63 / 69
悪いこと 7
「はぁ…」
ようやく唇が離れると、リウムは自分の唇を舐めながら目を細めている。
エルメーザはあがった息を整えようと肩で呼吸をしてしまっていた。
「あはは…エルメーザってそんな顔できるんだぁ…?」
リウムは何故か小さく笑いながら、エルメーザの顎の下を撫で始める。
ただ触られているだけなのに彼の指先の感触が妙に印象的に感じてしまって、変な声が出そうでエルメーザは思わず唇を噛んでしまった。
「悪くないじゃん」
リウムはそう言いながらも再び顔を近付けてきた。
反射的に目を閉じてしまうと、ねえ、と掠れた声に呼ばれて
ただそれだけのことなのに身体の内側がじわっと熱を持ってしまうのだ。
「…舌、出して」
次期皇帝がそんなはしたない真似できるかと怒った方がいいのだろうか、という迷いよりも先に
エルメーザは言われた通りに舌を出してしまっていた。
「ふふ。いいなりだね」
頭を撫でられると、ぽわっと身体が軽くなったような妙な感覚に陥って
その正体を突き止める暇もなく、突き出した舌に柔らかな何かが触れた。
それはリウムの唇で、先程とは逆に彼の口腔にエルメーザの舌が迎え入れられていったのだ。
彼の口腔は何だか小さくて狭くて、だけど暖かくて濡れていて。
リウムはエルメーザの胸ぐらを掴むようにして身体を密着させ、後ろ向きに倒れていくので
2人は唇をくっつけたままベッドに倒れ込んでしまった。
「ん…、…」
リウムの身体を潰してしまわないように両肘をベッドにつきながらも、何故そんな事をしたいのかもわからないまま
先程リウムがしていたように、彼の口を舐め回してみた。
お互いの舌を絡めて、そのなんとも言えない感触を味わっていると
彼は舌を軽く吸ったりして、その度にぞわぞわと背中に感じたこともないような熱が走るのだ。
「ぅん……じょうず…」
エルメーザの唇を食むようにしながらリウムは小さく呟いた。
いつもと違って小さくて掠れている声だった。
ともだちにシェアしよう!

