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正しい選択の弊害 4

ローラはしばらく廊下に頽れたままガタガタと震えていた。 どうにも説明のつかない恐怖で吐きそうだった。 「くそ…っ…だから言ったんだ…! 化け物が入り込んでるじゃないか…!」 廊下を殴りつけながらローラは這いつくばる様にして上体を起こした。 立ち上がろうとしても足に力が入らなくて、段々と視界がぐらぐらと揺れ始める。 「……う……まずい…」 キンキンと頭に嫌な音が響き渡ってくる。 先程の異常な存在の所為か否か、空間の魔粒子が乱れているのかもしれない。 薄暗い、広い廊下が見えているはずなのに 視界が揺れてダブって、変な映像や音が頭の中に流れ込んでくる。 「っ……ハウってやがる…」 叫び声の様な嫌な音が頭の中で谺していて、身体がいうことを聞かなくて まともな思考が出来なくなる。 こんな事になるのはあのパーティの日以来だった。 やっぱり、何かがおかしいらしい。 だけど今はなす術がなく、ローラは混濁とした世界に飲み込まれていった。 「どうしたの!?」 不快な音の向こう側で誰かの声が聞こえている気がした。 目眩のように、絵の具を水で流したみたいにぐちゃぐちゃの視界の中 ローラは自分の身体に触れているらしい何かの物体に無我夢中で手を伸ばした。 「…サンイヴンくん…!しっかりしなさい!」 必死に叫んでいるような声に、ローラは何かを両手で掴んで どうにか必死に顔を上げた。 ぐちゃぐちゃの視界の中に、誰かの顔が見えてくる。 今現在ではない映像とダブって見えるその顔を凝視するが、全然認識ができなくてローラは肩で息をしながら目を細めた。 「何があったの!?」 「気持ち…悪い……」 「……え?」 「吐く……」 ローラはそれだけをかろうじて伝えると、 頭の中に流れ込んでくる情報に押し潰されるようにそのまま意識を手放してしまった。

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