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第12話 その熱さも、重みも
泣いてほしくなくて。
他にやり方がわからなくて、
そっと、その唇を塞いだ。
ざわざわとルベルの魔力がリュノの体を包み込んで、それでもルベルの手はじっと握り込まれたままだった。
「ルベルのこと、好きだよ。
一緒にいたら楽しいし、俺とは考え方も違うから、色々気づくこともあるし。」
もう一度、唇を重ねる。
「えっちのときは優しいし、気持ちいいから。
ちゃんと知って抱いてもらうのって、こんなに安心するんだって、俺知らなかったし」
「……リュノ。今俺フラれてるんだよね……?」
「あは。ごめん」
思わず笑うと、反対にルベルに唇を塞がれた。
いつもより少し強引に舌が割り込んで、それに抗わずに応える。
ルベルの腕が持ち上がって、体を引き寄せられた。
「ん……」
顔の角度を変えて、何度も啄まれて、ぞくぞくと背中を駆け上がる感覚に思わず吐息がこぼれる。
「……していいの……?」
ルベルの言葉に、もう少し深く唇を重ね合わせた。
これが最後なら、思いきりルベルを感じよう。
そう思った。
「——ん……」
「——ん、……ん、ぁ、ぁ……!」
いつも通りに、優しく身体を開かれて、リュノもルベルの熱を味わって、お互いの快感をやり取りした後。
ルベルはもう一度リュノの体を組み敷いて、敏感になったところを改めて暴きなおした。
触れられては体が跳ねて、首を振って快感を逃す。
「も、やだ……、——ルベル……」
「ん」
名を呼んで訴えても、ルベルはリュノの熱を咥えて離さなくて、
後ろに入れた指で、リュノの弱いところをゆるゆると押した。
「——っ、や、ゃ……あ!」
腰をよじって逃れようとしても、足を押さえ込まれていて、逃げることができない。
一度イった体はすぐには極められなくて、なのに、前からも後ろからも追い詰められて、自分だけが責め立てられるのが辛かった。
「やあ……。——ルベル、や、……っだ、ぁ」
「イヤじゃないでしょ」
熱から口を離して言ったルベルの吐息が、リュノの腹の上を撫でて、背筋がぐいと反る。
その感覚に首を振ることしかできなくて、ルベルの髪の毛を引っ張ると、ルベルが喉の奥で笑った。
「どうして欲しい?」
「も……、——や……。入れて……。なか、来て……、っあ!」
太ももの内側を舌でなぞられて、思わず脚に力が入る、
ルベルは大きく口を開いて、リュノの足に柔らかくかぶりついた。
「……ぁ、……ぁ、あ!」
かぶりついた咥内で舌がうごめいて、リュノの太ももを震わせる。
涙交じりの声でルベルの名前を呼ぶと、そこから顔を上げたルベルがひたとリュノの顔を見つめた。
「……?」
荒い息を何とかなだめながら、目を合わせてくるルベルを見つめると、
ルベルは眉を下げて、唇の端を持ち上げた。
「中、入れてあげるよ」
「……っ、ぁ」
後ろの弱いところ、ルベルの指が押し込む。
「ここ、俺のでこすって欲しいでしょ?」
して欲しい。
もう、張り詰めた快感からあと少しで突き落とされそうで、早く、中をめちゃくちゃにして欲しかった。
今日のこれが、ルベルとの最後になるなら。
その熱さも、重みも。
全部覚えておくから。
遠慮なんて、してほしくもなかった。
すがるような気持ちでルベルを見つめると、ルベルがゆっくりと後ろから指を抜いて、体を上にずらした。
「リュノ……」
つんつん、と、入り口をルベルの熱がつつく。
近づいてきたルベルの顔に、薄く唇を開いて迎え入れようとすると、
ルベルは、リュノに触れるほんの少し前で、その動きを止めた。
「——ルベル……?」
動きが止まった反動で、またルベルの熱が入り口をつつく。
両腕をルベルの背中に回して、こちらに引き寄せようとして、
ルベルの体はぴくりとも動かなかった。
あと少し。
キスが、できない。
「——ね……、リュノ……。教えて。」
つんつん。
また入り口がつつかれる。
その熱が潜り込んでくる時のことを体が期待して、勝手に腰が浮いてしまう。
「なに……」
「こんなに俺のこと求めてくれるのに、……どうして、もう、会えないの……?」
ほんの少し、鼻先だけが触れ合って、
ルベルが少し顔を浮かせた。
ルベルの質問に答えられないから、
追いかけるようにあごをあげると、ルベルがもう少し逃げる。
……キスが、できなかった。
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