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第2話

「おら、お前も拭けよ」  ぼんやりと全裸で座り込んでる男の頭に、水を絞ったタオルを投げる。1階に下りた迅が取りに行ったものだ。長い前髪の上にかぶさるタオルを、男は手に取って折りたたんだ。そうしてのろのろと四つん這いになり、部屋の床に広がる泥を拭き始めた。 「いや体拭けって……まぁいいか」  体液が乾いて気持ち悪い感覚とかはないのかと迅は思ったが、気にならないのかもしれないと思い直して自分も床を拭くことにした。全裸の男と違って、こちらはちゃんとハーフパンツとTシャツを身に着けている。  迅が男を弄んでいるうちに泥は乾いてしまったらしく、灰色になって床にこびりついていた。引っ掻いてしまえば取れるかもしれないが、万が一にでも床に傷をつけて兄に怒られることを思えばそれもできなかった。 「お前名前なんて言うの?」 「ぁ゛、ぅ……ぉ゛」 「ここに住んでんの?やっぱ死んでんの?」 「ぅう゛……ぁ゛」  言ってることは理解してそうだが、呻くしかできないらしい。弄り回していたときの方がよほどわかりやすかったななどと思いながら、あらかた綺麗になった部屋を見て廊下に移動する。ペタペタと同じようについてきた男も、また廊下を拭き始めた。歩いてももう泥の足跡はつかないようだった。 「泥は服についてただけか……?」  湧いて出ていたように見えたが、実は服が汚れていただけだったのか。  四つん這いで床を拭く男の尻と股の間で揺れるチンポを後ろからちらちら眺めながら、迅は階段の方を拭っていく。踊り場まで泥を拭き去ると、階段の上から男がこちらを見下ろしていた。 「何だよ。あ、お前あの汚ぇ服捨てるから持ってこい。俺の貸してやるから。あと風呂入れお前」  なんか臭ぇし、と言いかけて、そんな男のケツにチンポを突っ込んだのも思い出して自分も風呂に入りなおそうと考える。男は無言で部屋に戻り、服を抱えて戻ってきた。やはり、言ってることは理解しているらしい。 「湯船に湯貯めてやるから温まれよ」  階段を下りて風呂場へ行き、お湯張りのボタンを押す。ついてきていると思って振り返ったが、そこには誰もいなかった。もしかして消えたのかと思いつつ階段まで戻ると、男は踊り場で立ち尽くしていた。服を胸の前で握り締め、あうあうと狼狽えている。 「何だよ、階段降りられないわけじゃないだろ?」  怯えたような顔で、男は踊り場からこちらを見下ろしている。よく見れば、目元から真っ赤な血の涙が流れていた。 「何、泣いてんの?」  何なんだと思いながら階段を上がっていくと、男の手首を掴む。引っ張ると、男は嫌だというように腰を引いて抵抗した。 「降りるの怖いって?ガキでもねぇのに?まあいいや、んじゃ俺が手ぇ引っ張ってやるから目瞑って降りりゃいいだろ」 「ぁ゛……」 「はいはい、目隠しプレイ目隠しプレイ。はい右足で一段目降りるー」  男が手に持っていた服を頭にかぶせ、両手首を掴む。そのまま問答無用で指示すれば、男は恐る恐る足を踏み出した。そろぉり、と降ろされる右足にしっかり体重が乗ったことを確認し、迅は次の指示を出す。 「はい左足出して―、もう一段降りるー」 「ぉ゛……、ぁ゛ぅ゛……」 「大丈夫大丈夫。俺がちゃんと手ぇ持ってやってんだろ」  ゆっくりと、一段ずつ、たった五段しかない階段を男は時間をかけて降りた。面倒だなと思いつつも、消えたり現れたりができなさそうな感じなので仕方ない。全裸のまま二階をうろうろされても困る。  とん、と最後の段から降りた男の頭から薄汚れた服をはぎ取り、玄関の方へ放り投げる。あとでまとめてゴミ袋に突っ込むつもりだった。 「ほら行くぞ」  片方の手首は握ったまま、廊下の奥の風呂場へ向かう。