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ひねくれさん 6
「誰かが、わざと騒ぎを起こしてるって言いたいの?」
「あくまで可能性の話だ。だから考えろと言っているだろ」
そう言われると無視もできなくなるが、精霊騒ぎの件は教師達とも協議済みで
“テスト前あるある”だと片付いていた。
確かに今年は例年に比べて多かったようだが、次期皇帝やら歴代最高数値を誇る生徒も何人か出ているので
それらによる切磋琢磨なのではというのが教師達の見解だった。
「分かったよ…そこまで言うなら気を付けておくけど
先生達だってちゃんと分かっていらっしゃると思うよ。
何かあったら報告してくれると思うけど、今の所そんな風に仰られている方は君しかいないわけだ」
「人数が多い事が正しいとは限らない」
「ああいえばこういう……」
「…この学園の理事長は“お前”だろウィリンス…お前がどう考えるかって話だよ…」
ローラは腕を組んだまま片目を開けてウィリンスを睨んだ。
その強い声に、ウィリンスは思わず言葉に詰まらせてしまった。
そんなことを言われたって、魔法のことなんて完璧に理解出来るわけがない自分には、何も出来ないのに、と。
「…そうだよ…、残念ながらね…」
正当な後継者である弟であれば、彼の助言の意味も分かるのだろうか。
寧ろ助言なんかされなくたって、分かっただろうか。
そもそもこんな事にいちいち翻弄されてすらいないのかもしれないし、こんな風に舐めた口を聞かれることもなかったかもしれない。
ウィリンスは居た堪れなくなって椅子から立ち上がった。
「僕がここに座ってる事に不満があるのはよく分かったよ…
僕だって好きでここにいるわけじゃない」
「…はぁ…?」
「でも理事長なんてただの肩書きで…
本当はただの雑用係だし、面倒ごと押し付けられ屋さんだし、
何の権限も決定権もない。
この部屋から君を追い出す権利も無いんだろうからね」
「何を言って…、おい…」
ウィリンスはそれ以上口を聞きたくなくてさっさと部屋を出て行った。
たかだか一生徒に何故こんなにも追い詰められなければならないというのだろう。
だけどたかだか一生徒とは言え魔法使いだ。
この国では、魔法を授かった人間の方が力を持っていて
年齢も知識も経験も家柄も、才能ある魔法使いの前では無意味になる事が多い。
ウィリンスは泣き出しそうな自分を必死に抑え込みながら大股に廊下を歩き、
1人になれる場所を探すのだった。
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