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 第14話 人の心

 蜜の母親は、荒んだ年の取り方をしている。 事務所に来ていたチャイマの李(リー)が、この 女を知っている,と言った。 「金本って名乗ってます。 金美華(キムメイファ)っていう女ですよ。  同胞はみんな嫌ってます。この女、ガキを売るんですよ。自分で産んだガキを。」  子供はオークションで人気だが、母親が売りに出すのは珍しい。 子供を売りに来るのは大抵、父親だった。  いくらC国人でも普通は自分の子は売らない。 このオークションでは性的虐待用の人間を売るのだ。メイファは自分を守るために子供を売っている。法外な値段が付く綺麗な子供。  変態客は、自分の子供を売る母親に興が乗るのだという。その残酷さがウケるらしい。  売る方も買う方も常軌を逸している。 「人の心はねえのかよ。」  話を聞いただけで胸糞だった。 「この女、オークションに子供を売ったのは3人だそうですよ。蜜の兄弟か?」  金持ちの悪趣味は高値で売れる。メイファは一生遊んで暮らせるほど子供で儲けたそうだ。 「今でもまだこんな怪しいオークションに出入りしているのか?目的はなんだ?」  べったりくっついている太った爺いは、K党の幹事長、大山竜だった。 「こんな所で面が割れたら政治生命も終わりだろうな。」 「この人は帰化人でC国が後ろにいますから。」  リキが心配そうに蜜を見た。 「母さんに会いたいか?」 「リキ、全然わかって無いね。 僕は恐ろしい目に遭ったんだよ。この人のせいで。お母さんってどんなもの? 僕はわからないんだ。」 (ただ、温かいものに触れていたい。 力丸とリキだ。)  蜜には力丸のフワフワな身体が身近な温もりだった。今は抱きしめてくれるリキの存在が、親の愛よりも尊い。リキと力丸、この二人が蜜にとっては、親というものだった。 「大山先生、好きねぇ。 また子供をいたぶりたいの?」  セクシーなドレスの胸に、不細工な妖怪じみた顔を擦り付けてくる代議士の大山は気持ち悪い。  メイファは嫌々ながら胸に手を入れさせた。 乳房をつかみながら大山が 「メイファは年取ったな。 ワシは若い子が肛門を傷だらけにして泣き叫ぶのが好きなんじゃよ。」  周りの人間はブルッと寒気がした。昔、メイファの二番目の子供、蜜の兄をなぶり殺しにした事があった。この男は人殺しを金で揉み消してなんの反省もしていない。蜜はまだ、生まれていなかった。兄は3才だった。  大山は楽しんで殺した。この母は何とも思わないのだろうか? C国にたまにこう言うサイコパスの村があると言う。 「子供は産めばいいのよ。死んでも次がすぐ出来るから。」  父親もこの村のサイコパスだった。盛るだけの人でなし。村で食堂をやっている。赤ん坊の肉を料理すると,噂がたった。警察は捜査をしない。  この事を口にすると、C国の党員に告げ口されて不当逮捕されるのだ。この地球上にまだこんな地域が存在する。  恭司は、話を聞いて 「ヤクザより外道だな。」  リキはなんとも言えない気持ちになった。 「俺に何が出来るだろう?」

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