37 / 71

5章(7)

いつの間にか、アルフレッドの手で至る所が果汁とクリームやミルクでべたべたにされていて、うっすらと浮かび始めた汗まで甘い香りがするようである。 「はあ……っ、ん…」 口の中を混ぜた指が抜き出され、大きく息を吐き出した。 中途半端に脱がされたものの、肌に衣服が絡み付いていて、赤や橙、黄色の染みがついてもう使い物にならなくなりつつある。きっと高価な素材で作られたもの…しかも、ノアのような少年用のサイズなどそうそう所持していないだろうから、数多くはないだろうに、勿体無い。 「こんな…汚れたら、落ちなくなっちゃう…」 アルフレッドが、果汁で濡れたノアの肘に口づけ、舌を這わせてくる。 そのまま二の腕まで舐められて、甘く噛まれて全身を震わせた。 「や…っ、くすぐ、った…」 「お前が望むなら、新しいものでも用意させる」 「そういう問題じゃ…勿体ないし…」 「それなら何が不満だと?」 「不満じゃな、ぃ、あ…ッ、そんな、とこ……っ」 汗ばんだ剥き出しの項を唇で食まれ、唾液で濡らすように舐められて甘い声をあげる。 そのまま柔らかく吸い付かれたり、舌を這わせたりと繰り返されて、ゾクゾクと背筋を上る感覚に背中を震わせ、色づいた吐息を漏らした。 「んっ、ふあ……」 「甘いな…」 「あっ、あ…ぁ」 首筋に舌が這わされ、肌を舐められながら薄い布一枚の中に手を入れられて、敏感なところを探り当てられる。服の中から、熱を持った手に胸の突起を触られた。 「あっ、あっ、ぃ……あぁッ、ン」 「こんなに反応させて…可愛い子だな」 耳元で囁かれ、もっと触ってほしい、と思う頃には既に親指と人差し指に挟まれて、強めに摘まれて甘痒い刺激が響いてくる。 背後から密着されているから、ノアの反応などアルフレッドには全て筒抜けである。思わず膝をすり合わせて、反応を示したノアを見ていたアルフレッドに唇を奪われた。 「くぅ、ん…ッ、ん…ぅン…っ」 久し振りにキスをされて、胸の内が満たされる。 唇が合わさり、すぐに吐息が触れ合う。湿った息が混ざって、舌が絡んだ。絡まり合うほどに、口内に残った苺やミルクの味が濃くなっていくようで、夢中になって男の舌を貪る。 この時間が一番幸せだと思うほど、気持ちが良くて充足感をもたらすキスをアルフレッドはしてくる。 「ふ、はぁ…っ、ん、ん…!」 くっきりと形がわかるように勃ち上がった胸の先を、く、と引っ張られてはぐにぐにと指先で揉まれて、下腹部がきゅんと竦んだ。 指の腹をゆっくりと擦り付けられて、柔らかな弾力を持った乳首が形を変える。下衣の中で、じんわりと湿ってきたのが感じ取れて、逃げるようにもぞもぞと動くが、すぐにアルフレッドに抱かれて体勢を直されてしまう。 「こら…逃げるんじゃない」 「あ、あ、ぅん…ッ、はふ……」 「気持ち良くしてやるから」 「あっ、あ、ぁッ」 アルフレッドの声だけで自分の中の何かが刺激されて、唇を震わせた。 指で触られるだけの刺激は気持ち良いのに、どこか切ない。 足りなくて、でもそれを強請ることはまだできなくて、後ろから密着しては拘束しているアルフレッドを涙目で見つめた。 「ぁ……っ」 力が緩んだと思ったすぐ後に、既に波立って皺を刻んだシーツの上で仰向けにされる。 薄い夜着では心許ない。布に覆われていても、アルフレッドに弄られてつん、と尖った乳首の形がよく分かってしまう。上質な、繊細な滑らかさを持った布が擦れて、些細な刺激にも熱が上がるのが分かった。 「は、はあ…っ、ぁ、先っ、ぽ…」 「気持ち良いんだろう。