黙ってついてくる男は、一階にはあまり降りてきていないのかきょろきょろと周りを見渡していた。 「ほら入って座れ、椅子ねぇけど」  湯気の充満する風呂場の扉を開けると、男は言われたとおりシャワーの前で座り込んだ。  とりあえず自分の服を貸してやればいいだろうと考えながら自分も服を脱ぎ、浴室に入る。さすがに湯になる前の水をぶっかけるわけにもいかず、手に持ったシャワーから出る水が温度を上げるまで待った。 「お湯かけるぞ、熱かったら言えよ」  言えるわけないと思いながら頭のてっぺんから湯をかける。膝を抱えてうつむいたままじっとしている男の長い髪に湯が染み込み、体を伝い、浴室の床に流れる頃にはうっすら茶色になっていた。 「うぇ……お前風呂、まあ、そりゃそうか」  幽霊だか怪異だか知らないが、生きていない人間なら風呂には入らないだろう。そうでなくとも、迅が来るまでこの家は水道もガスも止まっていたのだ。 「あーぁなんか変な奴拾っちまった気がすんなぁ」  男の頭にシャンプーをぶっかける。自分はいつも1プッシュだが、男の髪の長さと汚れ具合に適当に5、6プッシュしておく。生まれてこの方、人の頭など洗ったことはないので、見よう見まねでわしゃわしゃと髪を掻き回した。全く泡立たないが。 「お痒いところはございませんかぁ、とぉ」  前髪の生え際、耳の上、うなじ、頭頂部。洗い残しがないように指の腹で揉みながら擦る。割と上手く洗えてるんじゃないかと思えば機嫌も上向いて、様式美をなぞって声をかけた。やはり返事はないが、ぐす、と鼻をすする音がして思わず覗き込んだ。 「何泣いてんのお前。泣いてんのかそれ、血だよな?流すぞ」  両目から血の涙を流している男は、目を瞑ったままぐずぐず言っている。訳を聞くにも喋れないわけだし、尻が痛いとかじゃなさそうなので迅は構うことなくシャワーで泡立たないシャンプーを洗い流した。 「もっかいシャンプーな」  今度は3プッシュだ。さっきよりは簡単に泡立ち、泡の色も真っ白であることに安堵する。まさかずっと薄汚れたままではないかと心配していたがちゃんと綺麗になるらしい。 「やっぱ風呂って大事だよな」  聞いているのか聞いていないのか、男は黙ったままだ。しかしシャンプーを流すと頭を左右に振って雫を飛ばすので、なんとなく不思議な生き物を相手にしているような気がしてきた。今さらである。コンディショナーなどないが、リンスインシャンプーだから大丈夫だろうと自分を納得させた。 「次は体な」 「ぁ゛」  自分の使っているかためのナイロンタオルをちらりと見て、男の生気のない肌を見下ろす。何となく、ズタズタになりそうな気がして、風呂場の外から取ってきた普通のタオルをぬるま湯で濡らしてボディソールを泡立てた。 「お背中流しまぁす」  何をやってんだ俺はと思わないではない。これまで迅が関係を持ってきた相手と、こんな介護みたいに風呂に入ったことはなかった。セックスする相手との風呂は、刺激的でエロチックなアミューズメントだった。  それでも茶色い泡まみれになる自分の手と、その手が持ったタオルと男の背中を眺めながら、なぜか悪い気はしなかった。偏に、男の背中が広くがっしりとしていて、迅の好みだからだろうと思う。 「やぁっぱ汚ぇの。はい、膝立ちんなって」  右腕を掴んで指の先まで洗い、泡立ちが悪くなったので一旦タオルを濯いでもう一度ボディソープを足す。十分に泡立ててから左腕を指先まで洗い、言われるまま膝立ちになった男の脇から前に手を回して胸を撫でた。むっちりもちもちとした感触を楽しみながらタオルと素手を使って洗い、ときどき手のひらに引っかかる乳首をわざと弾く。 「ぅ゛……♡」 「あれぇ?お前なんでまた勃ってんの?」  どっしりとした腰回りも洗い、股座に手を突っ込む。