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魔法じゃないもの 3

「ふん…別に俺に謝る必要はないさ。 話を聞くも聞かないも、活かすも殺すも本人次第だろ。 俺は“預言を齧っている者”として、 何が予想できても可能性を提示することしかできないし、提示した時点で役目は終了していると理解しているつもりだ」 ローラはウィリンスの隣へやってきた。 夕暮れ色の光が分厚いレンズに反射している。 「…何を言うかよりも誰が言っているか、という事はよくある人間の心理だ。 子どもだからどうせ嘘だろうとか、庶民だからまともに取り合わなくてもいいだろうとか 予想の魔法が一位能力だからどうせ下らない占いやインチキだろう、とかな。 逆もあるぞ?十家が言っていることなら間違いない…、とか 皇帝家の人間が弱音を吐くわけない、とかか?」 「……」 「はっ。人間はくだらねえ生き物だよ 大人だろうが子どもだろうが魔法使いだろうが貴族だろうがな 毎日せせこましく生きて偏見をコレクションしてそれを見せびらかしている事が“自分を保つこと”なんだと思ってるんだからな」 腕を組みながらもローラは笑っていて、ウィリンスは思わず彼の顔をじっと見つめてしまった。 「サンイヴンくん…どうして精霊絡みで何かが起こるってわかったの?」 「…分かっていたわけじゃないさ。 前にも言ったろ?精霊絡みの事件が頻発していて、それが偶然とは言い難いほどの確率だったら人為的なものを疑った方がいいと。これは極めて現実的な目線だろ? 俺は占いを“齧っている”から統計や確率の計算に対して人よりも思考回数が多いらしいからな。 ただそれだけだ」

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