分かっている」 「んん…ッ!」 寝衣を丁寧に剥がされ、肌が露わになる。アルフレッドが首筋、鎖骨、胸、下腹部…と、触れるだけの口付けを施す。その度に、もどかしさに唇が触れた肌を震わせてしまった。胸を愛撫してくれるのかと期待していたせいで、じりじりと焦燥感が募り、胸の内を焦がしていく。 「ひ、あ……ッ!」 思わず、びく、と跳ねた身体を強引に押さえつけられる。 太腿の内側を甘噛みされ、敏感な肌を吸われて声を上擦らせた。ちゅ、と濡れた音が立ち、日に焼けたことのない肌に赤い痕を残されていく。何度もそれを繰り返された。一番刺激が欲しい所のギリギリを責められて、とろとろと蜜が溢れてきているのを感じ、もう我慢ができないところまで追い詰められる。 「あ、あっ…あ」 「好きにさせてもらおうと思ったが…そんな目で見つめられたら、乱暴にするのは気が引けるな」 「あっ…、ふぅ…、ぅんッ」 アルフレッドが微笑を浮かべる。 そのまま後孔に張りついていた下衣まで取り払われて、不安そうに膝を合わせるように足を閉じた。外気に晒されて、湿ったところが涼しく感じられる。どうにか視線から逃れたくて腰を捩らせるが、逆効果であることはノアには分からなかった。汗ばんだ身体を抱きしめようと覆い被さられ、密着した肌が気持ち良い。 「俺のいない夜に、俺の名前くらい呼べばいいものを」 覆いかぶさってきた背中に手を回し、抱き締め返す。 耳元で囁かれた言葉は分かるのに、どうしてそれを言われたのかが分からなくて、乱れた呼吸を繰り返した。 「ん…っ?」 「分からない、か。まあいい」 温もりが少し離れて、何だか寂しく感じる。 アルフレッドの中指が、濡れた後孔へと這わされる。形に沿うように、少し動かすだけでぬちゅ、と粘った音がして、ノアは真っ赤な顔を両手で覆った。 「もうこんなに濡らして」 「ぃ、やあッ、あっ、ふう…ンっ」 耳朶をやんわりと噛みながら、アルフレッドの指が窪みをくすぐるように触れてきて、内腿が期待で引き攣れる。 淫らな反応を指摘されて、一気に羞恥心が襲いくる。自分の身体が、どんどんアルフレッドの手や唇に反応を示すようになっているのを自覚しているから、余計に恥ずかしかった。 「ひ、あっ、…ッ、あっ…アル、フの…っ」 「ん…?」 「あっ、…アルフっ…アルフ、の…せい…っ」 「そういうことにしておこうか」 自分の変化は、アルフレッドによってもたらされているのだ。 ノアは刺激を受けている間にも、懸命に訴えているというのに、はぐらかすように前髪を撫で上げられ、軽く額に口付けられる。 「んっ…!ん、ふ…」 次に唇が重なり、互いの吐息が混ざり合う。 アルフレッドにキスをされると、自分の中の何かが乱暴に引き摺り出される。舌を吸われて、媚びるような息が抜けていき、その間にもアルフレッドが何かを手に取ったのが見えた。 ぬるっとした舌が絡むキスをされて、どんどん粘性を帯びた愛液が溢れてきてしまう。深く口付けるほどに、下の口がひくひくと疼くのを感じる。まるで何かに埋めて欲しそうに、入り口を震わせてはいやらしい蜜を零した。 「は、はあ…っ、ぁ、ん…っ」 しこり勃った乳首を弾いた指が、柔らかくなった後孔を弄る。 「いあぁ…ッ、あ、ふぅ、ぁ…なか、触っ、て…」 「熱いな、本当に…どんどん奥まで入っていく」 「ひあっ、ン! ぁ…そ、こ…っ」 太さの違う中指と薬指を挿れられて、ようやく与えられた刺激がもっと欲しくて、思わず腰を浮かして反応を示した。