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ルートの裏側 2
「……リウム?」
一向に顔を上げないリウムに、エルメーザは彼の顔を覗き込もうとした。
すると、リウムは少しだけ顔を上げる。
金色の瞳は涙で潤んでいて、その頬は赤く腫れている。
エルメーザは咄嗟に彼の顔に触れ、よく見ようと顔を近付けた。
痣のようなものも出来ているみたいだった。
「殴られた…のか?一体誰に…」
孤児院出身のリウムは、貴族達によく思われていないようで
途中から編入したこともあり、虐めのようなものを受けているようだった。
美しい顔が歪んでいるのが、その痛々しい傷跡が、エルメーザの中でヘドロのような熱を帯びて怒りへと変わっていく。
リウムは首を振ってエルメーザの手から逃れた。
「いやらしい孤児が…、上位貴族や、エルメーザと仲良くしてるのは…おかしいんだって…」
震える声で言いながら、リウムはエルメーザに背を向けた。
「同じ孤児でも……レンシア様はいいのに…
なんで僕だけダメなんだろう…ね……」
泣いているような声だった。
その小さな背中は震えていて、エルメーザはなんとも言えない悲しみと怒りを抱えてしまっていた。
目の前でそんな風に泣いている人間なんて見た事がなかったから。
笑っている人間も泣いている人間も、エルメーザには縁遠い事で
それが如何に“ふつう”ではなかった事かと思い知らされているようで。
「……リウム…お前が苦しんでいるのを救ってやりたいと思う…
だが…、ふつうは…、こういう時どうすれば良いのか…私にはわからない…」
エルメーザが素直に打ち明けると、リウムは小さく笑っているように息を吐き出した。
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