陰毛を泡で包むように洗い、ゆるく勃起しているチンポも掴んで撫で、皮を剥き降ろして丁寧に洗っていく。その間に耳元に声を吹き込んで揶揄うと、男は肩を竦めて逃げようと壁に縋り付いた。そうすると、迅の方に男の尻が押し付けられることになる。ぬる、と尻でチンポを擦られ、込み上がる興奮に口元がにやけた。 「尻も足も洗うんだから股開け」  男の足の間に膝を押し込んで開かせ、金玉も会陰も尻の穴も指先で撫で洗いする。ヒクつくアナルに指を突っ込んでやりたかったが我慢して、どこよりも汚れていた両脚の泥を流し、足の裏から指の間まで擦った。 「流すぞ」  シャワーで色のついた泡を全部流し、タオルは浴室の隅に放り投げる。乱暴に何度かプッシュして手のひらいっぱいにボディソープを押し出して男の広い背中にぶちまける。両手で撫でると、今度はすぐに白い泡が立ち始めた。 「ぁ゛……ッ♡ぅ゛、あ゛……♡」  むっちりとした背中から肩甲骨のくぼみ、腰回りを手のひらで擦る。肌は冷たいが、筋肉の盛り上がりはしっかりとしていた。特に広背筋が目立つ、ジムで鍛えたものではなく実用性がある筋肉だなと思いつつ脇腹まで手を滑らせると、男の体が大きく跳ねた。 「お前脇腹弱いの?」 「ぁ゛、ぁ゛……ッ!?♡」  脇腹を撫でられただけで体を震わせる男に面白くなってきて、両側から脇腹を擽った。 「ほぉら、こちょこちょこちょ~~」 「ぁ゛、う゛……ッ!?♡う゛ぅ゛……ッ♡♡」  身を捩って逃れようとする男を、後ろから抱き締めて押さえ込む。その間も手を休めずに擽り続け、泡を引き延ばすように両手で胸を撫で回した。乳首を両手で摘まみ、ヌルん♡と滑らせれば男の体が前屈みになって強張る。 「ぉ゛……ッ!?♡お゛ッ♡」 「洗ってやってんだから、じっとしてろよ」  そう言いながら、迅は後ろから男の尻の間にチンポを押し付けて擦る。行ったことはないがソープランドのプレイってこんな感じかなと思いながら、身悶える男の体を撫で洗いし続けた。 「ぉ゛ッ♡、ぉ゛……♡」 「よぉし、流すぞ」  迅が再びシャワーを手に取ったとき、男はすっかり膝立ちを忘れてへたり込んでしまっていた。それでも壁に縋り付いて、なんとか身を支えている。丁寧に泡を流してやり、足の先まで泥の残っているところはなくなった。腐葉土の匂いもしなくなり、残ったのはこちらに向かってケツを突き出すエロい男だけだ。 「ナカ出ししたから、ケツん中も洗ってやろうな」 「ひ……っぁ゛……!?」  処理が必要だと思っているわけでも、処理してやろうという親切心からでもない。単に弄りたいだけだ。  迅が男の尻肉を割り開くと、小さく悲鳴を上げてこちらを振り向いた。そのまま横にずれて逃げようとしたところを捕まえて、舐め濡らした中指をアナルに突っ込む。 「っぉ゛……♡お゛ッ!♡」  ぬちゅ♡にゅち♡と腸壁を擦って掻き出すように動かせば、男の口から甘い声が漏れた。指先にザーメンがまとわりつき、ヒクつくアナルからもドロリと溢れた。 「ぅ゛ー……♡ぉ゛……♡ぉ゛……っ♡」 「ナカまでキレイにしようなぁ」  言いながら指を二本に増やし、アナルの縁を広げるようにしてピストンする。ぬちゅっ♡ぬちゅっ♡と音が響き、男の腰が揺れる。だが逃がしてやるものかと前立腺を押し込んだ。 「ぉ゛ッ!!♡」  ぐりゅぐりゅ♡と指で捏ね回せば、男の背中が弓なりに反り返った。腰がガクガクと震え、先走りが糸を引いて床に落ちる。  正座するようにへたり込み、指で尻穴をほじられてザーメンを垂れ流して快感に身悶える大男の様子は迅の興奮をことさらに煽った。こちらに突き出されているむっちりした尻肉を揉みながら、腰を上げさせる。 「このまんま洗おうな?ケツ上げろ」 「ぉ゛ッ♡♡……ッ!?♡」  言われるがまま尻を上げた男が四つん這いになる。くぱっ♡とアナルに咥えさせている指を開き、シャワーの湯を押し当てた。