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3章(8)
「っ、あ……はぁ、ん……や、あ…」
キスをしながら、身体中至る所を触られては舐められた。
すっかり身体は熱を持ってしっとりと汗ばみ、アルフレッドの指先や吐息が掠めるだけで小さくも跳ねて反応を返してしまうほどに高められている。
小さな頭を覆っていた布は既になく、まるで秘めた部分を見られたかのような羞恥に襲われた。
自分の肌でもないのに、露わにされた宝石に口づけられ舌を這わされると背筋がぞくぞくと震えるほどの快感が這い上がってくる。
内側から昇ってくる感覚だった。
自分で触れてもそんなこと一度もなかったのに、アルフレッドに触れられて舌で愛撫されるとまるで、性感帯を弄られているような感覚に落とされるのだ。
そんな風に反応する自分が恥ずかしくて、思わず自分の腕を交差させるようにして額のそれを覆い隠した。
「隠すんじゃない……俺には全て見せろと言ったはずだ」
すぐにアルフレッドの手に掴まれて、頭の上で亜麻布に押し付けられてしまう。
与えられる快楽にすっかり溺れ始めた顔までも正面から見られてしまい、どうにか誤魔化そうとノアは顔を少しばかり横向けてアルフレッドの視線から逃れようとする。
「あ、ああ、ぅ…で、も……っ」
「でも?」
「んっ、へ、変に、な……っあ、声、」
「良い。聞かせてごらん」
小さく笑み、アルフレッドは濡れたノアの前髪を撫で上げ、汗ばんだ額に口づける。
それから、性的刺激を受けていやらしく硬くなった胸の飾りへと指が移動して、ほんの少し強く摘まれる。胸を触られて、散々指を挿れて慣らされた所からとろとろと蜜のような体液が溢れるのを感じて膝を擦り合わせるものの、アルフレッドに押さえ込まれ阻まれてしまった。
「や、やだ、あっ、…さきっぽ……ふうあっ、とがっ、ちゃ…っ」
「そんなことを言うのがかわいいな、もうこんなに勃っているというのに」
「あっ、はあ…ふ」
手のひらで胸全体の薄い肌をひと撫でしてから、美しく整った顔を寄せられる。熱を含んだ吐息が掠めたかと思えばすぐに、綺麗な唇を重ねられた。舌が吸い付いて、小さな乳首の形に沿ってぬるりとなぞられ、ノアが小さく嬌声を漏らす度に甘く噛んで簡単に身体を跳ねさせる子どもをどんどん追い詰めていく。
「ン、んん…っ、ぁ、あつ、ぅ…い…っ」
息が上がって苦しい。それでも刺激を受けてもたらされる感覚は気持ち良い。
舌の腹で突起を押し潰され、また吸い上げられてツン、と勃たせられてしまう。無意識に胸を押しつけるように浮かせては更なる快感を欲しがった。二本の指で挟まれて摘まれた片方の乳首も気持ち良くて、ノアの目尻に涙が溜まっては滴り落ちていく。
「んぁ……」
繊細さと大胆さを持ち合わせた大人の男の手に翻弄される。胸を弄っていた指はそこから下腹部までなぞっていき、脇腹や腰をくすぐってくるものだからノアは身を捩らせた。
どうして、アルフレッドにこうして身体を許してしまうのか分からないというのに、今のノアにそれを考えている余裕は全くなかった。拒絶するという選択肢はとうに失われている。
口づけを深められながら身体を触られて、愛撫され始めてから抵抗もしたはずだが、アルフレッドに触られて魅惑的な声で囁かれると少しでもあるはずの冷静な思考は崩されていってしまう。それがアルファとオメガであるがゆえだということに、何も知らないノアだけは気づけるはずがなかった。
「あっ、あ……ンっ」
二本の指を濡れた後孔から挿れられて、中の粘膜の壁がヒクヒクと震え、粘ついた感触へ変化していった愛液が更に垂れ落ちてくる。
溢れ出た体液を指に絡めてはまた奥まで挿れて、抜いてと繰り返され粘膜の壁はいやらしく波打った。
