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真夜中の弊害 3
廊下の若干質の低いソファでは寝れるはずもなく、だけどほんのちょっとだけうとうとしながら窓から差し込んでいる、月明かりを眺めていた。
窓の形が四角く切り取られているような光は、段々と形を変えていき、頭の中によく分からない音が流れ込んでくる。
そして雪崩のように情報がやってくると、一瞬意識を手放しそうになって、ローラはハッとなって身体を起こした。
「…ッチ……」
舌打ちをしながら首を振って意識を取り戻すと、頭を抱えた。
ただでさえ睡眠には悩まされているというのに、物理的な妨害は勘弁していただきたいものだった。
「………ん…?」
静かだった廊下に誰かの足音が響いている。
それは下の階のようで、ローラは眉根を寄せた。
自分と同じく性被害に悩まされている生徒でもいるのだろうか。或いは加害者側なのか。
やがて足音は階段に差し掛かったようだ。
このソファからでも階段は眺められたので、そちらへと目を向けるとパジャマ姿の生徒が幽霊のように覚束ない足取りで階段を登ってきている。
生徒はローラのいる階に到達すると、
どこかぼうっとした眼を向けてきて目が合ってしまった。
一瞬本当に幽霊なのかと想ったが、その顔には見覚えがあった。
「……こんな時間に何をしてるんだ?」
ローラはソファの上で腕を組み、踏ん反り返ったまま呟いた。
その生徒はなんともいえない表情で俯くとふらふらと近寄ってきた。
「…夢遊病…なんだよね…」
生徒はどこか少し赤くなっている眼でローラを見下ろすと、力無く笑みを浮かべる。
ちょっとぼさっとなっている栗色の髪の毛、窓から差し込んだ光で金色の瞳はキラキラと光っているけど
その表情とはどこか比例しないように見える。
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