少ししてから指を引き抜くと、すぐに白濁した湯がひり出される。もう一度だけ繰り返して、尻を上げていられずにへたり込んだ男の腰を掴んだ。 「なぁ、もっかい入れていい?」 「ぁ゛……?ぅ゛ぉ゛♡」  もっちりとした尻を揉みながら、ズリ♡ズリ♡と勃起したチンポを男の尾てい骨の辺りに擦りつける。ただでさえ男が自分の手でされるがままに善がっているようで興奮していたので、弾力のある尻に擦り付けられた迅のチンポはすぐにフル勃起した。  片方の尻たぶを掴んで横に引っ張ると、男のアナルがヒク♡ヒク♡とチンポ乞いしているのが見える。 「なぁ」 「っ、ぅ゛……?♡」 「チンポ気持ち良かっただろ?なぁ、いいよな?」  答えられないとわかっていても、迅は男の耳元で囁き続けた。そうして、返事を待たずに、ぐぷ♡と亀頭をアナルに押し込む。一気に押し入りたくなるのを我慢して、にゅぷにゅぷ♡とカリだけを抜き差しする。  男の腰が震え、呻きながら浴室の床に額を押し付けている。感覚の強い括約筋だけを嬲られて身を捩っているが、それでも構わずに迅は腰を前後させ、浅く出入りを繰り返した。 「ぅ゛ッ♡……ん゛ぅ゛ぅうう゛……ッ♡♡」 「あ゛ー、気持ちいい……っ」 「んぉ゛ッ!?♡」  男の体がぶるぶる震え始める。浅い快感にも関わらず、男のチンポからはだらだらとカウパーが溢れていた。時折大きく跳ね、体全体が痙攣し始めている。 「奥まで挿れてほしい?」  迅のチンポを美味そうにしゃぶり、きゅむ♡きゅむ♡と締め付ける肉輪が媚びている。もっと深くへ沈めてほしいと催促されているようで、男の尻を撫でて褒めてやった。 「奥、までいくぞ……ッ♡」 「ひっ♡ぉ゛……お゛ッ!!♡♡」  ズチュンッ♡と奥まで一気に突き入れる。肉襞を押し退けながら亀頭が最奥に届くと、男の背中が大きく仰け反った。その拍子に体が前のめりになり、尻だけを高く掲げた状態で全身を硬直させる。同時に、男のチンポが震え、勢いよく白濁を噴き出した。 「ぅ゛……ッ!!♡♡」 「お、トコロテン♡俺のチンポ気持ちいんだ?」  わずかに、男が頷くような動きを見せた。単に折れた首が揺れただけかもしれない。それでも、明確な反応があったと反射的に思った迅はぞっとするような興奮に舌なめずりした。 「ぉ゛、お゛~……ッ♡♡ぉ゛……♡♡」 「はぁ゛……ッやべぇ、最高だなお前……っ♡」  さほどピストンもしていないのにトコロテンアクメをキめて耽溺している男の震える尻を掴み、ゆっくりと揉みしだく。抜けるギリギリまで引き抜くと、きゅ♡と締め付けたアナルが引き留めるように吸い付いてきた。 「ぉ゛……ッ!?♡♡」 「お前の好きなとこ引っ掻いてやろうな」  角度を変え、チンポを圧し入れる。ごりゅ♡と前立腺を亀頭で抉られ、男が引き攣ったような声を上げた。 「っぎ、ぃ゛……ッ!!♡♡」 「ここ好きだろ?なぁ、ほら」  立て続けに前立腺を当て掘りし、その度に男が甘さを含んだ呻きを零す。不随意に痙攣して締め付ける肉筒にチンポの根元まで挿入して奥を拡げ、濃厚な愛撫を堪能した。 「あ゛ー……スゲェ気持ちいい……」 「っ、ぅ゛う……♡ッ♡♡」 「お前のケツ、めっちゃイイわ」  床に突っ伏したままの男の尻を揉み、厚みのある腰を撫で回して広い背中に手を這わせる。汚れを落とし、湯を浴びたせいかうっすらと血色が戻っている肌だが、性欲に突き動かされている迅の熱い手には冷たく感じた。 「引き抜くときに吸い付いてくんのもたまんねえし、」 「あ゛、……ッ♡」 「奥まで突っ込んだときの締め付けもイイし」 「ぉ゛♡ッぉ゛お゛……ッ♡♡」  言いながら、男にも実感させるため殊更にゆっくり引き抜き、抜けていくチンポに追い縋るアナルが濃い肉色を覗かせながら収縮するのを見下ろす。