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殿下のお悩み 2
必要のない会話など一切してこなかったエルメーザは、それが最善だと思っていたが
他の生徒を観察したり、共に過ごすうちに
寧ろそういった会話に参加できないと、つまらない奴だと思われたり、時には非常識扱いをされるのだという事を知ったのだった。
そしてそれは苛立ちを通り越して、なんだか焦りのようなものを産み、やがてそれは虚しさのような心地に着地していくのだ。
それは、
自分はこんなにも、物を知らないのか、というような無力感だった。
そうなると、無駄だと思える会話をけしかけて来たレンシアが愚鈍で能天気だったわけではなく
彼の方が寧ろ社会的で常識的だったのではなかろうかと思えて仕方がなくなり
エルメーザはだんだんとレンシアに対して後ろめたいような気持ちが湧き起こってきてしまうのだ。
だけど今、本当は社会的だったはずのレンシアは、学園では孤立しているように見えた。
最初は自分と同じように皇帝家に近しい人間として正しく振る舞っているのだろう、とたかを括っていたエルメーザだったが
レンシアはわざと人を避けているようだったし、エルメーザですら友達になってくれたイオンやイヴィト達をも
少し遠巻きにしているように見えた。
表面上は愛想良く微笑んでいる割に、会話が続きそうになると不自然に切り上げて逃げるように去っていってしまうし
食堂にも姿を表さず、サロンにも居なくて、どこにいるのか分からないような事が大半だった。
エルメーザはそんなレンシアを作ってしまったのは、自分なのでは?というような1ミリ程度の罪悪感を感じてはいたものの
それにしてもなんだかおかしい気がする、という疑いのような気持ちを持っていた。
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