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1※成人向け描写あり

1  郁が、ベッドの上で恨みがましそうな目をこちらに向けている。 「このまま、床で痛い思いをするのとベッドでやさしくされるのどっちがいい?」と聞いたら、しぶしぶ、寝室までついてきた。  意外と従順だ。 「俺は、するなんて言ってない……」  せめてもの抗議らしい。  彼の方が圧倒的に力は強いのに、郁は望月を傷つける場面は避けるし、なによりも恐れているのだ。 「えー、そのうちしたいって言うと思うけど。だってえっちなの弱いでしょう?」 「だから……弱くな……んっ……ふぅ……はぁ……っ♡んっ♡んっ♡」  唇をくっつけるだけのプラトニックなキス。  郁がびくんとした。 (やっぱり、えっちなことに弱い気がするけど……)  彼が緩くかぶりを振った。  くせっ毛が、さらさらとこぼれおちる。 「んっ……はぁ……♡これ以上は、しない……からぁ……♡」  顔を背けてそんなことを言う。 「どうして? キスすると甘えん坊になるじゃん。舌、ぬるぬる~って擦りつけて、いつもならもっとっておねだりしてくるでしょう?」 「そ、そんなことしてな――ん、アッ♡」  郁は、躾の行き届いた狼である。  噛みついたりはしない。  桃色の舌を指でひきずりだすとちゅこちゅこと扱く。 「ふっ♡ふぅっ、ふぐぎゅッ♡ん、んーっ♡ひ、ない……きす、ひないぃ……っ♡んぐっ♡」 「うん。キスはしたくないんだよね。でも、クチの中もちゃんと感じられるよね? 指で喉、ぐちゃぐちゃって搔いてあげる……♡」  揃えた二本の指を喉の奥に挿入していく。  喉の粘膜がひくひくと震えて、指を押し返そうとするが、無視。 「ん、ぐッ!? むぐぐっ、ふぐっ、うううーっ♡」 (これ、息できな……苦しい……望にやめてって、乱暴は嫌だって言わないと……)  アレキサンドライトのように光の加減で色が変わる緑の双眸。  そこに薄く涙の膜が張っている。  だが、郁は見てしまった。  望月がとても嬉しそうに、自分を見下ろしていることに。  彼の中で何かスイッチが……恐らく嗜虐の趣味が入ってしまったらしい。 「ん……っ、あむっ、れろっ、れるぅっ……ぺちゃっ、ぺちゃっ……♡」  郁は耐えるようにきゅっと目をつむった。  長い睫毛が、頬に影を落とす。  そして、望月の華奢な指に舌を絡めた。 「ん……お利口。郁、ぺろぺろするの上手だね?」 「は、ふ……っ、んんっ、ぺちゃっ、ぬちゃっ、ぬぢゅっ……んううっ♡」  望月が指を抽挿するように、動かす。  すると、喉奥の粘膜に指の腹が擦れる。 (喉の奥、当たって……これ、苦しい、はずなのに……ぼーっとする……)  郁は、ただ奉仕をするように必死に舌を運び、指をちゅぱちゅぱとしゃぶっている。  不意にそろえた指先が喉奥の粘膜をごりゅっ♡と抉った。 「~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッッ♡♡♡」  痛みと苦しさを伴うはずなのに、頭が真っ白になった。  それは郁にとっては覚えのある感覚だ。 (嫌だ、こんなの、こんなの違う……)  ふと、涙目で、見上げると望月がつぶさに郁の様子を観察していた。 「喉のお肉、ひくひくって痙攣してたよ? 郁は喉、虐められるのも気持ち良くなっちゃうのかな?」  郁はあわてて、かぶりを振った。  このまま、望月から……淫虐から逃げればいいだけだ。  でも、すっかり身体に力が入らない。  下腹がひどく重い。 「んうっ……♡」  郁はむずがるように、シーツに顔を伏せた。 「次はここ、触ろうね」  服の上から胸元をまさぐられた。  そこは、郁の性感帯のひとつだ。 「触らないで……」  蚊の鳴くような声でそう懇願する。  自分が力任せにふるまったら、小さな望月を傷つけてしまう。  言葉の抵抗が郁にできる精々だった。 「ここ、女の子みたいに虐められるの好きだよね。シャツ、ぬごっか」 「お願、見ないで……」  陶磁のように青白い皮膚が露わになる。 「郁の顔も好きだけど、身体もエロくて好き」  普段の幼い物言いに反して、あからさまに今、望月は、オスとしての欲情をぶつけている。  郁は、望月の言葉の意味に惑ってしまう。  自分のかんばせの造作が他者に美しく映ることは、投げかけられる言葉から知っていた。  しかし、郁には他者が自分に向ける容姿への賞賛に対して実感が伴わない。  幼い頃、その特異な美貌も含め、郁の存在は忌まわしいものと扱われていた。  いわば、この顔は呪いのようなものだ。  だから、望月がうっとりとしながら言う「きれい」という言葉がよく分からない。  ましてや、そこに性的なニュアンスを含められると郁の戸惑いは深くなる。 「……もしかして、恥ずかしいの? 褒めてるんだよ?」  おずおずと郁は頷いた。  褒められているのかは分からないが、恥ずかしいのは確かだ。 「かーわいい♡」  でも、と望月が口唇を耳元に寄せてくる。  呼気が触れて、ひどくもどかしい。 「そういうのって虐めたくなっちゃうよねえ」

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