95 / 98

お前はどうしたいんだ? 3

「エルメーザくん……」 急に声が飛び込んできて、エルメーザはハッとなり顔を上げた。 部屋の中にイヴィトとローラの姿があった。 彼らが来た事に全く気が付けなかった。自分がそれだけ参っているのだろうと思うと情けなくて仕方がなくて エルメーザは再び俯いた。 「…すまない……気が付かなかった…」 「リウムは…どう…?」 「……分からない…呼びかけにも応じないし… 火傷以外には…特に異常もないようだ…」 学園の医務員であるアニーフ以外にも皇帝家お抱えの医者が見に来たが、原因は特定されなかった。 とりあえず命に別状はないとの事だったが、“精霊”絡みだと大変に不味いとの事で今頃は皇帝家直属の魔法使い達は会議を開いている事だろう。 それはリウムがどうなるかでは無く、 メディアに嗅ぎつけられないことや、その事をどう隠蔽するかとか、発表するとして誰の所為にするかと言ったような事なのだ。 世間の目を気にしなければならない事は理解出来るものの、心底辟易もしてしまっていて エルメーザは、今はリウムの側に居たい、とそちらはそちらで任せてしまっているのだった。 「イオンも同じ状況やと思う…」 「そう…か……」 医務室で話していたのは四人だったが、目が覚めたのはエルメーザとレンシアの二人だけで イオンとリウムは同じような状態らしかった。 「何も見ていないのか?」 「…突然だった…目の前でレンシアが倒れて… 私も急に意識が遠のいた…… だから…レンシアが何かしたわけではないと思うが…」 「まだそんなこと言っとるん?レンシーなわけないやろ 食堂でもリウムの事一番庇っとったのはレンシーやで」 「そう…なのか……?」 イヴィトの言葉に、エルメーザは掻き消えそうな声を出しながら 人形のように横たわっているリウムを見下ろした。

ともだちにシェアしよう!