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正しい選択の弊害 2
「…レンしぃ?」
ローラが声をかけても彼は微動だにしなかった。
近付こうとしたが違和感を覚えてローラは足を止める。
確かに長期休みが始まったばかりの頃レンシアは、相当に凹み散らかしていてそんな風に真顔でフリーズしている事もあったが
最近では同室となったイオンのおかげか随分と元気を取り戻しているようだった。
以前は髪も制服も乱れひとつなく完璧にしていたのに、今は伸ばしっぱなしの髪を適当に引っ詰めて
学園内で飼育している幻獣生物や植物の世話を手伝うべく
汚れてもいい服で本当に汚れてきたりしているようだったし。
だけど目の前に立っているレンシアは、以前のように完璧に見えた。
髪は切り揃えられていて、まだ学校も再開していないのに制服に身を包んでいて。
「ローラさん」
小さく口を開いた生徒は、よく知っている声でローラを呼んだ。
しかしローラはどんどん違和感を覚えてしまって、眉根を寄せる。
「レンしぃ…、じゃ…ないよな?」
ローラは以前リウムが言っていたことを思い出していた。
どっちかの先輩はニセモノだった、とそんな風に言っていたことを。
レンシアと同じ顔の存在は、ふ、と微笑んだ。
その笑顔に何故か身体が凍りつくような恐怖を覚え、ローラは思わず後退ってしまった。
「…お前は誰だ…?何故レンしぃのフリをしている…!?」
「ふり?
人間のふりをしているのは私もあいつも変わらない
それに人間は、中身がなんであろうと、さして気にも留めはしないのであろう?」
開き直っているのか、目の前の存在はくすくすと笑いながら片手で顔を覆っている。
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