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第4話 友達
一人が好きだ。リキは若い頃からそう思って来た。群れるのは苦手だ。
いつもギターがそばにいた。ガキの頃からいつも音があった。
母親が好きだったジャズ。そしてブルース。
母は歌謡曲の中のブルースを聴かせてくれた。
子供心に哀愁のあるブルースという音楽に惹かれた。
周りはアイドルブームで可愛い女の子たちが歌って踊るテレビはほとんど見なかった。元気な若者が苦手だった。
暗いやつ、と言われたが、それが好きな奴も一定数存在した。
高校生になったら、ますます暗いやつばかりが集まってくる。それが友達という物だろう、と受け入れていた。類友?
愛想のない無口な男にも友情を感じて親しく寄ってくる奴がいた。
友達といえば真っ先に浮かぶのは永田恭司。
なぜか気が合っていつもつるんでいた。
「リキ、おまえ大学に行くんだな。
俺は組に入る事にした。就職だ。」
リキは地元の入りやすい大学に入った。
恭司は地元のヤクザに就職(?)した。
表向きはヤクザのフロント企業だ。
高3 になると行き先を決めなければならない。
学校がうるさい。
卒業の日、式が終わってみんな打ち上げに浮かれていた。
「リキ、中々会えなくなるから
今日はウチに来いよ。」
ギターケースを持って、初めて恭司の家に行った。北関東の田舎町。そこはいかがわしい雰囲気で賑わっている場末の繁華街だった。
リキはその場所を知っている。街で唯一のジャズ喫茶があった。
誰にも言わず、誰も誘わず、一人でよくそこに行った。同級生は恐れて近づかない。
その場所はリキの隠れ家だった。
(はやく大人になりたい。
ガキはどこに行ってもダメだ。)
ジャズ喫茶は夜はバーになる。小さな店でも夜になるとライブがある。
「子供はダメだよ。酒を出す時間だ。」
リキはライブを聴きたい。
往年のジャズファンがプロ並みのライブをやるのだ。生で音楽に触れたい。
学校ではこの繁華街をうろつく事は禁止されていた。
リキは目立たない地味な生徒だったから、そんな店に出入りしているのはバレなかった。
恭司の家はその繁華街の裏手にあった。
「俺、カタギの友達、おまえしかいないからおふくろに紹介したいんだ。」
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