具合を確かめるように中で折り曲げた指に腹側を押されたり、ぐるりと掻き混ぜられてちゅぷちゅぷと淫蕩な音が立ち上る。そんな濡れた音に聴覚を刺激されて更に後孔が恥ずかしい蜜に塗れていった。
「ひう…っ、ぁ、あ」
「こんなに俺の指を濡らして」
「あっ、あッ、い……あぁっ…ん」
硬く張った先端を押し付けられる。
ぬる、と濡れた感触を後孔に感じるものの、散々舌や指で蕩かされた身体はアルフレッドにこそ従順になっており、ノアが意識するよりも早くにそこは綻んでいた。
「ひ、いっ……ン、やあ」
しかしノアの意識はそこまで恐怖心がないわけではない。
初めて身体を重ねた時に伴った苦痛を頭の片隅で思い出して、手近にある白布を掻き毟るように強く掴んで弱々しく悲鳴混じりの声をあげた。そんなノアの小さな手が上から覆ってきたアルフレッドの手にゆっくりと包み込まれる。
「力を抜いて。酷いことはしない」
そのまま力んでいた指を丁寧に割り開かれ、ノアの指と交互に大人の指が入り込んできゅ、と握られる。
寝具の上で指を絡められながら優しい声で言われると、ノアは深く息を吐き出して自覚もないままアルフレッドの言う通りにした。ノアの太腿は期待に震えている。片手で腰を抱かれたかと思うとすぐに引き寄せられて下肢が密着した。
「ん、ん……っ!」
涙に濡れた瞳で今にも押し入ってきそうな男のものを見る。
「あ、はあっ、んんぅ…ッ、ぁ、は、入っ、ちゃ……」
「…泣きそうな声だというのに、期待した目をするなんて器用な奴だ」
「ぅあ…っ、…んんっ!」
淫らな体液で濡れそぼったそこは亀頭の感触を覚えているかのように入り口がひくつく。つぷ、と恥ずかしい音が聞こえたかと思うとすぐに熱く猛った感触が後孔を割り開く感触が背中を上ってきた。
「や、は……っ、ふあ…」
狭路を開かれる少しの苦痛と強烈な圧迫感に、中途半端に開いた唇から頼りない声が漏れ出ていく。それでも初めての挿入時よりも苦痛は断然楽なものになっていて、結合部から感じるじんじんとした熱さに下肢が痺れていくようだった。
「………っ、」
「あっ、あ、……、やぁ…ッ」
無遠慮に入ってくる熱を反射的に拒絶するように締め付けたせいで、アルフレッドが息を詰まらせ眉を寄せたのには気付かないままノアは深く息を吐き出した。
「ん…っ、ふ、あ…は……っ」
唇を唾液で濡らし、内腿を愛液で濡らしながらたどたどしい呼吸を何度も繰り返す度に薄い胸が大きく上下する。
指で痛みを感じなくなるほどまで慣らされはしたものの、全く違う質量に体内を満たされて吐息までも甘く染まっていく。
「ふぅ、あ…おっ、き……んっ、くるし…っ」
「心配しなくても、動いているうちに馴染む」
「んっ、うそ…ひぃ、あッ!」
「前はちゃんと呑み込めただろう?」
「や、ああっ」
反動をつけるようにして更に押し込まれる。
亀頭の段差の部分が後孔の口に引っかかり、浅い所を何度か行き来するように抽送を繰り返されるだけで甘く鋭い刺激が沸き起こった。
雄で犯された中は淫らな体液で奥まで蕩けているというのに、性の経験が圧倒的に少ないせいで窮屈に閉ざされている。
「本当に、狭いな…。いつになったら、全て受け入れられるようになるんだ」
「あ、あ、あっ」
「それが良いと言えば、良いか…」
「いっ、んあ……ッ、アル、フ……っ」
細く途切れ途切れになる嬌声と共にアルフレッドを呼べば、腰を抱かれた。
浅く深く浅く深くといやらしく腰を遣われるとノアの呼吸は更に乱れていく。
「ンっ、ん…ぁ、」
年相応の頼りない身体つきをしたノアの幼い身体をすっぽりと腕に抱き込んで、アルフレッドはその上体を倒した。
更に密着した体温に心臓が痛いほどに跳ねるが気にしていられない。彼が動くと中に埋まった熱も奥まで来てそれどころではなくなってしまうのだ。
