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真夜中の弊害 2

ローラが魔法使いの為の学校、ハートン学園へやって来てから約数ヶ月が経っていた。 同い年くらいの人間達と集団生活なんて反吐が出る思いだったが、魔法を有している者は学園の卒業資格の取得が義務付けられている為従う他ない。 伯爵家の嫡男として産まれたローラだったが、 自分が貴族であるということも後継であるということも全く自覚なく過ごしていた。 自覚がないというよりも、どうでも良い、という感覚に近いのかもしれない。 というのも、ローラは興味の持てるものと持てないものへの熱量があまりにも違い過ぎて 良いと思っていないことや無駄だと思えてしまうことには全くと言って良いほど手が付けられなくて 親に打診された貴族学校へも行かずに1人で家に引き篭もって本を読み耽っているような子どもだった。 それは今もあんまり変わってはいない。 年齢を重ね、やっておかねば法令違反になるような事は一応抑えておかなければなーみたいな最低限大人としての自覚くらいはあるものの 絶対やらなければならないような事以外は、無くていいとすら思っていた。 しかし、やはり人間同士の関わり合いにはローラから言わせれば実に“無駄”とか“煩わしい”と呼べるものばかりが転がっており 思い通りにいかないどころか、何故?と思うような事ばかりが乱立していた。 学園に来てからというもの毎日そういったものに翻弄され、ローラは結構辟易しているのだった。 その代表がまさしくルームメイト達の情事だ。 寮生活で3人部屋を充てがわれてしまったローラは、別に気にしなければどうという事はないと最初はたかを括っていた。 だが貴族学校時代からの顔見知りという他2人のルームメイトは、何やら妙に距離感が近くて 仲がいいのは良い事だが、と思っていたら、何故か夜な夜な喘ぎ声を聞かされるハメになっていた。 別に恋愛は自由だし、誰が誰と付き合おうが致そうがどうでもよかったが 同じ空間でやられるとなれば話が変わってきてしまう。 とはいえ、気を遣うみたいな事もする必要もないと思っていたので 聞こえているぞと7回くらいは釘を刺したわけだが、彼らは顔を赤くして謝るだけで全く改善の余地が無いのだった。 それは結構ローラにとっては衝撃だった。 言われた事が出来ないとか、 何度言っても繰り返されるというのが本当に理解できなくて、怒りを通り越して戸惑いすらあった。 それは割と、恐怖にも似た感情だった。 理解できないことは解明すればいいとは思っているけど、 何度言っても平行線な人間の思考など解明したいとはとても思えなくて。 最近のローラは諦めモードになり、 人間とは不思議な生き物で粒子の働きが微妙に違うだけでこうも意思疎通のできない不可思議な存在になってしまうのかという観点で観測しておく事にしているのだった。 恋愛なんていうのはなんとなく、 “無駄”と“意味不明”と“煩わしい”の究極系みたいなものだと感じていたけど ルームメイトに悩まされる程にそれは当たっているようだと思わざるを得ない。 他人に迷惑を掛けていると分かっていても抑制できないものなんて、迷惑行為と言っても差し支えないし 法律で規制できんものだろうかと恐ろしい事を考えてしまうのだった。

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