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夏休み明け 3
「ついこの前まで孤児院にいた人が、急に知識や教養を詰め込まれ…指先の動かし方まで見られるような状況に放り込まれて…
あらゆるコンディションが落ちてしまうのは仕方のないことでしょう」
犬の毛がついたブラシを片手に、レンシアは腕を組んで不満気にしている。
最近のリウムの覇気の無さと言ったら目も当てられないし、それ故に彼は言われたい放題になっているようだった。
見てくれや仕草の一つ一つをいちいち監視されているような立場で仕方がないとはいえ、
一番それを言ってもいいようなレンシアが、唯一リウムの為に怒っているのが不思議で
ローラはついレンシアをおもしれー男と思ってしまい口元が緩んでしまう。
「ふ…」
「なんですか?」
「いや…別に。元気になったなぁと思ってな」
長期休みが始まったばかりの時は死にそうな顔をしていたのに、
今はある意味では皇帝家も目もくれないようになっているレンシアだった。
以前は彼が言っているように指先まで完璧な次期皇帝の婚約者だったのが、
今は“よごれてもいいふく”で獣の毛だらけになっているのに
レンシアの高貴さは全然損なわれていないし、寧ろより気高くなっているようにも見える。
彼に惚れ過ぎて会社まで興してしまった男の存在がそうさせているのかもしれないけど。
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