二つの場所に深く、くっきりと刻み込まれていた。
「あ……ぅ、あ……っ」
全身を痙攣させ、焼け焦げた痛みに喘ぐマイト。
ディアスはその涙でぐしゃぐしゃになった顔を優しく撫で、熱を持った真っ赤な刻印に、冷たくも甘いキスを落とした。
「これで、お前は正真正銘、細胞の隅々までオレの性奴隷だ。……一生、この印の疼きにオレを感じながら生きるんだよ、マイト」
「あは……っ、えへへっ……。俺、ディアス様の……モノだ……っ。ずっと、ずっと……っ」
痛みという極上の楔を急所に打ち込まれた狂犬は、主人の腕にすり寄りながら、この世で最も幸せそうな、狂気に満ちた笑みを浮かべるのだった。
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