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カタストロフの花が咲く

「ユキ」 春成の、僕を呼ぶ声が好きだった。 僕の事をユキ、と呼ぶのは春成だけ。それが嬉しかった。誰にも呼ばせたくない。…呼ばせない。 急激に親しくなった僕達を見た周囲がからかい半分で僕のことをユキ、と呼んだその時、自分でも信じられない位の嫌悪感に襲われた。 ___もう、ベタ惚れだった。 最中に、「春成以外いらない、春成がいればいい」なんて恥ずかしい事を呟いた記憶もある。 実際、それは事実なんだけど、後から引いた。 恋人になって、僕達はたくさん話をした。今まで以上に。 話すのが下手な僕に合わせて、ゆっくりと聞いてくれた。春成からも、たくさんの話を聞いた。でもその殆どが僕の事で、耳を塞ぎたくなるよな恥ずかしい台詞セリフもたくさん。 幸せだった。 毎日が春の様な、そんな感覚。 季節はもうすぐ冬。 でも君の傍にいればずっと暖かい気がした。 「ユキ、愛してる」 「絶対に離さない」 大学3年の冬、君と出逢ったクリスマス。 春成は僕の目の前で、僕の手を離した。 「はる…………な、り……?」

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