66 / 91

第66話 レオンの痣 ④

 口づけはゆっくりと顎から首筋、そして露わになった胸元へと降りてくる。  胸の小さな突起をキュッと唇で吸い上げられた。 「あぁっ……!」  初めて経験する刺激に、自分でも驚くような甘い声が口から漏れてしまった。  背筋にビリビリと甘い痺れが走り、脚の付け根がキュンと強張る。 「シリエル……可愛い……っ」  レオンの低い掠れた声が耳元をくすぐり、大きな手が僕の脇腹から腰、そして太ももの内側へとゆっくり撫で降ろされた。  ゴツゴツとした、男らしくて温かい手。  直接肌を撫で上げられるたび、触れられた場所から全身へ火照りが広がっていく。 「んっ……あ、レオン……身体が、熱い……っ」  どうしていいか分からず、僕はレオンの広い背中にしがみついた。  挿入されているわけでもないのに、レオンの手が太ももを優しく擦るだけで、身体の最奥がキュ〜ッと熱く疼いてたまらない。  自分でも気づかないうちに、僕の身体から甘いアンバーの香りに応えるような、蜜のように甘いフェロモンが溢れ出していた。 「シリエル……そんな顔をされたら、我慢できなくなる……」  レオンの琥珀色の瞳が熱く濁り、僕を抱きしめる腕にギュッと力がこもる。  レオンの体温が、胸の鼓動が、僕の全身に伝わってくる。  快感への戸惑い以上に、「レオンに今、世界で一番愛されている」という幸福感が胸いっぱいに広がり、目尻からポロポロと涙がこぼれ落ちた。 「レオン……好き……っ。僕を……ずっと愛して……っ」 「愛してる、シリエル。一生、俺だけのものだ……」  耳元で囁かれる誓いの言葉に胸が熱くなり、僕はレオンの首筋に必死でしがみついた。  レオンの手が、僕の胸にある小さな突起を指の腹で優しく挟み、コリコリと甘く転がす。それだけで背筋を雷が駆け抜けたように身体が跳ねた。 「あ……っ、ん、あぁっ!」  さらに、レオンの温かい口元が下へと滑り落ち、熱く膨らんでいた僕の楔を、包み込むように優しく唇で食んだ。 「ひぁっ……!? れ、オン……そこっ、だめ……っ!」  初めて触れられる、一番敏感な場所。  レオンの熱い舌先が楔の先端をそっと舐め上げるたび、頭の中が真っ白になっていく。  胸の突起を指で弄られ、下を口付けられる二重の刺激に、息の吸い方も分からなくなってしまう。 「んぁっ……、あ! なにか……くる、レオンっ、あぁーっ!」  お腹の奥がギュッと強く収縮し、つま先までピンと伸び切った。  背中が大きく反り上がり、弾けるような熱い波が全身を駆け抜けていく。  びくびくと身体を震わせながら、僕は生まれて初めての甘い絶頂を迎え、レオンの口の中で弾けてしまったのだった。 「はぁ……はぁ……っ」  荒い息を吐き出しながら、ぼやける視界でレオンを見上げる。  レオンは僕の蜜を嚥下すると、愛おしそうに僕の目尻の涙を指で拭ってくれた。 「よく頑張ったな、シリエル。……今日は、ここまでにしておこう」  優しく微笑み、僕を包み込むように毛布を掛けようとするレオン。  その動きに、ハッと正気に戻る。 (え……?)  身体の力は抜けているのに、胸の奥はまだレオン の熱を求めて熱く疼いていた。 「だ、抱いては……くれないの……?」  不安そうに尋ねると、レオンは困ったように眉を下げ、僕の頭を優しく撫でてくれた。 「シリエルの身体が心配なんだ。初めてだし、今日はいろんなことがあって疲れていただろ? 無理はさせたくない」  どこまでも僕を大切にしてくれるレオンの優しさが分かる。  分かるけれど……嫌だった。 「……いやだ」  僕は掛けられかけた毛布を払いのけ、レオンの袖をギュッと掴んだ。

ともだちにシェアしよう!