ゆっくりと付け根まで挿れられて、少し抜いて、としながら手前側を指の腹でくい、と擦るようにされて、甘く鳴いてしまう。 「あっ、あぁ、んっ」 長い指が、的確に弱い箇所を責めてくる。ノアの身体を熟知したアルフレッドの意のままになっていることに気づいてはいたが、今はこれが気持ち良くて止められない。 とろり、と体液とは異なる感触のものが胸や下肢に垂らされて、思わず身体を跳ねさせながらその正体を探ろうと視線を移した。 「やあ、…め…そんな、…ン、」 散々食べさせられたミルククリームが、今度は身体に垂らされては塗り付けられていた。ぬるぬるとした液体が太腿の間を垂れ落ちていき、むず痒いような感覚に甘い声で抗議するが、アルフレッドは笑むだけである。 「好物なら嬉しいだろう?」 「ちが…あっ、んん…ひあッ」 愛液と混ざり合ったものを纏わせ、アルフレッドの指が再び体内に入っては前後する。指の根本まで銜え込んで、味わうように濡れた内壁がねっとりと絡みついていく。そんな収縮を振り切るように奥まで突き入れられて、嬌声ばかりが口から出た。 「あっ……ん、んぅっ…はあ…っ」 アルフレッドの指はとても気持ち良い。 何も知らなかったはずのノアの幼い身体をどこまでも淫靡に染め上げようとする。 舌で舐められ、口内に含まれた乳首を吸われて噛まれて、素直に気持ち良い、気持ち良い、とうわ言のように繰り返した。 「あっ、あ、きも、ち…指、ぃ…あっ、あ、や…ッ」 「そんなに気に入ったか」 「んあっ……ぃ、い…ッ」 爪先にく、と力が入る。絶頂に近づいているのが全身で感じ取れて、快感を得ようと神経が一点に集中する。白くドロドロとした愛液が音を立てて、アルフレッドの指が中の気持ち良いところを引っ掻いた。逃すまいと粘膜の壁を吸い付かせ、奥へと誘っていく。 「ぃ…あぁっ、ん、だ…だめっ、そんな、いっぱ…はあっ、指、ぃ…れちゃ、あっ、あぁ…っ!」 「身体は欲しがっているというのに」 「あっ、あっ、あ…!」 指でぐちゅぐちゅと掻き混ぜられ、天井を指の腹を使いながら擦られて、ノアの指先や唇は小刻みに震える。腰を押し付けるように動かし、良いところに当たるように無意識に淫らなことをして、溢れ出る粘った水音を遠くに聞いた。 「あ、やあっ、ふあ……っ、あぁっ、あ、ぃ…ッ!」 全身に力が入り、汗が浮かび上がってきて、イく、と思ったものの、腰を両手で抱かれ、良いように引き寄せられた。 「はあっ、ぁ、や…っ!なん、で…ぇ…」 狭い中を埋めていた指が抜かれてしまい、途端に寂寥感が襲いくる。後孔はヒクヒクと震え、クリームと混ざった愛液が滴っていく。物欲しそうな顔でアルフレッドを見つめたことには気付かず、奪われた快感を追おうと無意識に手を伸ばす。 「力を抜け」 その手を握ることはなく、アルフレッドはノアの腰を掴み、硬く張った雄を濡れそぼった小さな秘所に押し当ててきた。 「あぁあ──…っ!ひ、や……ッ、は……はぁ、ん…あっ」 そのまま、ノアが何か答えるのを待つこともなく、狭い後孔に挿入をする。狭い入り口を押し開き、ぐぐっ、と入るところまで収められてしまった。 圧迫感を引き連れながら入ってきたものに、ノアは吐息を漏らしながら苦痛を逃し、狭い中がいっぱいに満たされていく充足感に浸る。 「ぁ、は……んん…っ」 「っ……いい表情をするようになったな?」 「や…っ、ぁん」 掠れた声と息が漏れて、熱に浮かされぼんやりとした瞳に涙が滲む。まだアルフレッドのものを全ては含めていないものの、一気に満たされた熱の感触が気持ち良くて、腰を震わせて意味をなさない声ばかりあげていた。 