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正しい選択の弊害 1
ローラはため息を溢しながら、
ローブのポケットに手を突っ込み背中を丸めて寮までの長い道のりを歩いていた。
どうやらウィリンスの地雷を踏み抜いてしまったようで、
彼はそれっきり理事長室には戻ってこなかった。
ローラは、自分の両親も相当な陰キャで根暗な人間だと思っていたが、あんなに捻くれ上がった人間は初めてだと困惑でもあった。
産まれただけで全国民にマウントを取れる家に産まれたせいで、ウィリンスの自信とか自尊心といったものはズタボロに叩き折られているのかもしれないが。
「はぁ…全く…」
何故自分がこんなに彼のことで凹みかけているのかが謎で非常に腹正しくなって、ローラはもう考えるのはやめにする事にした。
プロの預言者や占い師であっても出来ることなんてせいぜい助言することくらいで
他人に道を指し示すのも決定してやる事もしてはならないのだ。
そもそも正当性以前にたかが一生徒の子どもの意見なんて、
聞き入れて貰えるわけがない。
それが歯痒くもあったけど、
ウィリンスもああ見えて上級貴族の生活を30数年もやってこれたので、
あとは自分でなんとかするだろうと思っておく事にした。
「……ん…?」
廊下の奥に誰かが立っているのを見つけ、ローラは顔を上げた。
夕暮れ時を少し過ぎて、薄暗くなっている廊下の奥に一人の生徒が立っていた。
まるで幽霊のように無表情で、その割にローラを待ち構えているように廊下の真ん中に佇んでいる。
金色の髪に、紫色の瞳。
人形のように整った顔立ちは、
真顔のままローラをじっと見つめている。
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