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持って生まれた性質 1
『魔法使いというのは、お前が考えている以上に繊細なのだ』
幼い頃から弟は、自分で引き起こしたくせに癇癪を起こして手が付けられなくなるような大変な存在だった。
一族は総出で手を焼いていて、今もそうだ。
そんな弟に複雑な想いを抱いていたウィリンスに対して、父はそう言っていた。
それを何故か今思い出してしまった。
「……はぁ…」
今日はなんだか散々だったとウィリンスは呆然と考える他なかった。
明日から学園が再開してしまうというのに頭も心もぐちゃぐちゃに掻き乱れている。
その主な原因が、医務室のベッドの上に横たわっている。
昼間も彼は理事長室で我が物顔で横たわっていて、今はどこか青ざめた寝顔を天井に晒しているのだ。
「生徒にゲロ吐かれるって幼稚園でしか聞かないけどねぇ…」
医務員は半笑いで呟いており、ウィリンスは再びため息を溢した。
頭を冷やして理事長室に戻っていたら、廊下で倒れているローラを発見し何故か彼は嘔吐すると気絶してしまったのだ。
自分がまともに話を聞かなかった報復だろうかとすら思ってしまうが、それにしてももっと他のやり方があるような気がするので恐らくは本気なのだろう。
だけど本気にしても意味がわからなさすぎて全然ついていけないのである。
「……こんな子初めてだよ…」
「まぁハイブランドのスーツで吐瀉物を受け止める人もどうかと思うよぉ?」
「そういう意味ではなくてだね…」
ウィリンスも別に受け止めたくて受け止めたわけではなかった。
一応着替えはしたものの、そこそこ値段のするスーツだったので惜しいようななんだかもうどうでもいいような
最早疲れすぎていてウィリンスはただただ項垂れてしまうのだった。
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