ささやかな絶頂にすら満足したかのように、粘膜を狭まらせては、侵入したものに吸い付き、本能で最奥への吐精を強請る。怒張したそれは、まだ精を吐き出すことはせずに、幼いながらに淫らな中を犯し始めた。 「あぁっ、あッ!ゃ…い……」 腰を揺すられ、奥へ奥へと入ろうとする肉棒にか細い悲鳴が漏れ出る。まだちりっ、とした熱を伴う痛みもあるものの、挿入と共にイかされたせいか、全然嫌にはならなかった。達したせいで、独特の甘苦しい感覚が断続的に響いてくるものの、もっと中まで呑みこみたくて、甘えるようにアルフレッドを見つめる。 「お前は、本当に…」 「は、はあ…っ、ん、アルフ、の…入っ、て…っあ!」 「甘え方が上手だ」 上体を倒し、ノアの身体に覆い被さる。 背中を抱かれて、腰を動かしながら舌を絡めるキスをされて、気持ち良くて堪らなくなってしまう。舌が触れ合うほどに、アルフレッドの肉竿を銜え込んだ後孔が、愛液を垂らしながら吸い付いた。 「ン、ふうぅ、く…ん、んぅっ」 遠慮なく強く穿ち始めたのがわかって、圧迫感と未だ慣れない苦しい感覚に襲われて、ノアが涙を目尻から垂らす。 気持ち良いけど、自分の中をいっぱいにされる感覚に戸惑いを表した。 「ひ、ひさし、ぶり…っ、なのに…あっ!」 「ああ、そうだ…三週間ぶりになる。寝顔だけ見てお前に触れていなかった」 「あッ!んあ…っ、でもっ、他の、人と…」 半ばほどまで一気に進められて、雄を含む悦びに唇が戦慄く。 きっと、ノアと会わなかった間は他の人を相手にしていたのだろう。彼を求める人は大勢いる。ノアはそのうちの一人に過ぎない。 ノアはアルフレッドのことしか知らないのに。 他の人に抱きしめられたことも、キスをされたことも、抱かれたこともないのに。それなのに、アルフレッドは色々な人の身体を知っているのだ。 そう思うと、胸がチクリと痛くなる。どうして痛いのか、よく分からなかった。 「そんなことをしている暇があるなら、帰ってきているさ」 「え…? あっ、んや……!」 エラの張った先端部分が入り口に近い浅い所を擦り上げて、聞きたかったはずの言葉を口に出せなかった。 本当に、他の人とはしていないのだろうか。 嘘だ、そんなはずない。 アルフレッドの言葉に心を掻き乱される。身体の中を支配され、心の内まで囚われてしまう。 苦しくないところまで陰茎を埋めて、そのまま腰を動かすことはなく両手で頰を包まれた。大きくて太い熱に、荒い呼吸を繰り返す度、無意識のうちに内壁を張り付かせていく。 「好きだからだ…ノア。お前を愛しているから、こういうことだってしたいんだ。他の人間では意味はない」 「すき…っ?」 「好きだよ」 浅くなる呼吸をしながら、どうにか聞き返せば、簡単に言葉にされる。 それは、本心? 疑う心も確かにあるはずなのに、身体はすっかり悦んでいるから、気持ちもどんどん引きずられていく。 本当に、好きだから…ここまで、連れて来たのだろうか。あの時の彼の言葉も、自分の気持ちも、本当のものなのだろうか。 「ぼく、……んあッ、はあ…っン」 動きを再開した、奥へ入ろうとするものが気持ち良くて、言葉が途切れ途切れになる。 律動に合わせるように、くぐもった息遣いと肌を打つ音が重なって、ノアは背を仰け反らせた。熱くて苦しいのに、気持ちいい。 「お前の気持ちは、後で聞かせてくれないか」 「う、ふうぅ、あっ、ん…!」 口付けをされ、舌を吸われる。 