再び奥まで咥え込ませていくと、肉壺がチンポを絞り上げて歓待し蠕動しながら呑み込む。 「お前に取り憑かれてんだとしてもまあいいかなって思うぐらいにはすげぇ気持ちいいわ♡」 「ぉ゛……ッ♡ぉ゛ほぉ゛……ッ!!♡♡」  じっくりと味わうように前立腺を捏ねながら、奥へと突き入れていく。奥まで辿り着けば引き抜いて、また前立腺を引っ掻いてから奥まで押し込む。その度に男は声を上げて悶えた。まともに声を出せないのが惜しいと思う。 「ぉ゛ッ♡……ッ♡♡ぉ゛ー……ッ♡」  何度目かのストロークで、男が床に縋り付いたまま全身を跳ねさせる。その拍子にチンポが抜け、空っぽになったアナルがきゅ♡と窄まる。  迅が腹につくほどそそり立ったチンポを握りながら尻から一歩引くと、男がゆるりと振り返った。それが男の方も期待しているのだと思わせて、迅の興奮を煽った。 「こっち向いて」  肩を掴んで男を振り向かせ、体勢を変えさせる。横向きに仰臥させられた男は、床に肘をついて上体を起こしこちらを見つめている。逃げる様子もなく、襲い掛かってくる様子もない男の右足を跨いで左足を肩に抱え上げると、アナルにチンポを押し付けた。ちゅぷ♡と吸い付くようにヒクついたアナルを、亀頭が押し拡げていく。 「ぉ゛ぉ゛……っ♡」 「さっきより奥まで入るぞ……ッ♡」  狭い肉路を拡げながら挿入していくと、男は堪らないとばかりに眉根を寄せながら首を反らした。首の左側面に裂けた傷跡が見えて、迅は視線を男の体へとずらす。 「お゛……ッ♡♡ぉ゛ッ♡」  男の太ももを片腕で自分の方へ引き寄せて腰をみっちりと押し付け、チンポで奥まで貫く。体位のせいで先程より深くを抉り、男が目を見開いて喘いだ。ガチガチに勃起した男のチンポが二人の間で揺れている。溢れるカウパーが床を濡らし、先端が腹に付くほどの勃起度合いだ。 「ぉ゛お゛……ッ!!♡♡」  太いチンポでぬるぬると柔らかい肉襞を擦りあげながら、迅は男の太ももに頬を寄せる。男の腰をさらに引き上げ、密着するように抱き寄せた。ごりゅ♡と亀頭が腸壁の最奥に当たり、男が全身を強張らせてチンポから先走りを噴き出したが、迅はそのまま奥だけを突く小刻みなピストンを開始した。 「ぉ゛ッ!!♡♡ぅ゛ッ♡ぉ゛ッ♡♡」 「あ゛~……最高♡」  ごちゅ♡ごちゅ♡と奥を穿たれ、男の体がのたうつ。抱え込んだ太ももの張りのある弾力を撫でながら、反対の手で男のチンポを握り込んで扱く。新たな刺激にぎゅぅ♡と窄まった媚肉でチンポを扱きながら、親指で男の亀頭を嬲る。 「お゛ッ♡ぉ゛ッ♡……ッ!?♡♡」  迅の汗が男の腹に落ち、それを追うように男のチンポが震えて濃い先走りが溢れる。くぱくぱ♡と尿道口をヒクつかせるのを指の腹で感じて、迅は竿を掴んで扱いた。先走りを絡めながら擦られ、男が体を引き攣らせる。跨いだ右足がつま先までピンッ♡と伸び切り、ブルブルと震えた。 「ぁ゛……!?♡ぉ゛……お゛♡♡」 「ほら、出しちまえ♡」  迅が優しく囁き、男のチンポを扱く手を止めないまま自分の腰を擦りつけて奥を捏ねる。性器への直接的な快楽と肉襞を雄に蹂躙される快感に、男が追い詰められるように腰を突き出した。びくっ♡と一瞬大きく体が跳ねて全身に力が入りその筋肉の隆起に迅が見惚れた次の瞬間、男のチンポから勢いよく精液が噴き出した。 「ぉ゛ッ!!♡ぉ゛ぉ゛ッ♡♡」  どぷっ♡どぴゅ♡と白濁を吐き出す男のチンポが震え、尿道を駆け上る快感に耐えるように背中を丸めながらも腰を迅に押し付けてくる。男がザーメンを噴き出すのに合わせて肉壁が収縮しチンポを絞り上げる。出した分は注いでほしいと言わんばかりの仕草に煽られて、迅は男の足を抱え直してピストンを強めた。 「ぉ゛ぅ゛ッ♡ぉ゛ッ♡♡ぉ゛ん゛ッ♡♡」  ただ媚肉でチンポを擦り上げ射精を目指す単調で乱暴なピストンだが、射精直後の男には過ぎた刺激なのか体を痙攣させ足先を震わせた。 