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第6話 生き方
恭司とは長い付き合いになった。リキの唯一の友と言えるだろう。
リキに本物のブルースの心を教えてくれたのは恭司のおふくろさんだった。
恭司は今では立派(?)なヤクザだ。
北関東、S会永田組のカシラだ。
リキはギターに助けられてギリギリ、ヤクザにならなくて済んだようなものだ。
大学も卒業した。相変わらずギターだけが伴侶だ。片時も離さない。
「人生、カタギもヤクザも変わらない。
みんな、はみ出しものばかりだ。」
たまには、あのバーで恭司と飲むこともある。
レコーディングには引っ張りだこのリキだった。
それがこの頃、少し遠のいている。
「おいで。」
手を伸ばして呼ぶのは蜜。蜜は呼ぶと喜んで膝に乗る。両手で首に抱きついてキス。
渋い強面のギター弾きはどこかに消えた。
猫の力丸は、おとなしく丸くなっている。いつも邪魔しない。手のかからない猫だ。
リキには素っ気ないが、蜜には甘えているようだ。ソファの隅に居場所を作っている。
朝起きると外に出る。しばらく外の散歩をして一人で戻ってくる。
「大丈夫なのか?」
「うん、この辺が縄張りらしいから。」
リキは猫のロードキルが心配だ。正しい飼い方ではないのだろう。もう少し様子をみよう、と思っている。
「寂しかったんだよね。リキ。
それで僕を呼んだのでしょう?」
蜜が突然言い出した。
「俺がおまえを呼んだのか?」
リキはそうかもしれない、と思った。
(信じられない出会いだったのに
まだ、一緒にいるのだ。
蜜のいない暮らしは考えられない。)
そんな思いが頭から離れない。
ギターを弾いて、時には歌い、酒を飲み、
それでいいと思っていた。
寄ってくる女に興味はない。リキは女を抱けないのだ。
たまに行くハッテン場で一夜の夢を買うだけだ。射精して終わるその場限りの情事。
そうやって誰にも縛られずに生きて来た。
巧みなくちづけに、リキは蜜のベースに嵌る。
「リキ、僕としたい?
平気だよ。今までも経験あるから。
僕、男娼だったんだ。」
心がグサッと傷ついた気がした。
わかっていた。
俺の所に来る前には、別の男に飼われていたのだ。考えないようにしていた。
こんな綺麗で華奢な子が、たくさんの男に抱かれる仕事をしていたなんて。
ベッドで仰向けになって腕枕で蜜を抱き寄せる。愛しさが溢れてきた。
リキはいい年をして自分が純情な事に気づいた。
「リキ、抱いて。」
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