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第28話 新たな出会い ③
「あははは! 本当に仲がよろしいのですね」
僕たちの様子を微笑ましそうに見守っていた男の人が、声を立てて笑った。
「申し遅れました。私はこの村の村長をしております、トマス・ヘイワードと申します。改めまして、大切な家族を助けてくださり、ありがとうございました」
トマスさんは改めて深く頭を下げると、娘の方を振り返った。
「カノン、レオンさんが良いと仰っても、大人の人を呼び捨てにしてはいけないよ」
「どうして?」
「それはね、年上の人を呼び捨てにするのは失礼だからだよ。お隣のベーカーさんのことも、呼び捨てにはしないだろう?」
カノンちゃんは少し考えてから、「そうだね。わかった!」と元気に答えた。
「ふふふ。ありがとう、カノンちゃん」
レオンの特等席が守られたような気がして、僕はつい、ホッとしてお礼を言ってしまった。
「そうだ。レオンさんとシリエルさんは、お昼ご飯はもう食べた?」
もうカノンちゃんは、きちんと『さん』で呼んでいる。賢い子だなと感心させられた。
「まだ、だけど」
「じゃあ、私のお家で食べていって! お父さんの料理は最高なんだよ!」
立ち上がったカノンちゃんに、ぐいぐいと手を引っ張られる。
「え……でも、お邪魔じゃない?」
見ず知らずの旅人が迷惑にならないだろうか。そう思ってレオンを見上げると、
「そうだな。お言葉に甘えて、ご馳走になろう」
なんだかカノンちゃんの申し出に乗り気な様子で、あっさりと立ち上がった。
「そうですよ、ぜひ。我が家特製のチーズも召し上がっていただきたいです」
「お父さんのチーズはすっごく美味しいんだよ! そのチーズとお野菜とお肉を、ベーカーさんが作ったパンで挟んだら、もっとも〜っと美味しいんだから!」
みずみずしい野菜とジューシーなお肉のサンドイッチ。カノンちゃんの言葉から味を想像してしまった瞬間、僕のお腹が『ぐ〜っ』と情けない音を立てて鳴り響いた。
「あはは、これで決まりだな」
レオンに笑われ、また顔が真っ赤に熱くなる。
僕はカノンちゃんとレオンにそれぞれ手を引かれるようにして立ち上がった。
「では……お言葉に甘えて、ご馳走になります」
お礼を言った傍から、またしてもお腹の虫が小さく鳴いた。
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