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ピアッシング
自動で移動するディスプレイ・スタンドに吊るされ、部屋の中を優雅に滑らされるたび、プラチナの鎖がマイトの全身の急所を容赦なく引き絞る。
乳首、性器、アナル。連動したピアスが微細な揺れさえもダイレクトに性感の核心へと伝え、マイトの脳髄は限界をはるかに突破した絶頂のラッシュに次々と叩きのばされていた。
「ひぁっ……! あ、あぁっ……もう、いや、これ、ほんとに……っ!」
ガタガタと震える拘束具の隙間から、マイトは白目を剥き、よだれと涙をボロボロとこぼしながら、かすれた声でトントン拍子に狂いっていく自分への愚痴をこぼし始めた。
「……っはぁ、はぁ……っ、も、もともとはさぁ……っ、ただ、品評会の奴隷みたいに、ちっちゃい『所有印』を一個だけ、入れてもらうだけのつもり、だった、のに……っ!」
なんで……っ、なんでこうなったんだよ……っ!
頭の中はあまりの快感のオーバーロードでショートし続け、思考の糸がプツリプツリと音を立てて千切れていく。
自分で望んだはずの焼印から始まり、気づけば全身を金属で貫かれ、鎖で繋がれ、部屋中を晒し者にされるような玩具としてディスプレイされている。
「あたま……っ、もう、イキすぎて……おかし、い……っ、こんなの、絶対……人間の一生分の快感……一日で、使い切ってる……っ、ずるい、頭がとろけて、ディアスのことしか……考えられなく、なるぅっ……!!」
不満を垂れているのか、それとも身勝手な愛の呪縛に感謝しているのか、もはや自分でも区別のつかない甘ったるい泣き言。
マイトはスタンドの揺れに合わせて全身を痙攣させ、再び頭の芯を真っ白に染め上げる快感の波に飲み込まれながら、だらしなく口を開いてトロンと蕩けた笑みを浮かべるのだった。
自動スタンドの駆動音が静かに停止し、マイトの身体を宙吊りにしていた緊張がふっと緩む。
使い物にならなくなった玩具を回収するように、ディアスは立ち上がり、マイトを優しく受け止めた。
留め金が外され、全身を繋いでいたプラチナの鎖とピアスから解放された瞬間、マイトの力ない肉体はそのままディアスの胸板へと崩れ落ちる。
「はぁ、はぁっ……はぅ……っ」
あまりにも長すぎた絶頂の余韻と、急激に引いていく激しい気だるさに、マイトは白目を剥いたまま痙攣する指先をわずかに動かすのがやっとだった。脳の許容量を完全にオーバーした思考はまとまらず、ただ口を開けたまま、だらしなくよだれと涙をこぼし続けている。
ディアスはそんな愛おしい壊れかけの狂犬を、まるで宝物を扱うかのように丁寧に抱き上げ、そのまま広大なキングサイズのベッドへと運んだ。
ふかふかの羽毛の上に寝かせると、冷たい手袋を外し、素手の温もりでマイトの火照った額や頬の汗を優しく拭い取る。
「お疲れ様、マイト。本当に良い子だったよ」
低く甘やかな声音で囁きながら、ディアスはマイトの乱れた金髪を丁寧にすくい、何度も優しく指櫛を通す。
そして、未だにぴくぴくと敏感に震えているマイトの耳元にそっと顔を寄せ、悪戯っぽく、しかし底知れない独占欲を孕んだ笑みを浮かべて囁いた。
「そんなに泣き言を言うなよ。……ほら、昼間は特別にその鎖も外していいからね。その代わり、夜になればまたたっぷりと、オレの愛する可愛い『調度品』に戻ってもらうけれど」
「……っ……ぁ……」
昼間は自由にしていいという甘い言葉と、結局は夜になれば逃れられないという甘美な絶望。
マイトはとろけた瞳でディアスの胸元にすり寄り、もう掠れてほとんど出ない声を無理やり絞り出した。
「ひるまも……よるも……ずっと、あんたの……おもちゃ、だから……っ……」
支離滅裂な忠誠の言葉を零しながら、マイトは安心しきったようにディアスの腕の中で深く、泥のような眠気へと落ちていく。
暴君は愛おしげにその眠りを守るように、ぐったりと縮こまったマイトの背中をいつまでも優しく、執着深く撫で続けた。
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