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第65話 レオンの痣 ③

 その声が耳穴をくすぐった瞬間、ぞくっと背筋が痺れ、後ろの蕾がキュッと甘くひくついた。  レオンの体温を求め、ナカが疼いてたまらない。 (レオン……レオン……っ)  僕がさらに下腹部の痣へ手を伸ばそうとした、その時だった。 「っ!」  視界がくるりと大きく反転した。  気づいた時には、僕がレオンの下になり、上から覆いかぶさらされていた。  見上げるレオンの呼吸は荒く、その深い琥珀色の瞳の奥には、理性を焼き切られた獣のような鋭い光が宿っている。 (あ……食べられる……)  その圧迫感と強いオメガへの本能に、背中がゾクゾクと熱く慄いた。 「レオン……」  愛しい名前を呼んだ次の瞬間、塞がれた唇から熱い吐息が流れ込んでくる。  強引に口付けられ、唇をこじ開けられると、レオンの熱い舌がナカへと侵入してきた。 「ンッ……ンンッ……っ」  舌を絡め取られ、上顎を敏感な舌先で優しくくすぐられるたび、全身の力が抜け落ちていく。  レオンの大きな手が、僕の服の隙間から滑り込んできた。  肌を撫で上げられるだけで全身の皮膚が熱を帯び、触れられた胸の小さな突起がコリリと甘く痺れる。 「っ……ん……レオン……っ」 「シリエル……愛してる」  耳元で囁かれる愛の言葉と、僕を宝物のように愛おしむ深い瞳。  身体の奥が切ないほどに熱く疼いて、僕はレオンの体温をもっと、もっと奥まで欲してしまう。  快感だけじゃない。  レオンにこんなにも深く愛されているという歓びで、胸がいっぱいになって涙が零れ落ちそうだった。 「もっと……触って……」  レオンの両頬に手を当てると、フッとレオンの口元から優しい笑みがこぼれた。  ゆっくりと身体を起こされると、綿シャツのボタンが一つひとつ外され、丁寧に脱がされていく。  そして、レオンにひょいと抱き上げられ、僕の身体がふわりと宙に浮いた。 「もっと触れても……いいか?」  不安そうに揺れる深い琥珀色の瞳で見つめられ、僕はゆっくりと頷いた。  そのままベッドの中央へ優しく寝かされ、首筋にそっと唇を啄むような口づけを落とされる。 「ぁッ……」  頸の根本がズクンと熱く波打った。  レオンの唇が触れるたびに身体の奥が疼き、ズボンの下で熱が膨らんでいく。 「これも……脱がせて」  僕がレオンの手を自分のズボンへと導くと、レオンは流れるような優しい手つきで、僕の下着ごとゆっくりと滑り落としてくれた。 「なんて……綺麗なんだ……」  生まれたままの姿になった僕を見つめ、レオンがうっとりと呟く。  華奢で頼りない僕の身体を、レオンは世界で一番美しいものを見るような目で見つめてくれた。  それが飛び上がるほど嬉しかった。 「愛して……くれる?」  心も体も、すべてレオンで埋め尽くされたい。  誰の体温も知らなかったこの無垢な身体を、レオンの熱だけで満たしてほしい。レオンの色だけに染め上げられたい。 「レオン……きて……」  両腕を伸ばすと、レオンは僕の上にそっと覆いかぶさり、愛おしそうに唇を重ねてくれた。  熱い舌が僕の口内へ滑り込み、拙い僕の舌を優しく絡めとる。  両耳を大きな手で塞がれると、口内で舌が絡み合い、甘い唾液が混ざり合う音が頭の中にダイレクトに響き渡った。 (あ……食べられちゃう……)  意識がぼやけて、レオンの深い熱の中に吸い込まれていくようだった。

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