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編入生絡みの騒動 5

床に頽れたまま涙を拭っていたリウムはようやく立ち直ったのか、ふらふらと立ち上がってエルメーザの服の裾を掴んでいる。 「エルメーザ……ありがとう、盾になってくれて さ…サンちゃんも…」 今の会話を聞いていたのかいないのか、リウムはどこかしゅんとしながらも呟いている。 彼の感情の起伏の高低差はよく分からなかったが、事なきを得たならいいとローラは頷いておいた。 エルメーザは複雑そうな顔をしながらもリウムの背をおずおずと撫でて、 連れ立って二人は行ってしまった。 そんな背中を見送りながらローラは、 一体何が起こっているのだろう、 と少しだけ邪推してしまうのだった。 エルメーザとリウムの関係値はローラにはよく分からないが、2人の間にただならぬ雰囲気が漂っているのはバカでも分かってしまい その雰囲気を目の当たりにすれば誰しも、そりゃ噂にもなるはずだわな、と納得するだろう。 だけど人間はそんなに器用ではないので、どこかが親密になればどこかが綻びを生じるのは当然のことだ。 エルメーザとリウムの関係が深まる度に、次期皇帝の婚約者であるレンシアの悪評が何故か広まっており それを聞く度に友人のイオンが悲しそうな顔をしているので、ローラはただ黙ってその様子を観察してしまうのだった。 イオンやイヴィトが貴族らしからぬ平和主義なのは理解していたが、彼らを取り囲むように渦巻いている歪んだ時空には ただのメロドラマ的な恋愛沙汰なだけではない気がして手や口を出すのが憚られてしまうのだ。 何か分かりかけていてもローラはとりあえず当たり障りのない事を言っておくことしかできなかった。 何かが起ころうとしている。 その確かな予感は日に日に増していき、それにどこか恐怖のようなものを感じている自分がいる事にローラは戸惑ってもいた。 その何か、がどんなものかは分からないが 人間では太刀打ちできないような壮大なエネルギーが働くような事だと予感していた。 そう、まるで、 大嵐のような。

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