99 / 107
全ての魔法使いは、友達のために 1
涙でぼやけた視界の中、エルメーザはされるがままにローラに睨みつけられていた。
眼鏡のないローラの瞳は濃紺に輝いている。
ブラックホールみたいに、嫌でも吸い込まれていきそうで恐ろしささえ感じていると
ローラはエルメーザの両肩をガッチリと掴んで逃げられなくさせてくる。
「リスクを取れ」
はっきりとしたローラの声にエルメーザは思わず目を開いてしまう。
「“外側”は無限だ。“決定権”を“外側”に委託すれば
無限の答えの中を彷徨う事になる。
この世界に無限でないものは二つしかない。
“死”と“お前”だ。」
「迷いのない決定は有限から齎される。
外側にある“死”そして“お前”。
どちらもリスクを伴う。だが迷いは消える。」
「見極めろ、スカイ・エルメーザ
お前が選ぶんだ」
時間が止まっていたようだった。
はっきりとしたその声は直接頭に響いているかのようで、
エルメーザはただただその宇宙のような瞳に吸い込まれかけているのだった。
やがてローラの顔は離れていって、
彼はどこか疲れたようにフードを目深く被りリウムのベッドに勝手に腰掛けた。
ともだちにシェアしよう!