品のいいとは言えない音を立てながら、何度も唾液を啜り、舌を絡ませた。果物の甘い味が交差する。 その間にも、性急に挿入を深められて、圧迫感にノアが悲鳴を上げた。 「も…っ、ゆっ…くり、し……んあッ」 「もどかしいな。ほら…息を吐いて、力を抜け。全部入らないぞ」 「はあぁっ、う、んっ、ふあっ…!」 アルフレッドの焦れた声が聞こえる。 ノアの声を聞いて、少しだけ待つようにゆるゆると抽送をするものの、隙あらば奥まで挿れようと先端を狭まった蜜路に押し付けていた。慣らすように、ゆっくりと何度も何度も腰を前後され、硬く勃起した肉棒を呑まされる。少し抜かれて挿れられて、と繰り返されたせいで、交接部はぬちゅ…っ、と音を立てながら、白い糸を引くようになっていた。 「あっ、あ……ッ、っ、おっ…き……ひ、広がっ、ちゃ…!」 「お前の中は狭いから、そのくらいがちょうど良いかもしれないな」 「やっ…む、り…ひぃ、ンっ!」 小さく笑みを浮かべながら言われた言葉に、無自覚にかぶりを振った。 「ああ……気持ち良いが、そんなに狭くするんじゃない。奥まで欲しいだろう?」 「ひっ、あ、あぁッ…!胸、触っ、ちゃ…んっ」 ひたひたと、濡れた粘膜の壁を張り付かせて、奥まったところをきつく締め付けてしまい、アルフレッドに宥められる。 肉棒を呑み込んだ、未熟な穴を指がなぞった。 片手が、すっかり勃ち上がった胸の突起を摘んではクニクニと擦り、それだけで粘った体液が溢れ出てくる。与えられる全ての刺激に喘いで、胸を大きく上下させれば、アルフレッドが顔を寄せてきた。 「あっ、ふあ…ッ、ぁ、んあ……っ」 「忘れてしまったか?この前は上手にできただろう…思い出してごらん」 「ん…っ!」 髪を撫でつけられ、間近に見つめられながら優しく言われて、ゆっくりと吐息を漏らす。目を合わせれば、アルフレッドの綺麗な瞳が濡れているのが分かった。 アルフレッドは、挿入するだけでなくノアの身体の至る所を触る。 「は、はぁっ、ふ…あっ、あ…ン!」 「身体で覚えるんだ。自分を抱いている男を…」 「アル、フ、ぅ…っ」 アルフレッドがすっぽりと抱き込んでくる。 体温が気持ち良くて、縋るように大きな背中に腕を回した。抱きしめられると胸の中がいっぱいになる。安心感に包まれて、その温もりを失いたくなくて、必死にしがみついた。不規則な呼吸をする度に、アルフレッドの肌とぶつかる。 巧みに腰を遣われて、ぬぷ、と音が鳴りどんどん亀頭が奥まで入ってきた。 「形も…熱も、どう飲み込めばいいのかも」 「や…、は…っ」 中をいっぱいにしている性器の形を意識してしまう。ぱんぱんに張った陰茎と、狭路を広げる亀頭、その段落の部分まで、張り付かせた粘膜で感じ取ったせいで、甘い吐息を漏らしながら喘いだ。 「濡れて動きやすくなったな」 「あぁッ、あっ!」 「こんなに濡れているのに締め付けてきて…気持ち良いよ」 アルフレッドが少し腰を引く。強引に押し進められるのも快感を拾えるが、ずるっと抜かれながら内壁を擦られるのも感じてしまう。 ぬちゅ…っ、と濡れた音が鳴って、奥まで埋まっていた性器が抜けていくのが分かり、途端にノアは涙声で抗議した。体内を満たしていたものが抜かれる喪失感が、切なくて苦しい。 「あ!だ、だめ……っ」 「だめ?」 「や、ぬ、ぬい、ちゃ……め…」 「抜かないよ」 優しく言われて、ゆっくりとした動きで太い陰茎が入ってくる。粘膜の壁いっぱいにまで大きくなった肉竿が進むほどに内壁を擦っていき、緩慢な挿入に感じ入った声があがった。 