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第3話 カクテル

「誘拐したと思われたら困るなぁ。 おまえの親は探してないだろうな?」  いつものバーに蜜を連れて来た。 今日の姿は、酒が飲めるくらいには大人っぽくなっている。 「いらっしゃい。綺麗な方とご一緒ですね。」  マスターは驚いている。 リキが誰かを連れてくるのは珍しい事だから。  蜜は甘えて寄りかかって来る。 「マスター、何かカクテルを。」  蜜が 「パルフェ・ダムールっていうのを使ったカクテル。」 「ああ、ブルームーンですね。」 「よく知ってるなぁ、蜜の頭の中は どうなってるんだ?」 「リキさんはバーボンでいいですか?  シェーカーを振って紫色の綺麗なカクテルが出て来た。  渋い顔をしてロックグラスを空ける。  マスターが黙ってまた、グラスに注ぐ。 「蜜さん、どこかでお会いした事ないですか?」 「そうですか? 僕は初めてだと思いますけど。」  マスターの質問にしれっと答えた。 マスターは腑に落ちない顔をしている。  したたかに酔って帰ろうとした時、一花が入って来た。 「あら、リキ、一人じゃないのね。」  蜜の顔を見て一花は顔を曇らせた。 「どなた?」 「一緒に暮らしている。」  一花は苦い顔をして 「泥棒猫さんね。リキ、気をつけて。」 「失礼だぞ。一花らしくもないな。 帰ろう、蜜。」  帰ってくるなり思い切り蜜を抱きしめた。華奢な身体を蹂躙するように抱く。 「ひゃあ、くすぐったい。」  身を捩る姿が色っぽい。 「男を誘うのが上手いんだな。 あんなカクテル誰が教えたんだ?」 蜜の過去の男が気になる。

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