「ぉ゛ッ!♡ぉ゛お゛ッ!!♡♡」  絶頂に達した直後の敏感な体を容赦なく責め立てられ、男は断続的に体を跳ねさせながら床に縋り付いている。それでも抗えない快感にチンポを勃起させたまま迅に揺さぶられ、激しい律動に翻弄される。ぎゅうぎゅうと締め付ける媚肉が迅のチンポを食い千切らんばかりに絡みついて、カリ首の段差で引っかかった肉襞が捲れ上がっては呑み込まれた。 「お前の中に出してやるからな……ッ♡」  男の太ももを抱え込んだまま、最奥まで一気に押し入る。男の体が大きく仰け反ったが、迅は問答無用で腰を動かし続けた。ばちゅんッ♡ばちゅんッ♡と叩きつけるような強さのピストンに、男の肉筒は健気に悦んでチンポを愛撫する。 「ぉ゛……ッ♡ぉ゛……ッ♡」 「ッ、出る……ッ!!♡ッぅ゛……♡」 「ぉ゛、ぉ゛ッ!?♡♡ぉ゛……~~ッ!!♡♡」  射精欲を煽る動きに従って、迅は男の胎内で思い切りザーメンをぶちまけた。びゅるるぅううッ♡♡と一度目と遜色ない勢いと量でザーメンを吐き出す。突き抜けるような快感と腰を蕩かすような甘い余韻に、思わず喘ぎそうになって奥歯を噛み締めた。それほどまでに気持ち良い射精だった。 「っはぁ゛……っ!♡はー……」 「ぉ゛……♡ぉ゛……ッ♡」  ゆるく抜き差しを重ねてすべて吐き出すうちにも、男の肉襞がチンポをしゃぶる。男は呆けたようにぐったりと浴室の床に体を投げ出しているが、胎内はチンポに阿るように媚びていた。 「っ、う゛……♡ぉ゛、ぉ゛……」 「全部搾り取ろうってすげぇ動いてんな……エロいケツ……♡」  じんわりと全身に広がる多幸感と倦怠感。ずるん♡と男からチンポを引き抜くと、法悦の名残にヒクヒクと慄く尻を眺めながら迅は体を洗いなおすためシャワーヘッドを手に取った。 「やっべ……コレ癖んなるわ」 ***  でかい男とみっちり浴槽に入るのも悪くない。迅はそう思いながら、自分が洗い上げた男の髪の毛を両手で後ろに撫でつけてやっていた。リフォーム済の風呂は割と広めだが、それでも一般家庭のため二人で入ると狭い。膝を抱えて座り込む男と向かい合わせに座り、迅は開いた足の間に男を挟み込んでいる。  迅の手によって長い髪が後ろにまとめられ、普段隠れているだろう首の傷がよく見える。傷口は裂けたようにズタズタだ、折れた骨が突き出たか何かしたんだろう。血は流れていないし首が正しい位置にあるので傷の中が見えるほど開いてもいないが、痛々しいそれに迅は無意識に顔を顰めていた。  性的に人を弄り回して泣かせたり虐めたりするのは大好きだが、セックスでの流血沙汰は好みじゃない。乱暴に扱ったり痛みを与えるのは相手が悦ぶなら率先してやるが、怪我をさせるのは本意ではない。あくまで、快感のスパイスとしてのプレイだ。 「ぅ゛……?」 「あー……ごめん。痛いか?」  手を伸ばして首のあたりを撫でていると、男が首を傾げた。生暖かい風呂の湯に浸かっているにも関わらず、男の肌は冷たいままだ。指先を掴まれ、ゆるく握られた。大きな手のひらが迅の手を包み、体温を奪うように感じる。人間ではないという事実を、改めて実感した。  さっきまで性欲に茹っていた頭では気にも留めなかったが、目の前の男はおそらく死んでいて巷では幽霊だか怪異だか言われている存在のはずだ。首の傷がある辺り、首折れ男の話に出てくる男で間違いないだろう。  迅は考え込むように男を見つめ、やがてゆっくりと息を吐き出す。そうして目の前にある顔をじっくり観察した。 「お前さ、名前は?」  返事があるとは期待せず、何となく問いかける。  半開きの唇は真っ青だが形は良く、上品に見える。目元はゆるく垂れていて、睫毛は濃く長く影を落としている。頬は痩けているものの、形自体は整っていた。その目が、きょとんと迅を見つめ返している。 