「は…はあ……っ、ん、あぁあ…っ」 「煽ってくれたものだ」 「ふあ、ぁ、……?」 子宮口の、少し手前の敏感な所に亀頭を擦り付けられる。グリグリと先っぽを押し付けられる度に、背中は波打って言葉にならない嬌声を連続させてしまう。悦ぶように後孔で締め付けていき、肉棒の形に沿って内壁がねっとりと絡みついた。 「せっかくだ。このまま出してやる」 「や、あぁ…っ、あ、ん……はぁっ、だ、め……っ」 「だめ、など…。気持ち良いんだろう?嫌がる振りはやめろ」 子宮口に先端が押し当てられる。痛みが上回らないようにと、優しく押されて、開いた脚が小刻みに震え始めた。先端で子宮口をくすぐられると、精液をかけられる瞬間を鮮明に思い起こしては興奮してしまう。 本能的なところで無意識な恐怖心は僅かに残っていた。でも、アルフレッドに止める気配はなかった。 「お前も…ここに、出されながら達きたいだろう?」 「あっ、あうぅ、んっ…あぁッ」 奥深い所を押されて、白濁が混ざった淫猥な音が響く。背骨が溶けてしまいそうなほどの快感が走ってきた。 あの一瞬を思い描くと、胸の奥が甘く疼く。 腰を強く掴まれ、交接部を隙間なく密着させ、吐精される……意識とは関係のないところが、この男の精を受け止めることを幸福だと訴えかけてくるのだ。どうしてかなんて、わからない。 それが、さっきまであったはずの恐怖心を覆い隠していく。 自分の身体で気持ち良くなったのだと実感して、アルフレッドが恋しくなってしまう。 「は…っ。…素直な身体だ、絡みついてきている」 「やあっ」 「だが、だめだ…。一度達っただろう?…今度は、俺を満足させるんだ」 甘く、意地悪く微笑まれて、それだけで胸の内がいっぱいになる。唇の端を舌が舐めるのを見て、色気のある仕草に更に身体が欲情してしまう。 両手で腰を掴まれ、密着が離れないように強く押し付けられ、そのまま中を犯される。 「あぁッ、あっ、奥……っ」 みっちりと嵌まり込んだ肉棒が子宮口に密着して、ぐちゅぐちゅと音を響かせながら内壁を押し潰してくる。敏感になった肉壁を戦慄かせ、喘ぎながら涙を散らした。 怖いはずなのに、気持ち良い──…。 目の前がチカチカと点滅するほどの快感が襲いくる。 背中に回された腕に、更に力が加わるのを感じて、ノアは熱い息を吐き出した。 「あっ、あぁッ、そん、なぁ…めっ、ダメ…っ、あ、あっ!」 「っ、お前の、声は…本当に、」 「やあぁっ、ん、ん、い…ッ」 これ以上密着できない身体を抱き寄せながら、涙ながらに快感を訴える。 息が上がり、もっとしてほしいのに逃げたくなるほどの強い感覚に追い詰められ、思わず腰を捩らせた。しかし、強く抱かれているせいで何も意味はなさない。 「あっ、ぁ、あ、んンン……っ!」 「っ、───」 繋がったところをしっかりと密着させられ、下半身を固定された瞬間に体内を埋める幹が淫靡に脈動した。 力の入らない下肢を震わせる。熱い白濁が直接注ぎ込まれる淫らな感触を受け取って、ノアは震える唇でうわ言を繰り返した。 「やっ…、はあぁ…っ、出て、…出し、て…?ン…っ」 「ああ、お前の中に…。…全部…受け止めるんだ」 言葉通り、アルフレッドが全部含ませるように押し付けてノアに受け入れることを強いた。 精液で子宮口を洗われる。 中に出される感覚はクセになる程に気持ちが良くて、圧倒的な陶酔感を引き連れてきた。 出している間にアルフレッドが息を詰まらせ、少しばかり眉根を寄せながら熱い吐息を吐き出す。