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可愛くない子 4
「この学園に、か。或いはお前に、なのかもしれん。
いずれにせよ少し考えた方がいい」
妙に落ち着いた声と喋り方と堂々としたその態度には、本当に一年生なのだろうかと疑ってしまうくらいだった。
彼の発言の真意はよく分からず、だけど揶揄っているようにも感じないし、なんだか不思議な感覚でウィリンスは眉根を寄せる。
「妙なものって?」
「さぁな…そこまではまだ分からん。
あちらの存在か、或いは人為的な何かか…“両方”か…」
ローラは腕を組んだまま少し上の方を見上げて呟いている。
それは何もない空間だったが、
彼には何か見えていたりするのだろうかとウィリンスは少々恐ろしくなってしまう。
魔法の事を学びはしたが結局の所それがどんなものなのかを実感することはできない。
自分にはない感覚や力、それを持っている魔法使いの事を結局何も分かっていないも同然なのだ。
「…そう。ご忠告どうもありがとう…
僕には何のことかさっぱり分からないけどね」
ウィリンスがつい諦めたように言ってしまうと、ローラは眉根を寄せている。
「他人事のように言うんだな」
「僕には結局…“魔法”なんてよくわからないからね…」
「……魔法を持っているかどうか、なんてさして問題じゃない
向き合うかどうか、だ」
ローラの言葉に思わず両手を握りしめてしまうけど、ウィリンスはすぐにため息と共に沸き起こった感情を無かったことにしようとした。
「僕に説教ですか?」
「そう聞こえたのなら自分でも分かっているということじゃないか」
「…もう。用件が済んだのならさっさと出て行ってもらえるかな?
先生は忙しいのです。
学生らしく宿題でもおやんなさい」
ウィリンスはローラを部屋から追い出すと、どっと疲れを思い出して大きく息を吐き出してしまう。
「……なんて可愛くない子…」
貴族のくせに非魔法人というだけで、舐めた口を聞いてくる生徒も少なくは無かったが
まるで父親のように説教をされたのは初めてだった。
この前学園に入ってきたばかりの一年生に何故あんな事を言われなければならないというのだろう、と嘆きたくなるのを堪え
ウィリンスは両手で顔を覆って、メンタルリセットに取り掛かるのだった。
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