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魔法じゃないもの 2
理事長室に戻る途中、ウィリンスは廊下でローラと鉢合わせてしまった。
彼は、ほれみたことか、という表情で腕を組んでいる。
「……君の言った通りになって満足かい」
「まさか俺のことを疑っているのか?冗談じゃない」
ウィリンスがつい疲れた頭で呟いてしまうと、ローラは呆れたように目を開いている。
「ウィリンス…お前が捻くれすぎていることも、さぞかしお疲れで脳に酸素が行き渡って居ないことも理解できているつもりだが…
口に出す言葉は少しくらい精査してからにしろ…」
まるで老人のような説教をしてくるローラに、ウィリンスはため息を溢しながら
確かに生徒に当たり散らしてしまい大人気なかったかと凹んでしまうのだった。
「…君の忠告を聞かなかったのは…申し訳なかったよ……
結果的に君も、君の友人達も危険な目に合わせてしまった…
食堂での件も人為的なもののようだし…
今国全体が…政治的に混乱しているとはいえ……」
廊下の窓に近付いて、窓枠に手をつきながらウィリンスは項垂れるように呟いた。
学園内は聖域として、国の問題や政治や家の確執などからは一線引いておくべきだとウィリンスは考えて居たし
それは校長である大叔父も、そして初代ハートン侯爵も信念としていた事だった。
次期皇帝や上位貴族達がそう言ったことを一切切り離して肩を並べて勉学に励むのは確かに難しいことではあるのかもしれない。
だけど、だからといってこんな風な事件に発展していくほど放置していい事ではないのだ。
ローラの言った“何かが入り込もうとしている”というのも、
こういった思想やヘイト、だったのかもしれないと
もう少しフラットな目で考えるべきだったのかもと
少し反省してしまうウィリンスだった。
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