感じている顔が色っぽくて、間近から見てしまったノアはそれだけで胸の中が竦んだ。 「は、はあっ…あっ、すご、ぃ……あつ…」 熱い精液が内壁を濡らしていく。じわ、と広がっていく温かい感覚に甘えるような声が鼻から抜けていった。 抱き込まれたまま、ただ繋がった場所の感覚だけが鋭くなって、吐き出される度に背中を痙攣させてしまう。 「ほら……零すんじゃない。ちゃんと飲み込んで」 「ふ、はあ…っん、ごめ…なさ…」 悪いことをしているわけでもないのに、吐き出された精液が太腿を伝って溢れ落ちていくのについ謝ってしまった。 「ひ、あ…は……っ、あぁ…ッ、まだ…終わ、な…ン」 「アルファの射精は長い…発情期の時はもっと、だが…」 「あ、あつい、の……ビクって、して…あっ」 いやらしく痙攣をする肉壁で太い幹を締め付け、じんじんと痺れる感覚に酔いしれる。 「んんっ…、奥、痺れ…はあっ、ぁ、ん」 内壁が収縮し始める。 雄を最奥に収めて、絶頂を得ようと淫らな蠕動を繰り返した。 「あっ、ぁあ…っん、ふあ、あッ…」 精液を奥まで塗りつけるように腰を押し付けられ、前後される。それだけで、注がれたばかりの白濁の体液が溢れ出てきた。 中に出されながら腰を動かされると、濡れた体内が嬉しそうに未だ硬い肉茎を啄んでいく。 「ひあっ、ぁ、あ…はあぁ…っ、お腹、あふ、れ…ンっ」 「舌を出して」 「ふ、うぅん…っ、ん、ん……っ」 いきなり深いキスをされる。口を開いて誘えばすぐに粘膜を舐められ、差し出した舌を絡め取られて吸われた。 濡れた音が口内から響き、淫らな舌の動きに刺激を受け、無意識に腰を揺らしてしまう。 「ぃ、ぁあっ…!」 アルファの精液は子宮を収縮させるだけでなく、オメガをただ快感に酔わせる。 発情を促し、孕むようにとオメガの性感の絶頂を促すのだ。もっと成熟すれば、気が狂うほどの快感を呼び覚ますようになる。そのことをノアは知らなかった。ただ気持ち良かった。 精液をかけられて更に欲情した身体は、未だ絶頂を与えられずに苦しくて、ノアは唇が離れた瞬間に悲鳴をあげた。 「あっ、あ、も、やだ…ッ!あるふっ、アルフ、の…アルフ、で…いくっ、イきたいっ」 「…っ、そうやって…素直に甘えてくるお前は、可愛いな」 「ひっ、あ…!あ、あっ、あぁあッ」 穿たれた中が痙攣して、アルフレッドが堕ちた子どもの姿を見てほくそ笑んだことに気づかなかった。子宮にまで深く響く快感がもうどうしようもないほどに気持ち良くて気持ち良くて、羞恥心が沸き起こる余裕もないほど淫らな声が溢れ出てくる。 揺すられて、吐き出されたばかりの精液が愛液と混ざり合い、じゅぷっと濡れた音を立てた。 「あっ!はぁっ…め…あ、あ…っ!」 下りてきた子宮口が亀頭に吸い付く。コリ、とした部分にキスをされて指先まで痙攣し始めた。 大事なところを犯されて頭が真っ白になる。 投げ出して、シーツを握っていた震える手を上から握られて、アルフレッドと目が合った。 「っ、あ、あ、あ──ッ!」 反り返った肉棒に子宮を押し上げられて、もうだめだった。 はしたない声をあげながら、濡れた粘膜の奥にまでぐぐっ、と嵌まり込んで、淫靡な熱を与えてくる欲望を締め付けた。 この世の最上と思えるほどの快楽を与えてくれるものなのだ、簡単に手放せるはずがなかった。 「ひ…ぃあ、……ン…!」 「は…っ、…ッ、凄い、な…」 きつい締め付けに、アルフレッドが溜まっていた息を吐き出し、ノアに笑みを向ける。 内壁全体は、根元から絞り取る動きをしていて、柔らかくなった子宮口は亀頭に吸い付いた。 