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第81話 初めてのヒート ③
「くそっ……」
レオンが苦しげに低く吐き捨てた瞬間、彼から溢れ出す香りが爆発的に広がる。
目の前が眩むほどの衝撃。自分でもわかるほどにフェロモンが弾け、触れられてもいない後孔から蜜がじわりとにじみ出た。
(このまま、レオンと……)
昂った思いで胸が苦しい。
「レオン……早く……っ」
言葉を吐き出した途端、後ろから抱きすくめられ、力任せに唇を奪われた。舌が入り込み、逃げ場を塞がれる。
「ン……ンンッ……ぅ……ッ」
きつく吸い上げられるような濃厚な接吻。
レオンの手が僕のシャツにかかった。
——ビリッ!
乾いた音とともに、前ボタンが弾け飛ぶ。
肌に触れる冷たい夜気と、レオンの香りが全身を包み込んだ。
貪るように深くなる口づけに呼吸が乱れ、甘い眩暈に倒れそうになった時、胸の突起へビリリと鋭い刺激が走った。
「ンン……ッ! あ……んっ……」
剥き出しにされた胸元、突起を指先で強く弄られるたび、頭の中が真っ白に弾け飛ぶ。
レオンから溢れ出すアンバーの香りと、激しく舌を絡め取られる感覚に、僕の身体は歓喜の悲鳴を上げていた。
「ハっ……あ、レオン……っ、抱いて、もっと……っ!」
昂る熱に耐えきれず、僕はレオンの背中にしがみつき、理性を捨てて彼を求めた。
レオンの瞳から理性が消え、本能のままに獲物を追い詰める『獣』の光が宿る。
強引に足を開かされ、待ち望んでいた熱い塊が、一気に僕の奥深くへと貫いた。
「あぁぁぁツ……ッ!!」
背中が跳ね上がるほどの衝撃。
今まで味わったことのない、身体の芯まで満たされる圧倒的な充足感。
「シリエル……誰にも、渡さない……!」
触れ合っている場所から、甘い熱が全身へ駆け巡っていく。
「シリエル……ッ、シリエル……!」
獣のような低い唸り声を上げながら、レオンが激しく腰を突き上げてくる。
突き上げられる度に、僕の口からは情けない喘ぎ声が漏れ、涙がボロボロと溢れた。
苦しくて、気持ち良くて、狂ってしまいそう。
僕の身体も、レオンの求めるままにキュッと奥を締めつけ、彼を深く、深く受け入れていく。
「噛んで……っ! レオン……僕の、首筋を……噛んで……ッ!」
番の証を刻んでほしい。
レオンのものだと、永遠の刻印を遺してほしい——。
僕の懇願に呼応するように、レオンの動きが止まった。
楔が抜かれ、身体を反転させられてうつ伏せにされる。
腰を持ち上げられ、再びレオンの楔が一気に最奥へと貫かれた。
目の前に火花が散り、呼吸が止まる。
激しく肉体が打ちつけ合う音と、止まらぬ喘ぎ声が部屋に響き渡る。
最奥の壁にぶつかるたび、蜜が弾け飛んだ。
止まらぬ律動の中、荒い吐息が僕の熱い首筋へと吹きかかる。
レオンの鋭い犬歯が皮膚をかすめ、番の熱を要求するようにうなじへ押し当てられた。
(あぁ……これで、僕はレオンと番になる……)
「運命の……番……」
恍惚感に目を閉じた、その瞬間だった。
突如、首筋に触れていた歯が、弾かれたように離れる。
直後——首筋に痛みはないのに、メリッと肉の潰れる嫌な音が響いた。
「クッ……!」
レオンの重い呻き声に驚いて振り返ると、そこには自分の右腕を血が出るほど深く噛み、血走った瞳で必死に踏みとどまっているレオンの姿があった。
噛み締めた腕から溢れた赤が、僕の背中へぽたりと落ちる。
「レ……オン……?」
「ダメだ……っ! ここで、噛むわけには……いかないんだ……っ!!」
理性を取り戻したレオンは、何か恐ろしいものと闘うように必死に見えた。
「シリエル……愛してる……愛してる、シリエル……ッ!」
涙を流しながら、レオンが僕の奥深き場所へと激しく腰を突き入れた。
身体の最も深い場所で、熱い塊が弾け飛ぶ。
「あぁぁぁっ……ーーー!!」
初めて蜜壺でレオンの精を受け止めながら、白濁とした蜜を放った。
(どうして……!?)
痛みのないうなじが疼きながらも、レオンの腕から流れる血の匂いとあたたかな体温に包まれ、僕はゆっくりと果てしない意識の闇へと落ちていった。
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