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ひねくれさん 3

「はぁ…思い出したら気持ち悪くなって来た…」 ローラはどこか青ざめた顔をしながらもよぼよぼと起き上がり、両手で顔を覆っている。 「可哀想だとは思ってるけど、君だけ特別扱いするわけにはいかないよ」 「は…これの何処が特別扱いなんだ? そう思うんだったらそうじゃなくせば良いだけの話だろ」 「どういうこと?」 「ほかにもここで寝たいと言う奴がいれば寝かしてやれば良い。 そしたら俺が特別じゃなくなるだろ」 「………君は屁理屈だけは特待生のようだね…」 めちゃくちゃな事を言いながらローラは今度は腕と足を組んだまま背もたれにもたれ掛かって目を閉じ始めている。 いつも彼の顔についている分厚い眼鏡は、ソファの前に設置されたテーブルの上に投げ出されている。 生徒にこんなに懐かれる事なんて今まで無かったので、どう対処すべきか分からないというのが正直な所だった。 陰口を叩かれていたりバカにされるような事はあっても、ローラのように堂々と舐めた口を聞かれた事もなかったし 立場もあるし一応上位貴族ではあるので遠巻きにされている事の方が多いのだ。 彼の言うように誰でも理事長室へおいでと触れ回ったところできっと誰も来たがらないだろう。 ウィリンスはもう諦めてしまって、ローラを放っておいて自分の机へと向かった。 ジャケットを脱いで、コートスタンドに引っ掛けて椅子へと腰を下ろす。 結局ローラにはいつもこうやって何かと言いくるめられてしまう。 それが何故かそこまで腹も立たないのが不思議なところではあるのだが。 「……エルたんが婚約し直した話は知っているか?」 「エルたん?」 「スカイ・エルメーザだ」 「殿下のことエルたんって呼んでるの……?」 ローラは目を閉じたまま何故か雑談をけしかけてくるし、エルメーザ殿下をファンシーなあだ名で呼んでいる様子には 魔法使いだからとかいうのを抜きにしても人種が違いすぎると若者に恐れをなしてしまうウィリンスだった。

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