呆然とした様子で天井を見上げて、どうにか快感をやり過ごそうとするもののアルフレッドが見逃してくれるはずもなく、勢いよく中を穿たれた。
「あっ、んんぅ、んっ、ん…ッ!」
強く穿たれた衝撃で開いた唇はすぐに覆われて、狙っていたかのように貪られる。
深く唇を重ねられ、逃げていた舌が絡め取られた。
触れ合った瞬間は甘い痺れが走り、それからはもう舌が絡み唾液が混ざるほどアルフレッドのものを銜え込んだ下がヒクンと疼く。キスに反応するように震えてはそれを淫らに締め付け、その先の快楽を強請った。
呼吸まで奪われるほどの激しさで、ノアの頭がくらくらとしてくる頃合いを見計らって唇が離される。
「ふうッ、う……ん、あ、あぁっ」
涙で輪郭が滲む、熱に浮かされた瞳で唇を奪った男を見上げれば、まるで子猫にするように喉元をゆるりとくすぐるように撫でられる。
溢れた唾液が顎先を濡らすが、構うことなく必死になって喘ぎ喘ぎ浅い呼吸を繰り返した。
「ノア…」
「んあっ…、は……あ」
「もう一度」
「う、ん…っ、ん」
もう一度と促されて、自ら顔を上向けてアルフレッドの唇を受け入れた。
自覚なく誘うように唇をうっすらと開けて、ぬろ、とした舌が侵入してくるのにも嫌な気持ちには全くならない。
味なんて何もないはずなのに、アルフレッドの唇も舌も、触れる吐息までも甘く感じた。
うっとりと瞳を閉じながら男の唇や舌を夢中になって舐めたり絡めたりしているうちに、気持ち良くて仕方なくなっていく。
「ん……」
先ほどよりもずっと優しいものだった。
そんなアルフレッドがもっと欲しくて、思わず両脚で自分を穿つ腰を緩く挟むように絡めてしまう。そうすると交接部の淫らな刺激がずっと強く感じられて、ついついノアは膝を擦り合わせた。
「脚を閉じるんじゃない」
「はあっ、あ、あ…ん」
「余分な力は抜いて。そしたらもう少し奥まで突いてやる」
「はぁ、あう、ん…んっ、ふあっ……アルフぅ…」
言葉通り、根元の方まで押し入れられるのを感じる。
濡れて肉棒の形にぴったりと吸い付こうと蠢く粘膜を割り入る太い先端が脈打ち、蜜路を満たす性器全体が膨れるのまで分かった。熱が淫らに脈打つのを感じるとどうしようもないほど自分の中が切なく疼いてきゅうきゅうと締め付けていく。
「気持ち良いよ、ノア」
「ぅん…っ、ふ、あ……あっ、」
言われた途端に胸のあたりがじんわりと温かくなっては心に喜びを伝えてくる。
反応したかのように、後孔からとろりと蜜が垂れ落ちていくのを感じて太腿が震えた。アルフレッドの熱が更に奥まったところまでぬちゅぬちゅと嵌まり込んできて、下腹部から甘ったるい振動が響いてきた。
アルフレッドが腰を進める度にどんどん結合部を濡らす体液が増えてはいやらしく音を立てて、二人が繋がっているのを実感させる。
「口では嫌だと言っておきながら、こんなにも濡らして…」
銜え込んでヒクついている入り口を指先で撫でられる。アルフレッドの綺麗な手指が愛液で濡れたのだと分かって、身体の底からかっ、と熱くなるほどの羞恥心が湧き出てきた。
「んあっ、や…あっ、…ちが、うの…あ……ッ!」
「ここだろう?お前がどこを好んでいるのか、俺はもう覚えてしまったぞ」
「ひ、あ…ッ、はあっ、あぅ……ふ、ん…はぁ…ッ、ある、ふ……」
浅い所を肉棒のカサで引っ掛けるようにして出し入れされ、それから腹側の壁を乱暴なくらいに突かれると呂律が緩慢になるほど甘い痺れが全身に走っていくのだ。
打ち付ける強さはどんどん増していき、大胆になっていく。ぬめりを帯びた粘膜がうねり、全身が熱くなった。
「ぁん…っ、や、やだ、ぃあ…っ」
震える中に性器を擦り付けられて、びくびくと身体を跳ねさせ腰を捩らせた。粘膜の壁を吸い付かせて、全体を締め上げるように淫らに蠕動していることには気付かないまま小さく腰を動かしてしまう。締め付けるほどに密着したものが、どくどくと脈動しているのを強く感じて顔を真っ赤にしながら涙声をあげた。
