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天使を取り巻く混沌 5
「……僕は疎通の魔法も、記憶の魔法もちゃんと持ってない…
だからずっと幻聴だと思ってたんだけど…もしかすると“あちらの存在”…、だったりするのかな…って…」
窓枠に何処か項垂れるように座っているリウムにローラは椅子から立ち上がり彼に近付いた。
「精霊と口を聞いたのか?」
「…精霊かどうかは分からないけど……」
「……なんて言われたんだ」
「……」
リウムは俯いたまま答えず、ローラはため息を溢しながら頭を掻いた。
「俺は確かに人より見えすぎているが、別の次元まで詳細に見えはしないし見えたとしても干渉できるわけじゃない。
そもそも人間が精霊やらとの領域に故意に近付くことは原則出来ず、接触ができるとすればあちらからのコンタクトを待つしかない。
…精霊を呼ぶのも“儀式”が必要だ。魔力の数値を一定数に上げる必要がある。」
「…僕の魔力の数値がそう、ってこと?」
「……数値、なのかは分からないが…お前が何らかの周波数を発している可能性はあるな。
お前の“構われる体質”が、あちらの存在にも作用しているのかもしれない…
別の言い方をすれば、お前は“見つけやすい”のかもな…」
リウムの取り巻く雰囲気は編入当初より少しずつ変わってきていて
それは良い意味でも悪い意味でも、だった。
魔法を学んだり触れ合ったりすることで、潜在的な能力がより際立ってきているのかもしれない。
ローラは思考していたが、やはり疑問が膨らんできてしまう。
「そもそも何故俺にそんな話をするんだ」
「……別に…でも、相談するならサンちゃんだ、って…なんか思っちゃうんだよね…」
リウムは包帯の巻き付かれている自らの手を見下ろしながら、いつもよりも随分と弱気な声を溢している。
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