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天使を取り巻く混沌 2

大鷲の幻獣生物であるフレスベルグに襲われたらしいリウムは、鋭い爪や嘴で引っ掻かれたのか痛々しい生傷を顔やら腕やらに残していて 心底不満そうな顔で口を尖らせている。 寮ではローラの部屋のすぐ下の階の住民であるリウムは、いつもローラがやっているように窓の外からやってきて 包帯だらけの腕を組み窓枠に腰掛けている。 「……寝ていなくていいのか…?」 結構な重症だったらしいリウムは昨日は一日寝ていたようだが、今日はもう窓の外からやって来ており 流石のローラも人として心配にはなってしまうのだった。 しかしリウムは難しい顔をしたままだ。 「先輩だった」 「…あ?」 「先輩に呼び出されて行ったらフレスベルグに襲われて …で、先輩が助けに来た」 リウムの発言にローラは、何故自分にそんな事を言うのかと呆れてしまう。 そして、仕方なく読んでいた量子力学の本を閉じたのだった。 「噂されているように…婚約者殿がお前の才能に嫉妬したってことか?」 「…分からない…けど、どっちかの先輩はニセモノだったと思う…」 「ニセモノ…?」 「多分…僕を騙した方の先輩は、先輩じゃなかった」 「はぁ?」 まるで意味がわからない事を言うリウムは、大怪我で頭の方もおかしくなっているのかもしれないとローラはつい観察してしまう。 しかしリウムは至って真面目な顔で腕を組んだまま考えるように俯いている。

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