「あっ、はあっ、……や、ん!」
「良いぞ、気持ちいい」
「ひぃ、ああッ、あっ」
勃起して硬くなった竿の部分が何度も粘膜を往復する。
擦られると次々に溢れる愛液と先走りを混ぜるように腰を揺らして、ぐちゅぐちゅと音を立てながら円を描く。硬く反り返ったものが奥の方を突いてきて、意識が白ばみそうになるのを自覚した。
「やあ…っ、ん…おち、る……っ」
自分がどこかに落ちるような、失墜するような感覚に襲われてノアがぐずる。
どこで気持ち良くなっているのか訳が分からなくて混乱していた。華奢な身体ごと押し上げるほどの強さで突き上げられて、勢いにつられるように甘ったるい嬌声が続く。
「はあっ、あ…んっ、いい……、なか…中、も……だめ…っ」
甘苦しい切なさが胸の中いっぱいにせり上がってくる。
硬く張った亀頭で奥を弄られ犯される感触は特別良かった。腰を浮かせて、息を荒くさせながら意味をなさない言葉交じりに喘ぐ。
淫猥な音を響かせながら混ざり、溢れ出る体液は結合部から滴り落ちては寝具を濡らしていく。
「は…っ、強い感覚は、まだ覚えきれていないか…?」
「中ぁ…せつ、な…も……いやあっ」
「そういう時はイくと言うんだ」
「ん、ん、あ…ふう、あっ、ぃ、……っ?」
「ああ」
優しく微笑まれて胸が高鳴る。それだけで彼のものを銜え込む口がきゅんと竦む。
ヒクヒクと震えた下の口は愛おしそうに男のものを銜えて、泡立つほど激しく動かされた交接部は淫らに白濁の糸を引いていた。
まだ大人になっていないのに、と今更思う。
こんな淫らな行為にのめり込んではいけないはずなのに、今はただ溶け合うような情交に没頭してしまっていた。
「ふあっ、あっ、も……ぃう…っ」
「ちゃんと言ってごらん」
「あ、ひぃ……っ、ん、ンン…!」
淫らな言葉を口にするように促される。
そんなこと理解する間もなく、ノアは背骨が溶けてなくなりそうな熱と快感に全身を震わせた。強烈なほどに腰を打ち付けられては勝手に声が溢れて、欲情しきった吐息が唇の間から出ていく。
「あぁあっ、ん、ふあっ…あ、あ!」
亀頭が奥を突く。狭い路を強引に割り開いて太い陰茎が全て入ってきたかと思うほど強い感覚が襲ってきて、瞼の裏がチカチカと点滅した。臍下がびりびりと痺れて、背筋を甘い電流が駆け上っていく。
「い、……っ、あっ、ぃく、イクっ、の…い、っちゃ…!」
涙に肌を濡らし、頰を赤く染めながら無我夢中な様子で拙い言葉を口にする。
幼い口調で必死に自分の限界を訴えれば、しっかりと抱き込まれたまま更にアルフレッドに覆い被さられて、そのまま唇を奪われた。
行き過ぎた快感が怖くて逃げようとしたノアを、アルフレッドはまるで押さえ込むように強く抱き込んだ。
「ふう、ぅ、ん、んん…ッ」
舌を吸われて絡められながら、奥深くまで押し入るように突き上げられてもうだめだった。体内の粘膜がうねり、その形にぴったりと吸い付いていく。奥まで突かれたかと思えば更にずん、と深いところまで熱が嵌まり込んできて全身が大きく跳ね上がった。
「んっ、んうッ、んんン──……っ!」
目の前が真っ白に塗り潰される。どこにも逃げられない絶頂に叩き落とされて、ノアは悲鳴のような嬌声をあげるものの、はしたない声は全て口内に落ちていった。
「──…っふ、あ…はあ、ぁ……っん…」
唇が離れて銀色の橋が二人を結ぶ。
それを、焦点の合わない瞳でぼんやりと見つめる。
アルフレッドの指先がノアの首に触れた。耳触りの良い音が近くで鳴り、何かが床へ落ちる感覚があったが、ノアにはそれが何か考える余力はなかった。ほんの僅かに、首元が軽くなっていた。
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