「ぁ、ぅみ゛……ぉ、……ぅ゛」  唇が動いて、名前を呟いた、ように見えた。 「何て?」 「は、ぁ、しゅぅ゛み、っぉうぃ……ぢ」 「はすみ?おう……、いち……、コウイチ?」  迅が何とか聞き取って名前を予測すると、コウイチは小さく頷いた。初めて意味のある言葉を聞いた迅は驚いたが、コウイチは首を傾げて迅を見返している。 「コウイチね。俺は迅」 「ぃ゛ん゛……」 「じん」 「じ、ぃん゛……」 「そう」  膝に手を置いたまま、コウイチは迅の名前を繰り返し呟いていた。風呂の浴槽の幅にみっちりと嵌る大きな体格なのに、肩を竦めて妙にこぢんまりとしている。  ふと、最初に遭遇したときよりもしっかりとした反応をするようになったことに気が付く。クローゼットの前にコウイチが姿を現してから、迅は幾度となく問いかけてきた。男に答える気がなかったと言われればそれまでだが、最初は迅の言葉さえ理解していないようだった。それが今は、迅の言葉に耳を傾け、答えようとする。 「お前、成長してんの?いや、成長とは違うのか……?」 「ぅ゛?」  迅が首を傾げると、コウイチも同じように首を傾げた。きょとんと開かれた目は、黒目が白く濁っている。最初は白目だった。白い濁りも、薄くなって黒色が濃くなっている気もする。死体の目をよく観察したことなんてないから、そういうものなのかもしれないが。 「あー……まあ、どうでもいいかぁ」  性欲の落ち着いた体と暖かい湯で逆上せた頭は、あまりうまく回ってくれない。本格的に逆上せる前にと立ち上がり、ボケッとこちらを見上げてくるコウイチを見下ろす。 「とりあえず上がるか。お前は温まんねえみたいだし」 「あ゛、う……?」  浴室から出てバスタオルを渡すと、のろのろした動きではあるが今度はちゃんと自分の体を拭き始める。迅も別のバスタオルで自分の体を拭き、服を身に着けて寝室代わりにしているリビングへ向かった。 「服貸してやるから」  そう言えばコウイチは迅の後を黙ってついてくる。  幽霊って風邪ひくんだろうか、などと思いつつリビングのカラーボックスへ向かう。畳んで積み上げている服の中で、部屋着のスウェットとTシャツを引っ張り出した。 「ほら」 「ぁ……」  小さく頭を下げるような仕草をして、コウイチは服を受け取る。生前はずいぶん律儀な人物だったのだろうか。こちらに背を向けて、Tシャツを広げて腕を袖に通している。布団に寝転びもそもそと服を着る様子を眺めていると、男がTシャツの裾を引き下ろした。 「……ぱっつぱつ」  迅だってそこまで華奢ではないのだが、オーバーサイズの服を好まないためサイズに余裕がない。大柄のコウイチにはどうしたって小さいらしく、ぴったりと体のラインが分かるような着こなしになってしまっていた。幸い、スウェットの方は少し緩めだったおかげでコウイチにはジャストサイズになっている。  ムチムチの胸筋もどっしりした腰回りも薄い布一枚まとっただけで陰影が強調され、露骨に凹凸が分かる。さっきまで全裸だったのに、これはこれでエロいなと迅は思う。じっと見つめる迅の視線から、どことなく恥ずかしそうにTシャツの裾を引っ張っているのも良い。 「まあ……しばらくはそれでいんじゃね」 「…………」 「風邪引くかは知らんけど、俺が落ち着かねぇし」  あの薄汚れた服をもう一度着られて部屋が汚れるのも嫌だし、かと言って全裸でうろつかれたら新しい都市伝説が発生してしまう。しばらくはそのピチピチTシャツで我慢してもらうしかない。わざわざ買いに出かけるつもりはない。  体に馴染んだ布団に寝転がっていると、何となく眠気が襲ってきて迅は目を閉じる。吸い込まれるように眠りに落ちていくのが、心地よかった。

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