100 / 107

全ての魔法使いは、友達のために 2

「……はぁ…本来なら60…いや80万は請求したい所だな」 ローラは眼鏡を掛け直し、深く息を吐き出している。 イヴィトもきょとんとしているし、一体何が起こったというのだろう。 「…一体…何を…?」 「“神託”を授けた。かつては皇帝も傅いた力だぞ? 初代皇帝は、妾よりも預言者と二人きりで会う時間の方が長かったそうだからなぁ」 深くフードを被っていたがローラの口元はニヤリと笑っている。 「めちゃくちゃガン付けてたようにしか見えへんかったけど…」 「“神託”は授けられる本人にしか聴こえないことだ。俺にだってわからん」 エルメーザは、ローラが自分の為に貴重な力を使ってくれたのだと気付くと 不思議と先程まで濁っていた視界がだんだんクリアになって来ている感じがするのだった。 「俺にはこれくらいしかできん。 …あとは自分でどうにかするんだな」 ローラは足と腕を組んだまま我が物顔でリウムのベッドに腰掛けている。 彼の言葉に、エルメーザは小さく頷いた。 「……ありがとう…」 「ふん。全ての魔法使いは皇帝(トモダチ)のために、だろ?」 イヴィトは何故かくすくすと笑っていてローラの頭をぽんぽんと撫でている。 「ローラはなんもかんも興味ないみたいな顔して実は世話焼きやんなー?」 「…別に…お前ほどじゃない」 「でもまぁ…そうやな、なんかあったら相談しいや?エルメーザくん 俺ら誰にも言わんし。一人で抱え込まんでええんやで 今みたいに愚痴るのだって時には必要や思うで?」 イヴィトは心配そうにエルメーザを見下ろしながら両手で頬を包んでくる。 子どもにするみたいな仕草で頬の涙を拭われ始めるが、エルメーザは跳ね除ける気力もなくて彼を見上げてしまう。

ともだちにシェアしよう!