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悪いこと 1
「ちょっとーおーい!また勝手に落ち込まないでよぉ」
リウムに肩を叩かれて、エルメーザは自分が深く思考に入っていることに気付き顔を上げた。
彼は呆れたように眉を下げて、エルメーザの身体を引っ張って無理矢理向かい合わせの状態に持ち込んでいる。
「そんなに僕に好意的に思われてるのが嫌なわけぇ?」
「…そうじゃない…、ただ…好きとか…よく、わからないんだ…
だから…」
「もぉーそんなに考え込むことじゃないんだってばぁ
好きとか嫌いとかfeelingじゃん?」
「ふぃーりんぐ……」
「feelingね」
なぜか発音を直されてしまい、エルメーザは眉根を寄せる。
リウムはいつも意味がわからない事ばかりを一方的に喋っていて、その度にエルメーザは意味を考えて黙ってしまうのだ。
「考えるより感じろってこと」
しかし、リウムに考えるなと言われてしまいエルメーザはますます意味がわからなくなって無言のまま彼をじとっと見つめてしまった。
リウムはそれに対してケラケラと笑いながら、両手でエルメーザの頬に触れてくる。
「しょうがないなぁーほんとに。
いい気持ちするか嫌な気持ちになるかって事だよぉ」
「それが…ふぃーりんぐ?」
「うーんそうだね。…じゃあ例えば…僕に触られてて嫌?」
「嫌……ではない…」
平気で顔にベタベタ触られることなんて今までほとんどなかった。
顔以外だって触られたことはなかったけど、リウムは断りもなくエルメーザの頬をこねくり回して顔を近付けてきては
ちゅ、と唇に唇を軽く重ねた。
「キスは嫌?」
「………嫌ではないな…何回も、してるし…」
「ふふ」
リウムは目を細めて微笑むとエルメーザの身体をベッドの上に倒して上に乗るようにしてくる。
何故だか抵抗できなくて、エルメーザは呆然とリウムを見上げた。
「じゃあ、好きかもってことだねぇ?」
金色の瞳は美しく輝いていて、そのどこか蠱惑的な輝きには何故だかいつも逆らえなくなってしまうのだ。
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