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可愛くない子 1
ハートン学園の校長は、現在ウィリンスの大叔父であるウロレヴァが務めていた。
ウィリンスの父親であるハートン侯爵は数年前に重い病に臥せってしまい、学園の運営は困難となり現在の校長へと後を引き継いだ。
本来であれば息子に引き継がれる事ではあるが、非魔法人であるウィリンスには侯爵の称号もその責務である学園の校長も継承権を与えられていなかった。
継承権はウィリンスの弟ウィストが持っているが、彼はまだ若く未熟という事で元々理事長を務めていた大叔父が校長を引き継いでくれたのだった。
ウィストは次期ハートン侯爵筆頭でありながら、自由奔放な性格をしており
魔法は優れていたがそれ故に勉学に励んだことなど一度もないような男だった。
家にいない事が多く、それは今も続いていて
本来ならば次期校長としてそして次期ハートン侯爵としても学園の運営に関わるべきだし、本当は理事長だって弟がやるべき事だったが
面倒な事は兄貴がやってくれよ、とウィリンスに押し付けて、今どこにいるのか誰も所在を掴めていない。
ウロレヴァもなかなかの高齢で、ウィストにはそろそろ家を継ぐ準備に入ってほしいと誰しもが思っているが彼はまるで我関せずで
だからと言ってウィリンスに全てが託されることもなく、ハートン家はやや焦りのような最悪の空気に包まれていて
それが学園にも少しずつ伝染して来そうだった。
せめて生徒達には気を遣わせまいとウィリンスも校長も尽力はしているが、貴族の子息ばかりの学園ではそうもいかないのかもしれない。
時々生徒達からも懸念の声が聞こえてくる始末だった。
「あー…終わった……」
パーティでの後処理やエルメーザ達の対応へのこざこざをどうにか終えて、ウィリンスは理事長室で天井を仰いでいた。
睡眠どころか食事もとれないまま、もうすっかり昼を過ぎ、おやつの時間も過ぎているぐらいだった。
パーティの後からほとんどまともな人間生活が出来ていなかったが、あまり食欲も湧かなくて、ついついぼうっとなってしまう。
全部投げ出したいような気持ちが沸き起こって来て、直ぐに自分がこんなややこしい立場でなければ、と己を呪ってしまう。
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