「はあ、はぁ……っ、あぁっ、や…っ」 「お前よりも…身体の方が、自覚し始めている」 「んん、ん……!」 熱いのに、覆いかぶさったままのアルフレッドと密着しているのは不快にならない。 むしろ、ずっとこうしていたいと思うほどに気持ちが良かった。 無意識にねとねとと締め付けると、耳元でアルフレッドが押し殺した声をあげ、感じ入った反応にぞくぞくと背筋が震える。ノアの体内を濡らし、言葉にならない声を上げて喜悦を表す小さな身体をアルフレッドは更に力強く抱きしめた。 「は、あ……ぁ、うぅん…ッ」 とろとろに蕩けた粘膜を勃起に張り付かせて、絶頂に落とした太いそれを逃さないように後孔で締め付けた。 息をすると、微妙に触れ合う角度が変わって胸を喘がせる。 「あ、ぁ、…あ……っ」 体内に熱を埋められたまま抱き上げられて、アルフレッドの脚の上に向かい合って座るような形になる。身体が浮く時に少し抜けた陰茎が再び奥まで入ってきて、全身が震えた。未だ絶頂感の余韻が残り、特に敏感な中で性器同士が擦れ合うと、過ぎた快感が駆け上ってきて苦しい。 「ん……っ」 優しく労わるように、額や頬に触れるだけのキ スを繰り返される。 「あ…もう……っ」 小さく腰を揺すられて、達したばかりの内壁を伝い、苦しいほどの快感が走って涙を流してしまう。 もう、これ以上は無理だった。 一度、二度と絶頂を極めて、未熟な身体は悲鳴を上げている。しかし、体内に収まったままの熱はまだ収まっていなかった。それが嬉しくて、苦しくて辛いのに勝手に埋められた性器を締め付ける。 「まだ、終わりじゃない。久し振りなのだから…もう少し堪能させてくれ」 「でき、な……っ」 「できるさ」 アルフレッドが力の入らないノアの腕を掴み、自分の首の後ろへと回させる。 「気持ち良いことも……俺のことも、好きだろう?」 言われた瞬間に、何か胸にすとんと落ちてくる。 「ん、すき……っ?」 「ああ」 艶めかしく微笑まれ、ノアの胸の中が窮屈になる。 アルフレッドが好きだと言った。アルフレッドを、好きだと思った。 彼の全部を分かっていなくても、今この瞬間がこんなにも幸せなのだから、それでも良かった。 「あ…っ、ん…き……アルフ、好き…」 「俺も好きだよ」 その声は整っていた。 乱れのない、確かな声だった。 その声を聞いたノアは唇を震わせた。 なぜ震えたのか、自分でも分からなかった。 ───好きなのだ。会えない間は寂しかったし、会って触れ合うと嬉しくなる。 あんなにもずっと、認めないように、否定しようと蓋をし続けていたというのに。呆気なく、本人に直接的に告げてしまっていた。 「長い間放ったらかしにしたからな…今夜は、可愛がってやるさ」 対座の体勢のまま、下から緩やかに突き上げられて甘ったるい声をあげてしまう。 前髪を撫で上げ、露わになった額にキスをされる。 綺麗で、甘い顔をした悪魔のような男だ。 久し振りに会って、すぐに心を掴まれて離れられなくなってしまう。 このままで良いのか分からなくても、結局この熱を失いたくなくて、全てを許してしまうのだ。 蓋をしていても、恋しく思う気持ちは止められなかった。声を聞いて瞳を見て、触れ合うほどに愛おしさが積み重なっていく。熱に浮かされた頭の中で、アルフレッドが好きだと何度も繰り返した。声にはなっていなかったかもしれない。 彼が帰ってきた離宮での一夜は長くなる。 口移された果実を嚥下して、甘い味に酔いながら、自分を抱く男にしっかりとしがみついた。

ともだちにシェアしよう!