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ひねくれさん 2

「……なんだよ…うるせぇな……」 掠れた声で生意気な口を叩かれ、ウィリンスは呆れ果てて怒る気も失せてしまうのだ。 「……サンイヴンくん…ここをなんだと思ってるのかね…」 「ハートン学園の理事長サマの部屋だろ…」 「いいや。君はただのお昼寝スポットだと思っているのでは?」 「しょうがねえだろ…ここしか静かに寝られる所ないんだ…」 ハートン学園の一年生であるサンイヴン・ローラはソファに横たわったまま掠れた声でボソボソと喋り、寝返りを打つように背を向けてしまった。 懐かれてしまったのか舐められているのか、ローラは度々ここへやって来ては勝手にソファで寝こけている始末である。 来客用に置いてあるソファはそれなりに良いものではあるが、結構古いものだし寝るにしては狭い気もするし それ以前にここは理事長室なのである。 一介の生徒であるローラは怯える事もなく我が物顔で寝転がっており、 ウィリンスは優しく諭していてはダメなのだろうかと教育の難しさを痛感するのであった。 「こら、二度寝しないよ!起きなさいってば」 「あと10分…いや、30分寝かせてくれ…… 昨日は一睡も出来なかったんだ…」 ローラの背に触れて無理矢理起こそうとするが、微動だにしない。 どうやら彼はルームメイトに問題を抱えているらしく、睡眠を妨害されてばかりなのだという。 「君が大変なのは分かるし、すまないとは思っているけど…」 「だったらソファの一つや二つ貸してくれてもいいだろ…セックスするわけじゃないんだ……」 「あのねえ」 「……あいつら…この休み中もずっと一緒にいたはずなんだ… それなのに、だ…!多少は落ち着いたかと思いきや戻ってくるや否やだぞ……!?」 ローラはボソボソと喋りながらもだんだん思い出して腹が立って来たのか、ソファの上を転がるように寝返りを打ちウィリンスを何故か睨んでくる。 「どんだけ盛れば気が済むんだ!?バカなのか…!?」 「僕に言われましても……」 どうやら彼のルームメイト達の情事は只事ではないらしく、若干血走った目で睨まれるとウィリンスは諦めたくなってしまうのだった。 部屋替えをしてやりたい所だったが、今の寮事情では難しそうである。 ただでさえ先日皇帝家の問題で色々あって、レンシアの所在をどうするかと頭を悩ませた所である。 リチャーデルクス侯爵が寛大でなければもっと悩んだ事になっただろう。

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